2016年 理工学部 シラバス - 土木工学科
設置情報
科目名 | 基礎化学 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 土木工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 村上 雅彦 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | A12B |
クラス | 1 |
概要
学修到達目標 | 「物質」についての知識は,「材料化学」や「環境学」を学ぶ上で基礎的な情報として必須である。この「物質」の性質や反応を理解するには,微視的に(ミクロな視点で)原子や分子を理解することが重要である。「基礎化学」ではこのような見方を通して無機物質や有機物質に関わる現象を理解できるようにする。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
板書を主体にプロジェクタを併用した講義形式で行う。必要に応じてプリントを配布する。 |
履修条件 | 選択科目 |
授業計画
第1回 | 「化学」の解説および基礎的事項の確認 (高校までの化学との違い,科学の方法と特徴を理解する) |
---|---|
第2回 | 物質の構造・性質の理解とその歴史的過程 (物質についての考え方とその解明の過程を知り,その途上に現在があることを理解する) |
第3回 | 原子の構造,原子スペクトル (原始構造の解明のための実験過程と,その中で明らかになった古典力学の限界を理解する) |
第4回 | 量子論的原子モデル:ボーアの原子模型,量子論の考え方 (物質の構造・性質の理解の基礎となる量子力学的な考え方と,これに基づく原子モデルについて理解する) |
第5回 | 量子論的原子モデル:電子配置とその規則(構成原理) (波動として説明される原子軌道(オービタル)の種類(形状・エネルギー)と軌道への電子の入り方(電子配置)のルールを理解し,各元素の電子配置・エネルギー準位・形状をイメージできるようにする) |
第6回 | 元素の性質(イオン化エネルギー,電子親和力,原子・イオン半径)の周期性 (元素の基本的性質が電子配置から説明できること,それが主に有効核電荷の違いに基づくことを理解する) |
第7回 | 化学結合:分子軌道理論による結合の理解 (原子軌道が重なることで形状・エネルギーが変化し(分子軌道の形成),これによって原子間の結合力及び反発力を生じた結果として化学結合が形成されることを理解する) |
第8回 | 化学結合:多重結合(σ結合とπ結合),混成軌道の考え方 (原子軌道の重ね方の違いにより多重結合が可能となることや,重ねた軌道を再構成してより安定な結合を作ることを理解する) |
第9回 | 化学結合:混成軌道と有機化合物の分子構造 (炭素が形成する複雑な分子の形状・性質が,主に混成軌道に基づいて説明できることを理解する) |
第10回 | 化学結合:結合のイオン性と双極子モーメント・イオン結合・配位結合 (有効核電荷の違いによる結合電子の偏り(結合のイオン性)と,その化学結合及び物性への影響を理解する) |
第11回 | 化学結合:固体(結晶)の構造・性質 (分子集団である固体の基本的性質が結合の違いによって説明できることを理解する) |
第12回 | 分子間力と分子集団の性質 (分子集団において分子同士の間に働く力の種類・性質の違いを知り,これが分子集団の性質に与える影響について理解する) |
第13回 | 物質の状態変化と平衡状態 (目に見える物質の状態(気・液・固体)の違いと分子状態の関係及び状態間の変化に見られる並行状態について理解する) |
第14回 | 化学反応:反応速度と化学平衡 (化学反応の速度と反応時の状態の変化に見られる平衡状態について理解する) |
第15回 | 化学反応:種々の反応と平衡 (よく見られる化学反応と平衡に基づく変化の考え方について理解する) |
その他
教科書 |
小林憲司他 『化学の世界への招待』 三共出版 2011年 第3版
|
---|---|
参考書 |
J.マクマリー,R.C.フェイ著 『マクマリー 一般化学(上)』 東京化学同人 2010年 第1版
J.マクマリー,R.C.フェイ著 『マクマリー 一般化学(下)』 東京化学同人 2010年 第1版
高度な内容も含まれるが、判りやすくより詳しく解説されている。図版も美しく、より発展的な理解のために役立つ。
|
成績評価の方法 及び基準 |
定期試験の成績を基本とする。 平常点(出席・課題提出状況や授業態度)も考慮する。 |
質問への対応 | 授業終了後あるいはオフィスアワーに対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎8号館821室 |
オフィスアワー |
水曜 船橋 18:30 ~ 19:30
|
学生への メッセージ |
判らないことは判らないままにしないこと。常に”物質の性質やある変化の理由は何か(どのように説明できるか)?”を理解するよう心がけて下さい。 |