2016年 理工学部 シラバス - 土木工学科
設置情報
科目名 | 応用生態工学 | ||
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設置学科 | 土木工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 浅枝 隆 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A42V |
クラス | 土木工学 3年生 |
概要
学修到達目標 | 土木工事を行う際には、自然環境、特に、生態系に多大な影響を及ぼす。また、道路やダム、堰、堤防などの設置場所の決定には、自然の生態系を十分考えて行わなければならない。さらに、土木構造物の設計に際しても、生き物にやさしい構造でなければならない。こうした際に必要になる、生態系の知識、生物に関する知識を、様々な応用が可能なように、基礎から学ぶ。 |
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授業形態及び 授業方法 |
頻繁に質問を与えながら行う、両方向の講義形式とする。また、講義時間の終了前には、毎回、その日の講義内容の理解度を調査する小テストを行う。講義は、教科書に沿って進める。 |
履修条件 | とりたてて必須になる条件はない。 |
授業計画
第1回 | 以下の流れを基本とするが、背景となる知識、理解度に応じて臨機応変に修正を加えながら進める。 第一回は、土木事業に現れる、環境問題や土木事業と生物との関係、生物多様性の意味や阻害要因について学ぶ。 |
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第2回 | 生物の分類法について学ぶ。生態現象を理解する上で重要となる、種、個体、個体群、群集、生態系の意味を学ぶ。さらに、資源と環境収容力の関係を学ぶ。さらに、種内競争の形態と密度効果について学ぶ。 |
第3回 | 種間競争の形態と密度効果について学ぶ。さらにそれを理解するために必要となる、ニッチとギルドの意味、スペシャリストとジェネラリストとの意味を学ぶ。また、食物連鎖や食物網について学ぶ。 |
第4回 | 種の多様性の階層性、生物のもつr戦略とK戦略の違いについて学ぶ。 |
第5回 | 生物の視点で見た場合と人間生活の視点で重要となる現象の違いを理解するために、かく乱と種の多様性の関係について学ぶ。 |
第6回 | 土木事業を進める際に重要となる個体群の分断化の意味、適切な対応、植生の遷移等について学ぶ。 |
第7回 | 土木技術者の関わることの多い生態系として水域生態系がある。ここでは、まずその基礎となる事項を学ぶ。 水域生態系のエネルギー収支と成層の関係。一次生産と日射の関係について学ぶ。 |
第8回 | 酸素と二酸化炭素の関係について学ぶ。 |
第9回 | 一次生産にとって必要な栄養塩およびそれが律速する理由について学ぶ。 |
第10回 | 窒素、リンの循環について学ぶ。 |
第11回 | 土木技術者が関わることの多い植生浄化の仕組みについて学ぶ。 |
第12回 | 次に、湖沼およびダム湖の特性について学ぶ。 |
第13回 | 土木技術者が関わることの多い、ダム湖のアオコ現象およびその対策法について学ぶ。 |
第14回 | 河川の形態特性および有機物の流れ、水質指標ともなる生物群集、生態的特性について学ぶ。 |
第15回 | 理解度確認試験およびその考え方について学ぶ。 |
その他
教科書 |
浅枝 隆 『図説 生態系の環境』 朝倉書店 2011年 第初版
教科書は、図説生態系の環境(朝倉書店)を用いる。講義は教科書に沿って進める。また、小テスト等は、教科書を参考にして解答を作成することとし、何回も教科書を読むことで理解を深める。教科書は必ず用意すること。朝倉書店に直接問い合わせるか、通信販売などを利用すると容易に入手できる。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
理解度確認試験40%、通常の小テスト40%、レポート20%の割合を基本に総合的に評価する。 |
質問への対応 | 講義終了後およびメールにて対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
asaeda@mail.saitama-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
他の土木工学の科目と比較すると多少変わった感触があります。しかし、近年土木技術者には柔軟性と多様な知識が求められています。そのトレーニングも兼ねています。 |