2016年 理工学部 シラバス - まちづくり工学科
設置情報
科目名 |
まちづくり倫理学
「まち」の生成と構築をめぐる倫理学的探求
|
||
---|---|---|---|
設置学科 | まちづくり工学科 | 学年 | 4年 |
担当者 | 勢力 尚雅 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | E22Q |
クラス |
概要
学修到達目標 | 本科目は、古今東西の思想との対話を通じて、まちづくりのための倫理的思考力を養います。まちづくり工学科の学習・教育到達目標A~IのうちB「技術者倫理」およびD「専門応用学力」 の達成に主力的に関与する重要な科目です。また、G「デザイン・総合力」およびI「ファシリテイト 能力・コミュニケーション能力」の達成に補足的に関与する科目です。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
プリント資料を配布し、テキストや実践例をもとに、板書を活用しながら講義します。 |
履修条件 | 古今東西の人文社会科学の知見や言説を通じ、「人間とは何者か、どのような方向に進みがちで、どのような可能性を秘めているか」といった問題を考えながら、まちづくりの倫理学を探求します。好奇心と探求心が履修条件です。予備知識はなくてもかまいません。 |
授業計画
第1回 | まちづくりのアフォーダンスをめぐる問題群―「公共空間と人為」についての問い直し [ヒューム/ロマン主義/世紀末芸術/アーレント/テイラーら] |
---|---|
第2回 | まちの時間(文化的記憶)をつむぐデザインと思想―「バロック」と「モデルニテ」 [ボードレール/ベンヤミン/柳宗悦/九鬼周造/小林秀雄ら] |
第3回 | まちの祝祭(庭園と祭り)のデザインと思想―「広場」とは何か [柳田国男/カイヨワ/バタイユ/アドルノ/アーレント/平田オリザら] |
第4回 | あいまいな場所(多様なものとの縁・偶然性の設え)のデザイン―サードプレイスとアジール [オルデンバーグ/ヘンスラー/網野善彦/折口信夫/村上春樹ら] |
第5回 | 風景と時間の倫理学的考察 [ハイデガー/和辻哲郎/ベルク/バルト/桑子敏雄/佐藤康邦ら] |
第6回 | 景観・まちづくり訴訟事例をめぐる考察 ―「12人の優しい日本人」と「「大岡裁き」の法意識」をふまえて [ギャスティル/フィシュキン/サンスティーン/ヌスバウムら] |
第7回 | まちづくりにおける「対話」の現実と課題―社会構成主義と民主主義 [ガーゲン/ローティー/ムフ/デリダら] |
第8回 | フランス・イタリアのまちづくり思想と文化政策 [ランシエール/カッチャーリ/アガンベンら] |
第9回 | ドイツ・イギリスのまちづくり思想と文化政策 [ヒューム/ラスキン/モリス/ルーマン/ハーバーマスら] |
第10回 | 世紀末芸術とモダニズムの思想と課題 [ホフマンスタール/クラウス/フロイト/マーラー/ジンメルら] |
第11回 | アートや美術館の位置づけと思想―「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」をふまえて [ベンヤミン/アドルノら] |
第12回 | 都市の中の「ムラ」―都市デザインの思想と課題 [フーコー/ドゥルーズ/ガタリ/コールハース/デランダら] |
第13回 | 地域とのつながりかた・つなげかた―多文化主義・他自律・サポーターとマレビト [折口信夫/宮本常一/テイラー/ハーマッハー/センら] |
第14回 | 21世紀の展望とネットワークの課題 ―少子高齢化・科学技術の発達・その他の諸問題から見える30年後の「まち」について |
第15回 | まとめ |
その他
教科書 |
授業中に配布するプリントを用います。
|
---|---|
参考書 |
授業内で適宜紹介します。
|
成績評価の方法 及び基準 |
毎回の授業内でミニレポートを作成し、授業直後に提出してもらいます。 そのミニレポートに毎回点数をつけ、累計して成績評価します。 |
質問への対応 | 授業直後に対応します。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台…333研究室 船橋 …532研究室 |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 12:20 ~ 13:00 333研究室
火曜 船橋 16:40 ~ 17:20 532研究室(前期)
火曜 船橋 12:20 ~ 13:00 532研究室(後期)
水曜 船橋 12:20 ~ 13:00 532研究室
|
学生への メッセージ |
この授業では、さまざまな問いと解答例を紹介します。卒業後もずっと考え続けたくなるような「問い」と、その問いをめぐって考察を続けていくための「手かがり」との出会いを提供したいと思います。自分で考え続けていきたい「問い」のかたちを探してください。 |