2016年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | コンピュータシミュレーション | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 相澤 正満 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M14Q |
クラス |
概要
学修到達目標 | 実験と理論に対する第3の柱として計算機利用を主とした物理学としてのコンピュータシミュレーションの基礎を与える。基礎的な数値解析が中心になる。個々の詳しい物理学の各分野への応用は後期の「計算物理学」で与えられる。大学院量子理工学専攻の講義「計算機シミュレーションⅠ・Ⅱ」への橋渡しも兼ねている。まず計算機でどんなことができるのか、数値データはどう扱われていて、どのようにプレゼンテーションすべきかを説明する。簡単な物理の問題を扱い、計算機を利用した場合に理論とどう違ってくるのかに重点を置き講義する。計算結果を、やみくもに信じることなく、物理的に吟味できるようなセンスを身に付けられるようにしたい。 |
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授業形態及び 授業方法 |
理解を助けるように毎回プリント「コンピュータシミュレーション・ノート」を配布する。 演習問題も行なうから、基本情報処理技術者試験に関連した基礎的な素養を身につけるのにも役に立つはずである。 |
履修条件 | 選択科目 |
授業計画
第1回 | コンピュータとOS(1) 本講義の概要をまず説明する。その後、計算機のしくみを簡単に説明するとともに、オペレーティングシステム(OS)の歴史と概要について述べる。またOSの実際の働きについても、取り扱えるメモリ制限などがどこから来るのかが理解できるなど計算物理学で必要な知識を中心にして説明する。 |
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第2回 | コンピュータとOS(2) |
第3回 | プログラミング言語とプログラミング(1) アルゴリズムとは何か、これに基づいてプログラミングをし、計算機から結果を得るまでの手順について説明し、あわせていくつかのプログラミング言語についても紹介する。特に最近よく使われる統合環境下でのプログラムの実行についても述べる。 |
第4回 | プログラミング言語とプログラミング(2) |
第5回 | 計算機における数の表現と誤差(1) 計算機の中で情報や数値はどのように表現され、使われているかについて説明する。計算物理学の中でも根本的な事項の1つである。数値表現に起因した誤差について述べる。 |
第6回 | 計算機における数の表現と誤差(2) |
第7回 | データの整理と補間法 実験や計算結果のデータ整理をする場合の基礎である最小2乗法およびデータの補間や関数あてはめの方法としてラグランジュ補間、スプライン補間に関して概説する。 |
第8回 | 非線形方程式の解の探索 f(x)=0の解を見つける方法として用いられる2分法とニュートン法について説明する。これに伴って使われる反復解法について詳しく述べる。反復解法は、この後いろいろな場面で何度も使われる方法であり、きわめて便利ではあるが、使い方を誤れば副作用も大きいので注意しなければならない。 |
第9回 | 数値積分法(1) 実際の問題においては積分が解析的に実行できる場合は非常に限られている。また被積分関数が複雑になった場合には、最終的に数値積分をせざるを得ないことが多い。被積分関数の性質を考えて効率よく実行する方法を述べる。 |
第10回 | 数値積分法(2) |
第11回 | 運動方程式の解法(1) 物理においては運動方程式のように2階の常微分方程式を解かなければならない場合が、頻繁に出てくる。このような場合の最も基本的な方法は階数を落とし微分を差分で近似して解く差分法が用いられる。差分の方法によってオイラー法等の解法名が付いている。差分の仕方によって起こる諸問題について議論する。少し進んだ方法としてルンゲ・クッタ法についても説明する。時間が許せばアダムス法(線形多段法)についても説明したい。 |
第12回 | 運動方程式の解法(2) |
第13回 | 多元連立1次方程式の解法(1) 連立1次方程式を今さら、という気がするかも知れないが実際の物理現象を支配している多くの偏微分方程式を数値的に解き、シミュレーションする場合、最終的には連立方程式に帰着する場合が多い。線形代数の復習をしながら説明する。 |
第14回 | 多元連立1次方程式の解法(2) |
第15回 | 熱伝導方程式の解法 偏微分方程式を数値的に解くのは、大変困難な問題である。入門として比較的簡単に解ける熱伝導方程式を差分法により解く方法について述べる。偏微分方程式の理論的扱いと数値解法の多くは大学院のレベルになる。 |
その他
教科書 |
特に定めないが、演習問題等をのせたプリント「コンピュータシミュレーション・ノート」を毎回配布する。
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参考書 |
上記「コンピュータシミュレーション・ノート」において適宜紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験による。配布されるプリント「コンピュータシミュレーション・ノート」の問題等をよく勉強しておくとよい。 |
質問への対応 | 研究室:御茶ノ水校舎(旧法科大学院棟)10階 C1008室に来るか、簡単なことならメールでもよい。 質問等の時間:メールで確認していただくのが確実です。 |
研究室又は 連絡先 |
研究室:御茶ノ水校舎(旧法科大学院棟)10階 C1008室 E-mail: aizawa@phys.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 15:00 ~ 18:00
木曜 駿河台 11:00 ~ 12:00
木曜 駿河台 15:00 ~ 18:00
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学生への メッセージ |
演習の問題をぜひ解いてみてください。また数値解法・アルゴリズムが中心なので特にプログラムができなければ困るということはありません。ただし、プログラムの実行ができればより理解が深まると思います。この講義により最新のコンピュータハードとソフトの用語や内容が理解できるようになります。 |