2016年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 心理学の基礎 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 伊藤 令枝 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜1 月曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | T11K T12J |
クラス |
概要
学修到達目標 | 心理学は、人の心を読むテクニックやマインド・コントロールなどではなく、人間の「こころ」を客観的に把握しようとする科学である。本講義では、人間が情報をとらえる仕組みやそれに関する基礎的な理論を取り上げ、人間の知覚・認知システムの特徴や複雑性を理解していくことを目指す。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義形式。 必要に応じて資料を配布する。 |
履修条件 | 文化教養サブメジャー・コース設置科目。 後期「応用心理学」とあわせて受講することが望ましい。 履修を希望する学生は、初回授業に必ず出席すること(履修者を制限する場合もあるため)。 |
授業計画
第1回 | 心理学へのアプローチ -客観的学問としての心理学、「こころ」の捉え方、学習の進め方、履修上の注意点 |
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第2回 | 心理学の歴史 -哲学としての出発と独立、自然科学の影響、日本での心理学の受容、心理学の研究対象 |
第3回 | 欲求と行動(1) -行動主義の考え方、生得的な行動メカニズム、後天的な「学習」のメカニズム |
第4回 | 欲求と行動(2) -動機づけのメカニズム、欲求と行動、欲求不満と葛藤、適応機制 |
第5回 | 記憶(1) -認知心理学の考え方、記憶のメカニズムと忘却、短期記憶とワーキング・メモリ、心的イメージ |
第6回 | 記憶(2) -長期記憶と知識、系列位置曲線、記憶の定着、記憶の変容と「汚染」、フォルス・メモリ |
第7回 | 感覚・知覚(1) -中枢・末梢神経系の構造と情報伝達メカニズム、感覚の種類と感覚経験 |
第8回 | 感覚・知覚(2) -刺激量と感覚量との関係性、順応、残像、対比と同化、感覚遮断 |
第9回 | 感覚・知覚(3) -視覚・色覚の仕組み、盲点、主観色、明るさや色の錯視 |
第10回 | 感覚・知覚(4) -ゲシュタルト心理学の考え方、かたちの視知覚、主観的輪郭、幾何学的錯視 |
第11回 | 感覚・知覚(5) -奥行きを知覚する方法、知覚の恒常性、多義図形と「だまし絵」、動きの錯視 |
第12回 | 認知と思考(1) -視覚的探索とポップアウト現象、文脈効果、文字認識理論、ボトムアップ処理とトップダウン処理 |
第13回 | 認知と思考(2) -選択的注意、注意力の限界、単純接触効果、知覚的防衛 |
第14回 | 認知と思考(3) -ヒューリスティクス、認知や思考のバイアス、ステレオタイプ、4枚カード問題と推論 |
第15回 | 総括 -環境と人間との相互作用、心理学の変遷と研究手法の高度化、「応用心理学」への誘い |
その他
教科書 |
鹿取廣人・杉本敏夫・鳥居修晃(編) 『心理学』 東京大学出版会 2015年 第5版
教養課程心理学教育研究会(編) 『教材心理学-心の世界を実験する』 ナカニシヤ出版 1976年 第4版
教科書の購入等については、授業内で別途指示する。
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参考書 |
梅本堯夫・大山正(編) 『心理学への招待-こころの科学を知る(改訂版)』 新心理学ライブラリ サイエンス社 2014年
和田万紀(編) 『教育心理学』 Next教科書シリーズ 弘文堂 2014年
藤田主一・齋藤雅英・宇部弘子(編) 『新 発達と教育の心理学』 福村出版 2013年
V.S.ラマチャンドラン・S.ブレイクスリー(著)、山下篤子(訳) 『脳のなかの幽霊』 角川書店 1999年
大山正(著) 『色彩心理学入門-ニュートンとゲーテの流れを追って』 中公新書 中央公論新社 1994年
C.チャブリス・D.シモンズ(著)、木村博江(訳) 『錯覚の科学』 文芸春秋 2011年
その他、授業時に適宜紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート(2題)や小テスト等の平常点(約60%)と、定期試験(約40%)による。 |
質問への対応 | 授業前後、オフィスアワー等に受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎332A室および船橋校舎542B室。 メールや電話等による問い合わせは一切不可とする。 |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 14:00 ~ 16:00
火曜 船橋 17:00 ~ 19:00
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学生への メッセージ |
ただ単に授業を聞いてノートをとるのではなく、人間の心や行動に興味を持ち、積極的に授業に臨んでほしい。また、自分自身について、そして、人間について考えながら、理解を深めてほしい。 |