2017年 理工学部 シラバス - 建築学科
設置情報
科目名 | 建築史Ⅱ | ||
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設置学科 | 建築学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 田所 辰之助 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C32T |
クラス | 2組 | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 企画経営コースの系統図確認 建築コースの系統図確認 |
概要
学修到達目標 | 西欧近代の建築を扱い、1)近代建築はなぜ始められたのか、2)近代建築をもたらしたモダニズム運動の諸側面、3)近代建築が目指した空間像、4)近代建築の広がり、の各項目について重点的に解説する。今日の建築の状況へさまざまな経路を通じてつながっている「近代建築」の特徴を理解し、その成り立ちを重層的に読み解いていきたい。時代・社会背景との関連のなかで建築を理解し、建築のデザイン・造形を幅広い視野から考えることのできる目を養っていきたい。 |
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授業形態及び 授業方法 |
全体を大きく4つの章に分け、近代建築の1)始動因、2)改革運動としての側面、3)空間、4)多様性、の各主題にもとづいて講義を進める。パワーポイントにより代表的作品を紹介しながら、その背景となる時代や社会背景を解説する。授業の中間期にレポートの作成、また学期末に試験を行い、その解説を通じて理解を深める。 |
履修条件 | 専門教育科目(選択) |
授業計画
第1回 | イントロダクション(序論):なぜ歴史を学ぶのか/建築史(西洋)の見取り図-近代建築の位置づけ/授業スケジュールについて |
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第2回 | Ⅰ.近代建築の始まり(1):19世紀の状況 歴史主義の建築 「様式」の解体 建築の「原型」の追求 |
第3回 | Ⅰ.近代建築の始まり(2):産業革命による建築の転換 新材料と空間の変容 建築か建物か シカゴ派の建築 |
第4回 | Ⅰ.近代建築の始まり(3):ウィリアム・モリスとアーツ・アンド・クラフツ運動 「芸術」から「生活」へ 田園都市運動 ジードルンクと郊外 |
第5回 | Ⅱ.モダニズムと近代建築(1):「デザイン」の誕生 ドイツ工作連盟とバウハウス インターナショナル・スタイル(国際様式)への道のり |
第6回 | Ⅱ.モダニズムと近代建築(2):美意識の転換 芸術運動とモダニズム デ・ステイル ロシア構成主義 「抽象」とは 国際的構成主義の成立 |
第7回 | Ⅱ.モダニズムと近代建築(3):近代建築と都市 都市文化の形成 アール・ヌーヴォー ウィーン分離派 CIAM |
第8回 | 中間レポートおよび解説 |
第9回 | Ⅲ.近代建築の空間像(1):フランク・ロイド・ライトと有機的建築の系譜 地域性・場所性 空間の流動性 |
第10回 | Ⅲ.近代建築の空間像(2):住宅は住むための機械である ル・コルビュジエと近代建築の5原則 純粋形態 機能主義 |
第11回 | Ⅲ.近代建築の空間像(3):ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエとユニヴァーサル・スペース 空間の普遍性 |
第12回 | Ⅳ.近代建築の広がり(1):ドイツ表現主義の建築 神話と共同体 ブルーノ・タウトと日本 ロマンティック・ナショナリズム |
第13回 | Ⅳ.近代建築の広がり(2):1930年代の建築 全体主義の興隆 ナチス・ドイツと近代建築 イタリア・ラショナリズムの建築 |
第14回 | Ⅳ.近代建築の広がり(3):近代建築の日本への導入 前川國男と丹下健三 メタボリズムの展開 近代建築と「伝統」 |
第15回 | 平常試験および解説・まとめ |
その他
教科書 |
矢代真己、田所辰之助、濱嵜良実 『マトリクスで読む20世紀の空間デザイン』 彰国社 2003年 第1版
必要に応じ、関連資料を配布する。
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参考書 |
大川三雄、川向正人、初田亨、吉田鋼一 『図説 近代建築の系譜』 彰国社 1997年 第3版
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成績評価の方法 及び基準 |
中間レポート(30%)および期末試験(70%)を総合して評価する。 |
質問への対応 | 授業終了後に対応する。あるいは、下記の研究室を来室されたい。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎5号館7階575B室(田所研究室) |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 17:00 ~ 18:00 5号館7階575B室(田所研究室)
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学生への メッセージ |
今日の建築の礎となる近代建築がどのような過程を経てつくられていったのか。建築家たちによるさまざまな試行錯誤があり、それぞれの建築のもつ豊かさにまずは目を向けていきたい。さらにもう一歩進めて、こうした試みがなぜ必要とされたのか、その時代背景や社会状況との関わりへも興味を広げていってほしい。 |