2017年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 |
熱力学Ⅱ
ノズル内の流れと相変化を伴う場合の熱力学
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 高橋・中根 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H31F |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 熱力学Ⅰで学習したことをさらに進め,噴流推進機関の基礎となる燃焼の基礎,気体の流動および相変化を伴う実在流体に関する熱力学を扱う。 燃焼の基礎として,化学反応から初めて,酸素と燃料の混ざり具合を定量化することや,反応の進行速度を考えていく。 気体の流動の熱力学では,1次元等エントロピ流れとして流れの性質とノズル内流れを扱う。 実在流体の熱力学では,まず蒸気の性質について理解し,その応用分野(パワープラント,冷凍工学,空地調和)へ適用できるようにする。 また,エクセルギと自由エネルギを導入する.さらに,数学を用いて計れない物理量を計測できる物理量から推定する方法を考える. |
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授業形態及び 授業方法 |
板書を中心とした講義形式で行う。 |
履修条件 | 選択必修科目。 「熱力学Ⅱ演習」の授業も同時に受講すること。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス,授業の目標と概説 熱力学Ⅰの復習 燃焼ガス (1) 燃焼ガスの組成 化学反応式,量論比,空燃比,当量比 |
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第2回 | 燃焼ガス (2) 反応熱,燃焼ガス温度 反応物,生成物,反応熱,燃焼熱,断熱燃焼温度 |
第3回 | 燃焼ガス (3) 化学平衡 化学反応速度,反応速度定数,平衡定数 |
第4回 | 燃焼ガス (4) 燃焼ガス組成と温度 熱解離,解離平衡 |
第5回 | 気体の流動 (1) 1次元定常流れの基礎式 連続の式,エネルギー式,状態式 |
第6回 | 気体の流動 (2) 音速とマッハ数 音速,亜音速,超音速 |
第7回 | 気体の流動 (3) 断熱流れ 等エントロピー流,全温,全圧 |
第8回 | 気体の流動 (4) ノズル内の流れ 臨界圧力,臨界温度,臨界流速,チョーキング,先細ノズル,末広ノズル |
第9回 | 気液サイクル(1) 純物質の性質 相変化を伴う状態変化,乾き度の導入,相変化・ギブスの相律とクラペイロン・クラウジウスの式 |
第10回 | 気液サイクル(2) 蒸気の状態量 熱量的状態量,蒸気の状態式,蒸気表 |
第11回 | 気液サイクル(3) 蒸気の状態変化 等圧・等容・等温・断熱変化と等エンタルピ変化 |
第12回 | 気液サイクル(4) 基準サイクル ランキンサイクル,再生・再燃サイクル,冷凍サイクル,成績係数 |
第13回 | 気液サイクル(5) 湿り空気 湿り空気の性質,湿度の定義(絶対湿度、相対湿度、比較湿度),湿り空気の状態量,湿度の測定,湿り空気線図 |
第14回 | 最大仕事とエクセルギ 系から取り出せる最大仕事はいかほどか?という問いから、エクセルギやアネルギ、もしくはヘルムホルツエネルギやギブスエネルギの導入を行う |
第15回 | 熱力学の一般関係式 2変数の微分関係をから、状態量の意味や状態間の関係を明らかにする |
その他
教科書 |
河野通方 他監修 『工業熱力学 基礎編』 東京大学出版会
『熱力学問題集』 熱力学Ⅰの授業時に配付
「工業熱力学」は「熱力学と流体力学の基礎」、「熱力学Ⅰ」で使用した教科書であり,具体的な工業装置と関連づけながら,機械系の工業熱力学を学べるようにした書籍である。
「熱力学問題集」は航空宇宙工学科で製作した問題集である。
なお、授業の後半部ではCSTポータルを用いて教科書代わりの資料を公開する。
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参考書 |
谷下 市松 『大学演習 工業熱力学(3訂版)』 裳華房 1980年 第32版
谷下 市松 『工業熱力学 基礎編 (SIによる全訂版)』 裳華房 1984年 第30版
斎間 厚, 増田 哲三, 江良 嘉信, 庄司 秀夫 『基礎熱力学』 産業図書 2004年 第1版
「大学演習 工業熱力学」は古い本ではあるが,機械系の熱力学の要点と演習問題の詳しい解説からなる書籍である。
「工業熱力学(基礎編)」は教科書や上記演習書よりも,各項目について詳しく説明されている。
「基礎熱力学」は以前に教科書として使用していた書籍である。
なお,他にもJSMEテキストシリーズの「熱力学」と「熱力学演習」は,機械系熱力学の教科書、演習書として信頼のおけるものがある。
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験を90%,課題を10%程度として評価する。 熱力学II演習の授業の成果も加味し、成績も連動する。 |
質問への対応 | 授業後または研究室にて随時受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
高橋 : 船橋校舎3号館3階337B室 中根 : 船橋校舎3号館3階332室 |
オフィスアワー |
木曜 船橋 13:30 ~ 16:00 高橋
水曜 船橋 16:40 ~ 18:00 中根、設計製図の授業が終わり次第
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学生への メッセージ |
扱う内容が多いので,必ず予習と復習をし,演習問題を自ら解いてもらいたい。 |