2017年 理工学部 シラバス - 電気工学科
設置情報
科目名 | 物性の基礎 | ||
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設置学科 | 電気工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 松田 健一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | I53B |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 本講義では、物質の示す様々な巨視的な特性を知るために「熱力学」を中心に学ぶ。熱力学は、かつて産業革命を大きく飛躍させただけではなく、最近では、生物学、地球科学、経済学の理解の助けにもなっている。この「熱力学」の基礎を習得することを目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
板書とプロジェクターの両方を併用した講義形式。 |
履修条件 | 高校および大学初年次程度の数学、高校の物理学を履修していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 「熱」、「温度」、「エネルギー」、「仕事」などの基本的な語彙の物理学的な意味を説明し、物質と熱現象の例を示す。「熱平衡状態」についても説明する。講義全体の計画についても説明する。 |
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第2回 | 理想気体の状態方程式について説明する。気体運動の微視的な理論はあとから学ぶこととし、いくつかの熱力学的量の間の関係式や、熱力学的な状態を指定する方法を学ぶ。 |
第3回 | 「内部エネルギー」について学ぶ。また系の「断熱的変化」の意味についても説明する。 |
第4回 | 熱力学的所量の微少変化を記述する数学として全微分の概念を説明する。熱力学の第一法則の説明の準備を行う。 |
第5回 | 「熱力学の第一法則」を学ぶ。系になされる仕事、系に流入する熱量、内部エネルギーの関係を知る。特に全微分の形式を使って記述する方法を学ぶ。 |
第6回 | 熱力学の第一法則と、それに関連した応用問題について解説する。簡単な例題を解く過程を学ぶことで、法則の使い方を体得する。理想気体に関連した問題や、比熱についても学ぶ。 |
第7回 | 「熱機関」について説明し、また「カルノーサイクル」、「カルノーの定理」を解説する。「可逆過程」や「不可逆過程」についても解説する。 |
第8回 | 「熱力学の第二法則」を学ぶ。「トムソンの原理」、「クラウジウスの原理」についても解説する。 |
第9回 | 熱機関の効率、「エントロピー」の概念を学ぶ。また「熱力学の第三法則」を学ぶ。 |
第10回 | 熱力学関数について学ぶ。ヘルムホルツの自由エネルギー、ギッブスの自由エネルギー、いくつかの熱力学的諸量について、再確認する。 |
第11回 | 熱力学的諸量の間の関係について「マクスウェルの関係式」を解説する。微分形式による表記を再確認し、具体的な応用例に当たる。 |
第12回 | 「相」と「相転移」について学ぶ。「相平衡」などの言葉の意味を理解しつつ、相図を理解できるようにする。 |
第13回 | 理想気体と分子運動についてまなぶ。古典的な体系としての分子集団に対し、微視的な視点を導入しながら、集団としての性質を予想する手段を考える。「位相空間」などの言葉の意味も理解する。 |
第14回 | 気体の分子運動について、微視的な視点を導入し、確率・統計てきな手法で系の性質を理解する系統的な手法を学ぶ。ボルツマン因子、エネルギーの等分配則について理解する。 |
第15回 | 熱力学の「非平衡状態」への応用を概観する。特に重要な話題として「拡散現象」を取り上げ、不可逆過程への導入部分を学ぶ。 |
その他
教科書 |
和達三樹、十河清、出口哲生 『ゼロからの熱力学と統計力学』 岩波書店 2005年
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参考書 |
田崎晴明 『熱力学―現代的な視点から』 培風館 2000年
久保亮五 『大学演習 熱学・統計力学』 裳華房 1998年
戸田盛和 『熱現象30講 (物理学30講シリーズ)』 朝倉書店 1995年
F. Reif 『統計熱物理学の基礎』 吉岡書店 1984年
R.P. ファインマン 『ファインマン統計力学』 丸善出版 2012年
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験(70%)、課題レポート・演習(30%) |
質問への対応 | 随時質問可. |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎4号館429A号室, TEL : 03-3259-0772 |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 10:40 ~ 12:10
土曜 駿河台 10:40 ~ 12:10
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学生への メッセージ |
数式によって理解するのではなく,想像力を逞しくして具体的なイメージをつかむことを優先してください. |