2017年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 高分子科学 | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 伊掛 浩輝 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜5 火曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L15M L21M |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 人類の歴史以来,天然に産生する木材などの天然高分子が利用されてはいたものの,それらが巨大分子からなることが理解されたのは20世紀初頭のことである.比較的構造が明確な低分子量化合物を共有結合で繰り返し繋げていく,いわゆる重合により生成する物質を合成高分子というが,このような高分子の概念が確立して約90年となる.今では,その生産量は体積で金属を凌ぎ,三大材料の一角を担う.高分子とはどのようなものなのか,丁寧に解説し,将来高分子に携わる者への理解を深め,知識の定着をはかることを目標とする. |
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授業形態及び 授業方法 |
黒板を使用した講義形式で進める.項目に応じた理解度チェックプリントを配布し,授業内容を確認しつつ知識の定着をはかる.授業中では例題を取扱い,理解に必要な計算方法なども身につけていく. |
履修条件 | 高分子化学分野の導入科目となっている.特に,履修希望者に対する予備知識などの条件は設けない. 高分子やプラスチック分野に多少でも興味のある方,持てそうな方はぜひ履修してほしいと考えている. |
授業計画
第1回 | 「高分子科学」についての概説 シラバス内容の確認,受講にあたっての諸注意や授業内容の動機づけを行う. |
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第2回 | 高分子の歴史 高分子の科学技術史を紹介し,今日の高分子工業社会との関わりについて概説する. |
第3回 | 高分子とは何か 高分子化合物の定義や語源,また,それらに関連する専門用語について整理する. |
第4回 | 高分子の分類 高分子化合物を記す上でのルール,命名法,高分子の分類法などについて解説する. |
第5回 | 高分子の特徴 高分子の特徴を分子量の視点から整理し,高分子鎖の形態と性質について解説する. |
第6回 | 分子量分布と平均分子量(1) 平均分子量や分子量分布について定義し,求め方や数式の一般化について解説する. |
第7回 | 分子量分布と平均分子量(2) 実例から平均分子量,分子量分布を計算し,分子量や分子量分布について理解する. |
第8回 | 分子量分布と平均分子量(3) 分子量の測定方法について解説し,データからの分子量を求め,理解の定着をはかる. |
第9回 | 一次構造と立体構造 高分子材料の成型加工について概説し,一次構造や立体構造の位置づけを解説する. |
第10回 | 高次構造と立体配座(1) 二次構造,回転異性体について解説し,高分子鎖の形態など演習を通して理解する. |
第11回 | 高次構造と立体配座(2) 回転異性体を例に温度の影響,高分子構造の安定性について演習を通して理解する. |
第12回 | 高分子合成の分類と特徴(1) 高分子の合成反応について,分類やその特徴について解説する.【連鎖重合系】 |
第13回 | 高分子合成の分類と特徴(2) 高分子の合成反応について,分類やその特徴について解説する.【逐次重合系】 |
第14回 | 高分子の用途 高分子化学や高分子工業と産業の現状について解説し,高分子の展望について討論する. |
第15回 | 理解度確認とその詳説 これまでの講義の理解度を理解度チェックプリントと演習を通じて確認し,詳説することで理解を深める. |
その他
教科書 |
妹尾学,栗田公夫,矢野彰一郎,澤口孝志 『基礎 高分子科学』 共立出版 2000年年 第1版
指定した教科書の1から4章を中心にトピックを絞り解説する.理解を深めるために,関連する分野については教科書以外からも機会あるごとに紹介する.
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参考書 |
参考書は指定しない.単元に応じて推薦図書を紹介する.理工学部図書館(お茶の水校舎4階)を大いに利用し,手にとってわかりやすい図書をぜひ見つけてほしい.
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験及び演習など授業に取り組む姿勢を総合的に評価する.定期試験: 80%,授業に取り組む姿勢: 20%.授業に取り組む姿勢:メールを含めた質問,演習など課題に取り組む姿勢. |
質問への対応 | 授業内容については,講義中,講義後,オフィスアワー,E-mailを利用して質問のこと.E-mailを利用しての質問は,学科名,学生番号,氏名を必ず明記した上で質問すること.なお,質問への回答は講義の時に行うので,E-mailでの返信は行わない. |
研究室又は 連絡先 |
高分子工学研究室(駿河台校舎2号館1階214室) E-mail: ikake.hiroki@nihon-u.ac.jp/電話: 03-3259-0823(直通) |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 10:30 ~ 12:00 高分子工学研究室(E-mailでの事前予約を希望)
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学生への メッセージ |
今では日常的に使われている言葉,耳慣れない言葉など,多くの専門用語が出てきますが,項目別に整理した上で授業を進めます.まずは苦手意識を持たずにナチュラルな気持ちで授業に参加してください. |