2017年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 地球環境科学 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 村上 雅彦 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜1 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L51O L52O |
クラス | A 、 B | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 物質的な豊かさを実現した科学技術による人類の活動の拡大は、同時に地球環境維持システムに多大な影響を与え続けており、その影響が表面化しつつある。また、近年では環境のために行われたはずの行動が、かえって負荷を高める結果となることも少なくない。地球環境システムがどのように確立され、我々の活動がこれにどのように影響を与えているか?を理解することは、これからの科学技術者にとって必要不可欠である。 本講義では、地球環境の成り立ちと現状、および人類活動の影響に関して考えられるメカニズムや考え方とその問題点を理解し、今後の科学技術の方向性を模索するための基礎を養うことを目標とする。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
テキストとプリントを基に、板書主体の講義を行う。 |
履修条件 | 選択科目。専門である化学の知識を活かして地球環境の形成と人為的変化に関わる諸現象のメカニズム・考え方を理解することを目的とする。出席状況は教室設置のカードリーダーによる記録に基づいて評価するので、出席時の記録を忘れないこと(学生証忘れについては対応しないので注意)。 |
授業計画
第1回 | 概論 宇宙と元素の進化および地球環境についての現在の理解を確認する。物質およびエネルギー的側面から見た人類活動の肥大化の現状について概観し、本講義の目的を把握する。シラバスを参照し、科目の概要を理解して臨むこと。 |
---|---|
第2回 | 宇宙と元素の進化(1) ビッグバン宇宙論に基づく宇宙の進化について理解する。また、理解に必要な基本的知識(原子構造と素粒子、原子核の性質・反応など)について再確認する。 【復習】「ビッグバンと、これが起きたと考えられる根拠」「原子核の構造と原子核の反応(核融合・核分裂・放射性壊変)」について説明できるようにする。 |
第3回 | 宇宙と元素の進化(2) 恒星と元素の形成過程を理解し、現在の宇宙の進化と元素の構造・性質についての知見が、矛盾無く物質進化の過程を表していることを理解する。 【復習】「恒星の誕生〜崩壊までの過程」「これに伴って起こる元素の形成」「宇宙元素存在度との相関」について説明できるようにする。 |
第4回 | 地球環境の成り立ち 太陽系の形成,地球環境の比較惑星論的特異性,岩石型惑星の分化と地球環境の変遷について理解する。 【復習】「太陽系の形成過程」「内惑星と外惑星の違いとそれが生じた理由」「地球と金星・火星の環境の主な違いとそれが生じた理由」について説明できるようにする。 |
第5回 | 地圏・水圏の形成と変化(1) マグマオーシャン~固体地球の形成と元素の一次分別,原始大気・海洋の形成過程について理解する。 【復習】「地球における地圏・水圏・気圏の基本的な形成過程」について説明できるようにする。 |
第6回 | 地圏・水圏の形成と変化(2) 元素の地球化学的分類と元素の二次分別について理解する。 【復習】「物質の物理的・化学的性質と元素の分別の関係」「元素の地球化学的分類」「同形置換と半径比の法則」について説明できるようにする。 |
第7回 | 地圏・水圏の形成と変化(3) ケイ酸塩化合物の構造・性質と造岩鉱物などについて、地球化学的に理解する。 【復習】「ケイ酸塩の骨格構造と各造岩鉱物の性質・地圏内での存在位置との関連」について説明できるようにする。 |
第8回 | 地圏・水圏の形成と変化(4) 物理・化学風化と土壌の形成・性質・変化,風化が水圏に与える影響,プレートテクトニクス・磁気圏の形成と光合成細菌の誕生について理解する。 【復習】「ケイ酸塩岩の風化が水圏・気圏および気候に与える影響」について説明できるようにする。 |
第9回 | 気圏の形成と変化(1) 大気成分の変化,炭酸の生成・解離平衡と環境水のpH,大気中での化学反応,地球大気の構造について理解する。 【復習】「地球大気組成の変遷とその理由」「環境水のpHに影響を与える因子」「地球大気の構造(対流圏・成層圏・中間圏・熱圏)とこれができた理由」について説明できるようにする。ある条件での環境水のpHを計算できるようにする。 |
第10回 | 気圏の形成と変化(2) オゾン層形成と破壊のメカニズム(オゾン生成の光化学反応,ClOxサイクルとオゾンホール生成メカニズム),オゾンの分布について理解する。 【復習】「オゾン層でのオゾン生成・分解反応と環境への作用」「ClOxサイクルとその終止反応」「極域でのオゾンホールとその特徴、形成メカニズム」について説明できるようにする。について説明できるようにする。 |
第11回 | 気圏の形成と変化(3) フロン(CFC)類の特性と規制の考え方,オゾン層破壊の現状と対策について理解する。 【復習】「CFC類の基本構造」「代替フロン類の構造とこれによるオゾン層保護対策の考え方・問題点」「オゾン層破壊の現状」について説明できるようにする。 |
第12回 | 気候システム(1) 太陽からのエネルギーフラックスと地球の熱収支と温室効果のメカニズム,赤外線と分子の相互作用について理解する。 【復習】「大気の温室効果」「温室効果気体分子とその作用」「地球の熱収支」について説明できるようにする。 「一層大気モデル」により、ある条件下での地表温度を計算できるようにする。 |
第13回 | 気候システム(2)~地球温暖化(1) 気候変動とその要因,気候に対するフィードバック・システム,温暖化因子とその影響,二酸化炭素の生物地球化学的循環について理解する。 【復習】「地球の気候を制御している基本要素」「気候へのケイ酸塩岩風化の影響」「二酸化炭素の循環とその現状」について説明できるようにする。 |
第14回 | 地球温暖化(2) 各温暖化因子とその影響,温暖化能・GWP,各種温室効果気体の影響と動態,二酸化炭素の生物地球化学的循環について理解する。 【復習】「地球の気候に影響を与える主な人為的要因とその影響」「放射強制力」「温暖化能・GWP」「二酸化炭素の循環とその現状」について説明できるようにする。 |
第15回 | 地球温暖化(3) エアロゾルとその影響(直接効果・間接効果),対流圏オゾンの動態と気候への影響~大気汚染,その他について理解する。 【復習】「エアロゾルの直接効果および間接効果とそのメカニズム」「温暖化予測の現状と問題点」について説明できるようにする。 |
その他
教科書 |
御代川喜久夫 著 『 環境科学の基礎』 培風館 2004年 第2版
|
---|---|
参考書 |
テキストの参考文献欄にあるものの他、講義内で適宜指示する。
|
成績評価の方法 及び基準 |
期末テストの結果を主として評価する。 |
質問への対応 | 講義中および講義の前後、またはオフィスアワーで対応。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎821号室 |
オフィスアワー |
水曜 船橋 18:30 ~ 19:30
|
学生への メッセージ |