2017年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 数理統計の基礎Ⅱ | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 安部 公輔 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M13S |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 社会には実験や調査で得られる多種大量のデータが溢れており,それらのデータを解析して特徴を捉えたり将来の予測を行ったりする技術の重要性が増している. この講義では,記述統計学,多変量解析学などと呼ばれる分野から代表的な手法をいくつか取り上げて講述する. 重回帰分析や主成分分析などの目的,解析法の基礎,応用の可能性などを理解するとともに,その中で微分積分学や線形代数学などの数学が果たす役割についての見識も得る. |
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授業形態及び 授業方法 |
一般的な講義形式で行う. |
履修条件 | 特にないが,微分積分学Ⅰ・Ⅱと線形代数学Ⅰ・Ⅱの内容(例えば固有値と固有ベクトルなど)は使用するので,学習経験がない場合は事前あるいは並行しての学習が必要になると考えられる. 数理統計学Iの内容は,あるに越したことはないが,必須ではない. |
授業計画
第1回 | イントロダクション --- 本講義で扱う内容を俯瞰するとともに,必要な予備知識についても解説し,何故その数学が必要なのかという動機付けも行う. |
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第2回 | 1次元データの解析 --- ヒストグラムなどの各種グラフ,平均や分散など代表値の性質と注意点などを解説する. |
第3回 | 2次元データの解析 --- 散布図,共分散および相関係数の定義と性質などについて解説する. |
第4回 | 回帰分析(1) --- 分析の目的,用語の導入,最小二乗法の解説を行なう. 機械学習・AI技術との関連についても簡単に触れる. |
第5回 | 回帰分析(2) --- 前回に引き続き,決定係数や回帰診断について解説する.汎化性能や交差検証についても簡単に触れる. |
第6回 | 線型代数学概論(1) --- ベクトル空間や内積・ノルム・正射影など,データ解析で用いられる線型代数学の知識を概観する. |
第7回 | 回帰分析(3) --- 最小二乗法について線形代数学の視点から再考察する.重回帰分析へと拡張する. |
第8回 | 回帰分析(4) --- 引き続き重回帰分析を扱う.擬似相関や多重共線性などの注意点,変数選択などにも触れる. |
第9回 | 主成分分析(1) --- 動機付け,幾何学的な計算を経て二次形式の最大化問題に帰着される流れなどを解説する. |
第10回 | 線型代数学概論(2) --- 固有値・固有ベクトルの復習から初めて,二次形式,スペクトル分解,ミニマックス定理など,データ解析で用いられる線型代数学の知識を概観する. |
第11回 | 主成分分析(2) --- 主成分ベクトル,寄与率,主成分得点などの用語について,その定義,解釈,注意点などを解説する. |
第12回 | 雑題(1) --- 判別分析やクラスター分析,一般化線形モデルなど,多変量解析の代表的な手法について,幅広く紹介・解説する. |
第13回 | 雑題(1) --- 判別分析やクラスター分析,一般化線形モデルなど,多変量解析の代表的な手法について,幅広く紹介・解説する. |
第14回 | 総括(1) --- 1回目に行った俯瞰を振り返ったりしながら,本講義の総復習を行う. |
第15回 | 総括(2) --- 平常試験とその解説 |
その他
教科書 |
特に指定しない.
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参考書 |
随時紹介する.
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成績評価の方法 及び基準 |
原則として,理解度確認期間に行なう平常試験の成績で評価する. |
質問への対応 | 講義中・講義前後での直接の質問,メールでの質問など随時対応する. |
研究室又は 連絡先 |
研究室:船橋校舎8号館849A abe.kousukeあっとまーくnihon-u.ac.jp http://www.kousukeabe.mokuren.ne.jp/index.html |
オフィスアワー |
木曜 船橋 12:20 ~ 13:20
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学生への メッセージ |
内容は決して簡単ではありませんが,データ解析でどんなことができそうかとか,最近世間を騒がせている人工知能とは実際には何をやっているのかとか,線型代数は大事なんだとか,そういうことが伝わればと思います. |