2017年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
デザイン文化思想
ポリフォニーを探求する「中間領域」にいるために
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 勢力 尚雅 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | R33X |
クラス | 全学科 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | デザインを創作したり鑑賞したりするとは何をすることでしょうか?この授業では,古今東西の興味深いデザイン(音楽,詩,祭,建造物,庭,写真,絵画,広場,演劇など)の作者や,批評家,美学者,科学者たちの思想を検討しながら,デザインを媒介としたコミュニケーションの本性と可能性を探求します.作者は,どこに目をつけ,何を観察し,それをどのような言葉で結びつけながら,表現したのか.創作から批評までのプロセスを,多様な実例で追体験しながら,受講者の批評力を訓練します.何を見,何を感じ,どう表現するか.情報を抽出し,水平思考と言葉の探求をくり返しながら,表現をデザインするプロセスの習慣化を通して,受講者の着眼力,対話力,発想力,表現力,そして批評力を鍛えます. |
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授業形態及び 授業方法 |
おもに17世紀以後の文献と19世紀末から現代に至る西洋と日本のさまざまな分野の文化(絵画・音楽・建築・思想など)との対話を通じて、倫理学・美学・美術史・記号論などが交叉する領域の諸概念に焦点を当てながら、人々の感情と想像力が文化をかたちづくっていく「環境・文化デザインの生成現象とその行方」を探究します。 講義を聴いて感じ、考えたことをミニレポートに表現し、授業直後に提出してください。 |
履修条件 | 感性、想像力、デザイン力(問題発見力と問題解決力)に関心のある学生。 環境ライフサブメジャー・コース設置科目 |
授業計画
第1回 | イントロダクション …「合理主義」の綱を渡る孤独な「綱渡り師」をつなぎなおすデザインを求めて |
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第2回 | 「モダニズム」をめぐって―豊かな生のためアフォーダンスをどうデザインするか … [ホフマイヤー/ベイトソン/ギブソン/レンゾ・ピアノ/伊東豊雄など] |
第3回 | 出会わなかったものと関わり再生する「広場」での「祝祭」に誘う呪術―対極主義 … [エリアーデ/カイヨワ/バタイユ/岡本太郎など] |
第4回 | 「廃墟へのプロセス」を幻視する演劇・遊歩への誘いとしてのデザイン …[ハーマン/ベンヤミン/ヤノベケンジ/坂口恭平など] |
第5回 | すれ違いから演劇的コミュニケーションを発生させる「間」・「ムラ」のデザイン …[ヒューム/世阿弥/山崎正和/長谷川櫂/隈研吾/ヴェネチアなど] |
第6回 | シンボルとメタファーの対立的共存―「精神の外化」としての芸術 …[プラトン/ルネサンスの哲学/ヘーゲル/ル・コルビュジエ/佐藤久三郎など] |
第7回 | シンボルの指し示す崇高な異界へと人々を誘う「異化」装置としてのデザイン …[バーク/カント/平田オリザ/岡倉天心/九鬼周造/ゴシックの大聖堂/銀閣寺など] |
第8回 | デザインを媒介とした対話への「連」「座」― 記憶の再編集へと誘う「幽玄」「さび」 …[重森三玲/坂部恵/観世寿夫/田中久文など] |
第9回 | 対位法的な様式―各自の「神話」を共に探究し続けるための三者協議への誘い …[サイード/グールド/アファナシェフ/村上春樹/西田幾多郎/ベイトソンなど] |
第10回 | バロックとブランド演出力をささえる「ストーリー」とそれを紡ぐ「アレゴリー」 …[ゲーテ/ベンヤミン/ヴィスコンティ/レンブラント/カラヴァッジョなど] |
第11回 | 「パタン・ランゲージ」の有機的生成と構築による「無名の質」の共同探究 … [カント/パース/アレグザンダー/セザンヌ/メルロ=ポンティなど] |
第12回 | 精神分析的・遊戯的な聴きとりあいとしての「三者協議」 … [フロイト/ホフマンスタール/クリムト/オーウェンスなど] |
第13回 | 単純化や習慣化への違和感を糧にポリフォニーを探求する「中間領域」にいるために …[バルト/ラカン/マーラー/クレー/インクルーシブデザインなど] |
第14回 | 創造的批評のための対話のスキル―「わざ言語」を誘発しあう中動態とは何か …[木村敏/森田亜紀/岡田暁生/ゴッホ/フェルメール/デリダなど] |
第15回 | 抽象化+水平思考+木も森も見る+言語化によるスペキュラティブ・デザイン …[ドゥルーズ/ブランショ/バフチン/ランシエール/網野善彦/カシイモトヤなど] |
その他
教科書 |
授業で配布するプリントなど。
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参考書 |
授業の中で紹介します。
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成績評価の方法 及び基準 |
毎回の授業内でミニレポートを作成し、授業直後に提出してもらいます。 そのミニレポートに毎回点数をつけ、累計して成績評価します。 毎回の授業後に提出していただくミニレポートに代筆の疑いが濃厚と判断した場合は、 1回につきマイナス10点とします。 |
質問への対応 | 講義後などに質問してください。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台3号館 333研究室(月曜日) 船橋5号館 532研究室(水曜日) |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 12:20 ~ 13:00 333研究室
水曜 船橋 12:20 ~ 13:00 532研究室
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学生への メッセージ |
さまざまな文化・デザインを映像や図版で紹介します。それらを出来合いの理屈でかたづけてしまわずに、それらと出会って自分が何を感じるのか、自分の心に耳を澄まし、自分の経験を拡大する時間にしてください。 受講者数が多い場合には、第1回目の授業でセレクション(受講資格抽選)を行なう場合があります。 |