2017年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 数理統計学Ⅰ | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 安部 公輔 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | T14D |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 世論調査のように調査対象の規模が大きい場合や確率的現象を考察する場合には,限られた数のサンプルデータに基づいて全体の性質を推測したり検証したりする必要がある.その際に行なわれる統計的推測や仮説検定の基本的考え方を,必要な確率論の知識とともに学習する. |
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授業形態及び 授業方法 |
一般的な講義形式で行う. |
履修条件 | 特にないが,道具としてある程度の数学(微積分)は用いるのでそのつもりで臨むこと. 高等学校数学B「確率分布と統計的な推測」の学習経験があれば有益である. |
授業計画
第1回 | イントロダクション --- 本講義で扱う内容を俯瞰し,なぜ統計をやる前に確率論なのか,などの動機付けを行う.必要な予備知識などについても説明する. |
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第2回 | 確率論の基礎 --- 標本空間や事象,確率の数学的定義と基本的性質について抽象論と具体例を織り交ぜて解説する. |
第3回 | 条件付確率 --- 定義と性質,特にベイズ(Bayes)の定理と応用などについて解説する. |
第4回 | 確率変数 --- 確率変数の分布と期待値,分散などを定義しその意味を解説する. |
第5回 | 代表的確率分布 --- 一様分布,二項分布,正規分布,ポアソン分布,指数分布などの性質や利用場面を解説する. |
第6回 | 独立性 --- 事象や確率変数の独立性などの概念を導入する.大数の法則や中心極限定理などにも触れる. |
第7回 | 推定(1) --- 母集団や標本,推定量などの概念の導入と数学的枠組みの設定を行う. |
第8回 | 推定(2) --- 大標本の仮定下で母平均・母分散の点推定と区間推定を行う. |
第9回 | 検定(1) --- 仮説検定の基本的考え方,帰無仮説,有意水準,棄却域などの定義と意味を例を通して解説する. |
第10回 | 検定(2) --- 対立仮説,検出力などを解説し,仮説検定の枠組みに関する理解を深める.また,区間推定との対応についても整理する. |
第11回 | 標本分布 --- カイ二乗分布,t分布,F分布について,導出や使われ方などを解説する. |
第12回 | 検定(3) --- t検定を中心に,正規母集団に対する各種検定と推定を行う. |
第13回 | 検定(4) --- カイ二乗分布を用いて適合度検定や独立性検定を行う. |
第14回 | 総括(1) --- 1回目に行った俯瞰を振り返りながら,本講義の総復習を行う. |
第15回 | 総括(2) --- 平常試験とその解説 |
その他
教科書 |
特に指定しない.
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参考書 |
1回目の講義でコメント込みで複数紹介する.
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成績評価の方法 及び基準 |
原則として,理解度確認期間に行なう平常試験の成績で評価する. |
質問への対応 | 講義中・講義前後での直接の質問,メールでの質問など随時対応する. |
研究室又は 連絡先 |
研究室:船橋校舎8号館849A abe.kousukeあっとまーくnihon-u.ac.jp http://www.kousukeabe.mokuren.ne.jp |
オフィスアワー |
木曜 船橋 12:20 ~ 13:20
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学生への メッセージ |
数理統計で勉強する内容には,確率論など純粋に数学的部分と,それを道具に実際的問題に対応しようという非数学的部分とが混在し,それが分かり難さの一因ではないかと思います.逆に考えると,今は数学の計算の話なのかそれとも使い方や解釈の話なのか,と意識して頭を切り替えられれば,複雑な確率の計算はともかく,検定の基本はとても素朴な発想であることがわかるはずです.柔軟な頭で取り組むことを期待します. |