2017年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
日本国憲法
―法の支配と憲法(立憲主義)―
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 髙橋 明弘 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | T41E |
クラス | 一般教養 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 受講生は、本講座において、国民がもつ基本的人権に関して生じた事例(相当数の判例)を 題材に、憲法制定の歴史、憲法の構造、憲法の保護目的、憲法の解釈適用について学習します。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業は、講義形式で行われます。指定テキストや配布資料でとりあげられている判例を題材 に、事実関係の解説を行って、判例に現れた問題の所在を一緒に検討します。 |
履修条件 | 社会問題に関心がある学生の受講を歓迎します。六法・指定テキストそして予め配布した資 料を必携して講義に臨んでください(講義内容を詳細に記載したレジメの配布はしません)。 |
授業計画
第1回 | 科学とは:Seinの科学とSollenの科学の異同〔配布レジメ〕 なぜ憲法があるのか:法の制定・憲法思想〔テキスト第1章1~5〕〔資料「社会契約論と国家観」を配布〕 |
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第2回 | 日本国憲法制定の歴史〔資料「日本国憲法草案作成経過説明」を配布〕 日本国憲法制定の目的―憲法の特質(立憲主義)と法の支配―〔テキスト第1章6〕 日本国憲法前文(リンカーンによるゲチスバーグの演説との関係) |
第3回 | 憲法は誰が守らなければならないのか〔第2章〕 二院制と権力の分立(三権分立)〔第5章2〕 |
第4回 | 憲法の三大原理:基本的人権の尊重・主権在民(国民主権)・平和主義の意義および3つの関係〔第4章1(1)・第2章〕(資料配布) 日本国憲法と自民党改憲草案との対照(条文の比較、内容の比較など)、改憲草案の緊急事態条項と日米安全保障・日米地位協定の危険な関係ー基本的人権・主権在民・平和の軽視 |
第5回 | 基本的人権:人権とは〔第4章P44コラム〕 日本国憲法の条文体系 人権保障の一般原則(個人を尊重する要素とは)〔第4章1(1)〕 一般包括規定と個別規定の関係〔第4章1(2)〕 |
第6回 | 基本的人権:一般的包括的自由・新しい人権〔第4章1(1)(2)〕―プライバシー権(私生活をのぞかれない権利から情報をコントロールする権利へ・ライフスタイルを決定する権利) (P46京都府学連事件、エホバの証人輸血拒否事件、修得高校パーマ禁止校則事件)〔資料配布〕 |
第7回 | 基本的人権:個別の自由権〔第4章〕思想・信教・学問の自由 (P87剣道実技拒否訴訟事件・P93東大ポポロ劇団事件) |
第8回 | 基本的人権:個別の自由権〔第4章〕表現の自由(「発信者」の報道の自由から「受け手」の知る権利へ)⇒民主主義の基礎(情報開示請求と特定秘密保護法との関係は)(P97博多テレビフィルム事件)・人身の自由(被告人の権利と手続保障) |
第9回 | 基本的人権:法の下の平等に関する判例〔第4章1(3)〕形式的平等と実質的平等 (P52三菱樹脂事件・P80日産自動車事件・P53芝信用金庫事件) |
第10回 | 基本的人権:法の下の平等に関する判例〔第4章1(3)〕 (P54非嫡出子遺産相続分差別訴訟、P54尊属殺人重罰規定事件訴訟)―資料を配布― |
第11回 | 基本的人権:財産集中によって生じる弊害⇒社会権の誕生(第4章3経済活動の自由→第4章4社会権)〔配布レジメ〕 |
第12回 | 主権在民:国民の政治参加 議会―立法〔第5章1・3〕 内閣―行政〔第5章4〕 |
第13回 | 司法:裁判を受ける権利と裁判所〔第6章1・2〕 憲法訴訟―違憲審査制〔第6章3〕 |
第14回 | 平和主義―平和のうちに生きるとは〔第2章〕 まとめ |
第15回 | 理解度テストを実施し、重点項目の解説を行う。 |
その他
教科書 |
浦部法穂 『『憲法の本』』 法学館憲法研究所双書 共栄書房 2012年 第改訂1版
『六法』 有斐閣・三省堂 2017年
著者は、阪神淡路大震災に遭遇してから、人権(Human Right)を「人として正しいこと」と定義します。それは何故なのか。その理由およびプロセスが、バックボーンとして本書を支えています。基本的人権(個人)の尊重が、平和主義や国民主権に結びつく理論展開は、実に説得力のあるもので見事です。憲法のテキストとして高度ですが、優しい理解しやすい文章によって書かれているので、ぜひ、一緒に本書を読みましょう。
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参考書 |
浦部法穂 『憲法学教室』 日本評論社 2000年
使用テキストと同じ著者による憲法の専門書(単著)であり、より深く憲法を学習したい学
生にお薦めします。その他の文献については、講義中に、紹介します。
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成績評価の方法 及び基準 |
後期最終授業時間内に行われる理解度確認テストの結果により評価します。但し、講義日数の3分の1(4回)以上の欠席をした履修生については、理解度確認テストの受験資格がありません。したがって、出席不足の場合には、理解度テストを受験しても、採点の対象にはなりません。 |
質問への対応 | 質疑応答については、授業中にあるいは授業後に講義室・控室において行います。予め配布した質問票に質問事項を記入して提出いただいた内容のうち、多くの学生に紹介すべきと判断した場合には、次回の講義開始時や講義内容の該当箇所で、一般質問事項として回答します。 |
研究室又は 連絡先 |
講義の進行を考慮して適宜告知します。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
履修生は、大学生としての認識をもって、講義には、六法、指定テキストおよび配布資料を 持参して出席してください、講義中に、各種機器を操作することや授業を妨害する行為を行った学生に対しては、受講の停止あるいは成績に反映することで対処します。 |