2017年 大学院理工学研究科 シラバス - まちづくり工学専攻
設置情報
科目名 | 環境心理学特論 | ||
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設置学科 | まちづくり工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 本山 友衣 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | E14A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 環境心理学は,物理的な環境だけでなく,対人関係などの社会的環境も含めた総体的な環境と人との関係について探求する学問領域である。本講義では,都市空間行動に関わる英語文献の講読を通じて,環境心理学に対する知識と理解を深める。書籍や専門誌の論文の内容について充分に理解し議論を行うことで,環境心理学の知識に基づきながら都市環境の中の問題を発見し,その解決方法を提案する力を身につける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
本講義は,環境心理学の概論的な講義と受講者による発表によって構成される。受講者は自分の興味関心に応じて書籍の章や論文を選択し,その内容と自分の意見について発表し,全体で議論を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
予備知識はとくに求めない。毎回の事前・事後学習はないが,受講者は全講義の中で1度以上発表することが求められるので,その回の授業に割り当てられた受講者は文献を精読したうえで,配布資料を受講者の人数分用意しておくこと。 |
授業計画
第1回 | 環境心理学とは/環境心理学の歴史と研究の概観,書籍や論文の紹介と授業スケジュール(割り当て回)の決定 |
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第2回 | 環境の知覚と認知に関する概論と全体議論/視覚,そして視覚以外の認知,認知地図を中心に解説する。 |
第3回 | 都市での人間行動選択に関する概論と全体議論/アフォーダンスやパーソナル・スペース,テリトリアリティについて解説する。 |
第4回 | 都市・社会環境における環境心理学的研究に関する概論と全体議論/場所愛着と社会的ジレンマを中心に解説する。 |
第5回 | 発表と議論(1)/都市空間の構造や好みを包括する概念である「都市の情動的イメージ」について取り上げる。(参考書No.1 Chapter1他) [準備]割り当てられた受講者は資料を用意し,発表できるようにしておくこと。 |
第6回 | 発表と議論(2)/都市の視覚的デザインが人々の感情や空間行動に与える影響について考える。(参考書No.1 Chapter2他) [準備]割り当てられた受講者は資料を用意し,発表できるようにしておくこと。 |
第7回 | 発表と議論(3)/アメリカの2都市を対象に情動的イメージを測定した事例を取り上げる。(参考書No.1 Chapter3他) [準備]割り当てられた受講者は資料を用意し,発表できるようにしておくこと。 |
第8回 | 発表と議論(4)/都市の情動的イメージを地図の形で示した評価地図に示される好ましい要素について考える。(参考書No.1 Chapter4他) [準備]割り当てられた受講者は資料を用意し,発表できるようにしておくこと。 |
第9回 | 発表と議論(5)/都市の情動的イメージの測定法について,その妥当性と信頼性を検討する。(参考書No.1 Chapter5他) [準備]割り当てられた受講者は資料を用意し,発表できるようにしておくこと。 |
第10回 | 発表と議論(6)/子どもによる評価地図や東京の評価地図の事例から,都市の情動的イメージがもつ他の側面について考える。(参考書No.1 Chapter6他) [準備]割り当てられた受講者は資料を用意し,発表できるようにしておくこと。 |
第11回 | 施設における環境心理学的研究に関する概論と全体議論/医療環境における物理的環境の役割,その背景理論を解説する。 |
第12回 | 発表と議論(7)/精神科病棟において空間配置と利用者間の社会的交流の関係を検討した事例を取り上げる。(参考書No.2 Chapter8他) [準備]割り当てられた受講者は資料を用意し,発表できるようにしておくこと。 |
第13回 | 環境犯罪学の概論と全体議論/環境デザインによる防犯や割れ窓理論,サークル仮説等について紹介する。 |
第14回 | 発表と議論(8)/環境デザインの工夫による犯罪防止・軽減の概念である「守ることのできる空間」の導入事例を取り上げる。(参考書No.2 Chapter11他) [準備]割り当てられた受講者は資料を用意し,発表できるようにしておくこと。 |
第15回 | これまでの講義・発表内容の整理とまとめ |
その他
教科書 |
とくに定めない。 講義において,必要に応じて資料等を配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
Nasar, J. L., The Evaluative Image of the City, Sage Publications, 1998
Cherulnik, P. D., Applications of Environment-Behavior Research: Case Studies and Analysis, Environment and Behavior, Cambridge University Press, 1993
羽生和紀 『環境心理学:人間と環境の調和のために』 サイエンス社 2008年
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成績評価の方法 及び基準 |
発表課題およびレポート(70%),講義時の積極的な討議への参加態度(30%) |
質問への対応 | 講義後教室にて |
研究室又は 連絡先 |
初回の講義において開示する。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
担当教員の専門は環境心理学で,主に都市景観の評価について視覚的特性と感情的評価の観点から研究してきました。専門的な知識のない,一般の人がどのように街を感じ行動しているのか,どのような都市空間が求められているのかについて文献を読みながら考える機会になればと思います。 |