2018年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 心理学の基礎 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 伊藤 令枝 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 火曜4 水曜3 水曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | P23J P24I P33G P34G |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 心理学は、人の心を読むテクニックやマインド・コントロールなどではなく、人間の「こころ」を客観的に把握しようとする科学である。本講義によって、人間が情報をとらえる仕組みやそれに関する基礎的な理論を習得し、人間の知覚・認知システムの特徴や複雑性を科学的に理解していくことを目指す。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義形式とし、パワーポイントによる提示と板書を併用する。 毎回、授業内容に応じた資料(インデックス程度)を配布する。 |
履修条件 | 文化教養サブメジャー・コース設置科目。 後期「応用心理学」とあわせて受講することが望ましい。 履修を希望する学生は、初回授業に必ず出席すること(履修者を制限する場合もあるため)。 |
授業計画
第1回 | 心理学へのアプローチ -客観的学問としての心理学、日本における心理学の受容、学習の進め方、履修上の注意点 |
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第2回 | 欲求と行動(1) -動機づけのメカニズム、欲求と行動、欲求不満と葛藤、適応機制、本能論 |
第3回 | 欲求と行動(2) -生得的な行動メカニズム、学習による行動メカニズム、強化と罰、無力感の学習、精神分析学と行動主義 |
第4回 | 記憶(1) -記憶の保持と忘却、長期記憶の定着、系列位置曲線、忘却、認知心理学の考え方 |
第5回 | 記憶(2) -短期記憶とワーキング・メモリ、短期記憶の保持時間と保持容量、心的イメージ |
第6回 | 記憶(3) -知識のネットワーク構造、長期記憶の変容、外的情報による記憶の「汚染」、フォルス・メモリ |
第7回 | 感覚・知覚(1) -中枢・末梢神経系の構造と情報伝達メカニズム、感覚の種類と感覚経験、感覚遮断 |
第8回 | 感覚・知覚(2) -刺激量と感覚量との関係性、順応、残像、対比と同化、共感覚 |
第9回 | 感覚・知覚(3) -視覚のメカニズム、色覚論(三色説と反対色説)、盲点、主観色 |
第10回 | 感覚・知覚(4) -主観的輪郭、奥行きを知覚する方法、幾何学的錯視、多義図形と「だまし絵」、動きの錯視 |
第11回 | 認知と思考(1) -パタン認識、知覚の恒常性、全体的処理と部分的処理、単純接触効果、知覚的促進と知覚的防衛 |
第12回 | 認知と思考(2) -選択的注意、多重課題による注意分割、携帯電話による歩行や運転行動への影響 |
第13回 | 認知と思考(3) -思考と推論、ボトムアップ処理とトップダウン処理、ステレオタイプによる対人認知 |
第14回 | 認知と思考(4) -認知・思考のバイアス(ゆがみ)、経験や直感に基づくヒューリスティクス的思考、限定合理性 |
第15回 | 総括 -環境と人間との相互作用、人間の知能モデルと人工知能(AI)、「応用心理学」への誘い |
その他
教科書 |
鹿取廣人・杉本敏夫・鳥居修晃(編) 『心理学』 東京大学出版会 2015年 第5版
教養課程心理学教育研究会(編) 『教材心理学-心の世界を実験する』 ナカニシヤ出版 1976年 第4版
教科書の購入等については、授業内で別途指示する。
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参考書 |
梅本堯夫・大山正(編) 『心理学への招待-こころの科学を知る(改訂版)』 新心理学ライブラリ サイエンス社 2014年
和田万紀(編) 『教育心理学』 Next教科書シリーズ 弘文堂 2014年
藤田主一・齋藤雅英・宇部弘子(編) 『新 発達と教育の心理学』 福村出版 2013年
V.S.ラマチャンドラン・S.ブレイクスリー(著)、山下篤子(訳) 『脳のなかの幽霊』 角川書店 1999年
大山正(著) 『色彩心理学入門-ニュートンとゲーテの流れを追って』 中公新書 中央公論新社 1994年
C.チャブリス・D.シモンズ(著)、木村博江(訳) 『錯覚の科学』 文芸春秋 2011年
その他、授業時に適宜紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
錯視実験レポート(約20%)、授業内課題や小テスト等の平常点(約30%)、定期試験(約50%)による総合評価とする。 |
質問への対応 | 授業前後に受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
授業前後に船橋校舎講師室に在室している。 メールや電話等による問い合わせは一切不可とする。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
ただ単に授業を聞いてノートをとるのではなく、人間の心や行動に興味を持ち、積極的に授業に臨んでほしい。また、自分自身について、そして、人間について考えながら理解を深めてほしい。 なお、授業に支障をきたすおそれがあるため、授業内容の撮影・録音等を禁止する。 |