2018年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
文学
ファンタジー作品と〈少女〉/〈女性〉
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 押山 美知子 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | P23R |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 1.テクストをジェンダー批評の観点から分析・考察し、言語化することができる。 2.ファンタジーを題材とする少女マンガ・少女小説における〈少女〉・〈女性〉表象について見解を持つことができる。 3.ファンタジーを題材とする少女マンガ及び少女小説の歴史的変遷を把握し、その存在意義や将来的な可能性について考えを深める。 |
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授業形態及び 授業方法 |
主に七〇年代以降に発表されたファンタジーを題材とする少女マンガ及び少女小説を年代順に取り上げ、それらに描かれたヒロイン像を中心にジェンダー批評の観点から作品分析を行う。ファンタジー少女マンガや少女小説のヒロインは、特殊な能力を持つ存在として描かれることが多いが、その〈特殊性〉はファンタジーという特徴的な物語世界においてどのような意味を持つのか。容姿造形、性格、行動、人間関係等の表象分析を通して、ファンタジー世界と〈少女〉・〈女性〉との関係性について考察する。授業はPowerPointを使用し、毎回レジュメを配布する。 |
履修条件 | 学内外の図書館などを利用して参考文献を積極的に読み、ファンタジー研究、マンガ研究、少女文化論、セクシュアリティ・ジェンダー論の先行研究に触れるようにすること。ジェンダー批評はセクシュアリティの問題を含むため、作品によっては性愛描写、エロティシズム分析を行う。その点を踏まえた上で履修選択をすること。 文化教養サブメジャー・コース設置科目 |
授業計画
第1回 | 講義の概要と目的の説明・取扱い作品の紹介 講義内容及び進め方について説明し、ファンタジーの成立史及び少女マンガ及び少女小説のファンタジー作品について大まかな流れとその特徴について述べる。シラバスの内容を確認の上、授業に臨むこと。 |
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第2回 | 水野英子『星のたてごと』 リンダの造形及びその成長について考察する。 第1回の授業で配布したレジュメを読み直した上で『星のたてごと』を読んでくること。 |
第3回 | 大島弓子『綿の国星』 チビ猫と津和野家との関係性及びチビの「成長」について考察する。 第2回の授業で配布したレジュメを読み直し、『星のたてごと』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『綿の国星』を読んでくること。 |
第4回 | 中山星香『花冠の竜の国』 リズとファンタジー世界の関係性について考察する。 第3回の授業で配布したレジュメを読み直し、『綿の国星』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『花冠の竜の国』を読んでくること。 |
第5回 | 萩岩睦美『パールガーデン』 ピアと“家族”のあり方について考察する。 第4回の授業で配布したレジュメを読み直し、『花冠の竜の国』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『パールガーデン』を読んでくること。 |
第6回 | めるへんめーかー『グリーンゲイト物語』 グリーンゲイトに住む〈少女〉・〈女性〉達についてその特徴を考察する。 第5回の授業で配布したレジュメを読み直し、『パールガーデン』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『グリーンゲイト物語』を読んでくること。 |
第7回 | 荻原規子『空色勾玉』 日本の古典作品とファンタジーの関係及び狭也の造形について考察する。 第6回の授業で配布したレジュメを読み直し、『グリーンゲイト物語』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『空色勾玉』を読んでくること。 |
第8回 | ひかわきょうこ『彼方から』 典子がノリコとなるその変化について考察する。 第7回の授業で配布したレジュメを読み直し、『空色勾玉』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『彼方から』を読んでくること。 |
第9回 | 山口美由紀『タッジー・マッジー』 ロッテという〈魔女〉の造形について考察する。 第8回の授業で配布したレジュメを読み直し、『彼方から』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『タッジー・マッジー』を読んでくること。 |
第10回 | 小野不由美『月の影 影の海』 陽子の異世界における成長と変化について考察する。 第9回の授業で配布したレジュメを読み直し、『タッジー・マッジー』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『月の影 影の海』を読んでくること。 |
第11回 | 渡瀬悠宇『ふしぎ遊戯』 美朱と唯の異世界における関係性について考察する。 第10回の授業で配布したレジュメを読み直し、『月の影 影の海』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『ふしぎ遊戯』を読んでくること。 |
第12回 | 上橋菜穂子『精霊の守り人』 バルサの造形について考察する。 第11回の授業で配布したレジュメを読み直し、『ふしぎ遊戯』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『精霊の守り人』を読んでくること。 |
第13回 | 種村有菜『神風怪盗ジャンヌ』 ジャンヌの造形について考察する。 第12回の授業で配布したレジュメを読み直し、『精霊の守り人』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『神風怪盗ジャンヌ』を読んでくること。 |
第14回 | 安野モヨコ『シュガシュガルーン』 ショコラとバニラそれぞれの造形と成長について考察する。 第13回の授業で配布したレジュメを読み直し、『神風怪盗ジャンヌ』について再度理解を深め、アンケートに積極的に回答すること。更に『シュガシュガルーン』を読んでくること。 |
第15回 | まとめ及び平常試験 学習内容の総まとめとなる試験を行い、授業内容への理解度を確認する。 第2回から第14回の授業内容をもう一度振り返り、全体的な流れを把握しておくこと。 |
その他
教科書 |
小説作品である荻原規子『空色勾玉』、小野不由美『月の影 影の海』、上橋菜穂子『精霊の守り人』の3作品は、借りる又は購入するなど独自に入手し、事前に読んでおいてください。他のテクストについては授業時に指示します。
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参考書 |
廣岡糸子・近藤眞理子 『少女たちの冒険ーヒロインをジェンダーで読む』 燃焼社 2006年
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成績評価の方法 及び基準 |
平常試験:授業を踏まえた上で作品を深く読み込んでいるか、独自の観点から問題提起ができているか、考察が論理的且つ説得力のある文章で書かれているかの3点から評価する。(60%) 小テスト:授業内に1回の小テストを実施する(時期は授業時に告知)。講義内容の理解度を見る。(30%) 作品アンケート:毎回CSTポータル2にアンケートを設置し、取り上げる作品に対する意見や感想を募集する。作品に対して独自の見解が述べられているかで評価する。(10%) |
質問への対応 | 講義後に教室で受け付ける |
研究室又は 連絡先 |
yobato315@gmail.com |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
皆さんの好きなファンタジー作品は何でしょう?本講義では、少女マンガ及び少女小説の中でも、特にファンタジー作品にスポットライトを当て、ファンタジー世界の〈少女〉・〈女性〉とはどのような存在かを考えます。昔の作品を取り上げるので、知らない作品も多いと思いますが、読んだことのある作品と比較しながら読み進めてみてください。変化していること、変わらないことが見えてくるはずです。自分の持つファンタジー作品の女性像がどのように形成されたのかを是非考えてみましょう。 また、小説とマンガは共に「読む」ものですが、表現方法が異なるため分析のアプローチも若干異なります。小説とマンガを「読む」こと、その違いについても考えてみましょう。 |