2018年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 有機化学 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 渡邉 永治 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | T35E |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 「有機化学」についての知識は,分子を学ぶ上で基礎的な情報として必須である。有機化合物の構造、物性、反応のメカニズムを理解することを目的とする。この有機化合物の性質や反応を理解するには,エネルギーや、分光学的な立場から、原子や分子を理解することが重要である。「有機化学」では,このような見方を通して有機化合物とこれに関わる現象を理解・説明できるようにする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
教科書の内容について、板書を中心に講義を行なう。 |
履修条件 | 選択科目。出席状況は教室設置のカードリーダーによる記録に基づいて評価するので、出席時の記録を忘れないこと(学生証忘れについては対応しないので注意)。 |
授業計画
第1回 | 1 原子と結合 1)有機化学の基礎 有機化合物の立体構造を理解する。 【復習】混成軌道の種類と、結合次数、シグマ結合、パイ結合、結合角との対応を説明できるようにすること。 |
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第2回 | 2)電気陰性度と結合 電気陰性度と結合との関係を理解する。 【復習】イオン結合と共有結合、疎水性と親水性、水素結合を電気陰性度で説明できるようにすること。 |
第3回 | 3)IUPAC命名法 炭素骨格(飽和、不飽和、直鎖、環状)と置換基の種類による命名を理解する。 【復習】簡単な低分子で、有機化合物の名前から、化合物の立体構造が書ける、または、化学構造式の命名ができるようにすること。 |
第4回 | 4)異性体 構造異性体、立体異性体など、いろいろな異性体の特徴、ニューマン投影、フィッシャー投影について理解する。 【復習】簡単な低分子で、異性体が存在する場合に、異性体の種類や構造などを説明できるようにすること。 |
第5回 | 2 構造と性質 1)分子軌道法 結合性と反結合性、ヒュッケル法、共役の長さと軌道エネルギーについて理解する。 【復習】エチレン、ブタジエン、ベンゼンなどの永年方程式を書くことができ、また、テキストに載っているエネルギーに関係する係数λや、分子軌道の位相の考え方を説明できるようにすること。 |
第6回 | 2)構造決定 スペクトル(UV、IR、MS)とX線構造解析など、いろいろな測定法の原理、また、それぞれ、どのような構造情報が得られるかを理解する。 【復習】簡単な低分子の有機化合物の構造から、MSスペクトルのパターンが予測できるとよい。 |
第7回 | 3)核磁気共鳴分光法 核磁気共鳴分光法(NMR)の原理と、得られたスペクトルから、どのような構造情報が得られるかを詳しく理解する。 【復習】簡単な低分子の有機化合物の構造から、NMRスペクトルのパターンが予測できるとよい。 |
第8回 | 3 有機反応 1)有機反応論 ラジカル反応とイオン反応、遷移状態と活性化エネルギー、反応速度について理解する。 【復習】有機反応における、熱エネルギーについて説明できるようにすること。 |
第9回 | 2)反応機構 求核置換反応(SN1、SN2)と脱離反応(E1、E2)のメカニズムを理解する。 【復習】反応機構の違いと、得られる生成物との関係について説明できるようにすること。 |
第10回 | 3)置換基の反応 ヒドロキシル基、エーテル、カルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基、アミノ基など、置換基の違いと、それぞれの反応の特徴を理解する。 【復習】反応機構を、電子の移動で説明できるようにすること。テキストに載っている反応機構の図が理解できればよい。 |
第11回 | 4 天然有機化合物 1)糖 単糖、二糖、多糖、構造と変旋光、グルコースとグリコーゲンについて理解する。 【復習】糖のいろいろな状態を説明できるようにすること。グルコースを中心に、他の糖との違いを比較するとよい。 |
第12回 | 2)アミノ酸とタンパク質 アミノ酸の性質、タンパク質の一次構造と高次構造、酵素について理解する。 【復習】pKaの値について説明できるようにすること。グルタミン酸とアスパラギン酸を比べてみるとよい。また、αらせん構造やβシート構造における水素結合も説明できるようにすること。 |
第13回 | 3)核酸 核酸塩基の構造、二重らせんの構造と水素結合、DNAとRNAについて理解する。 【復習】遺伝子を化学的に説明できるようにすること。 |
第14回 | 4)ホルモン ペプチドホルモンとステロイドホルモン、コレステロールについて理解する。 【復習】ホルモンの特徴の違いなどを、親水性、疎水性、立体構造など化学的に説明できるようにすること。 |
第15回 | 平常試験及びその解説 |
その他
教科書 |
齋藤勝裕 『絶対わかる有機化学』 講談社 2003年
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
試験で評価する。 |
質問への対応 | 講義終了後 |
研究室又は 連絡先 |
e-mail: eiji-jun@umin.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
有機化学は、様々な分野に利用されています。積極的に受講して下さい。 |