2018年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 現代物理学 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 粟生田 健一 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | T44A |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 2012年2月21日(火)の読売新聞朝刊に『「2050年宇宙の旅」エレベーターで』という記事が掲載され,大手ゼネコン「大林組」が2050年にこの宇宙エレベーターを「実現させる」と発表した. 古代より人類の「夢」でもある宇宙への旅は(地上100 km 以上の空間を「宇宙」と定義) (1)「塔による到達」は建造物の「圧縮強度」により不可能 (2)「ロケットによる到達」は20世紀に実現されたがこれは「宇宙飛行士」のみが到達 と「夢」のままで終わるかのように思われたが,諦めることなく「誰も」が宇宙に行く方法の建造手段を「発想の転換」で,「地上から宇宙へ」ではなく「宇宙から地上へ」(小説『蜘蛛の糸』のように)とすることにより実現の可能性は僅かながらに残された.それは (3)「宇宙エレベーターによる到達」 である.静止衛星軌道(赤道上空3万6000 km)上空より「ケーブル」を地上に伸ばし,このケーブルを「クライマー」と呼ばれる宇宙機器が上昇することで「普通の人々」の宇宙への旅が「簡単に」出来るようになるのである. だが,この宇宙エレベーターにも「ケーブルの引張強度」という問題があり実現困難かと思われたが,1991年に「カーボンナノチューブ(CNT)」という新素材の発見により実現性は一気に高くなった.しかし,現在の「CNT」の最大の長さは数 cm で,ケーブルとして必要な長さは「3万6000 km」である. 宇宙エレベーターはまだ「架空」の構造物ではあるが,物理的にはとても「興味のある」構造物でもある.以上に付随する事柄を「物理の理論・法則・計算」により明らかにし,宇宙エレベーターを通して身近な現象の「物理的側面」を理解し深める. (ここでは宇宙エレベーター実現の「可否問題」は考えない) |
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授業形態及び 授業方法 |
板書(ギガ書く)を中心とした講義形式. ( 講義ノートは例年90ページ前後 ) 通常の3倍(昨年の平均 0.93 倍)のスピードで板書する(?) |
履修条件 | 高校物理程度の知識のあることが望ましいが,初学者や物理の苦手な者も歓迎!! |
授業計画
第1回 | ガイダンス 0.はじめに 0-1.単位と次元 0-2.有効数字 |
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第2回 | 0-3.宇宙エレベーターとは 0-4.脱出速度 |
第3回 | 1.塔(タワー) 1-1.バベルの塔 1-2.圧縮強度 |
第4回 | 1-3.レンガの塔 1-4.コンクリートの塔 |
第5回 | 1-5.末広がりな塔 |
第6回 | 2.宇宙エレベーター 2-1.万有引力と等速円運動と天体 |
第7回 | 2-2.宇宙エレベーター |
第8回 | 2-3.静止軌道(静止衛星軌道) |
第9回 | 3.宇宙エレベーターのケーブル 3-1.ケーブルの長さ 3-2.引張強度 |
第10回 | 3-3.ケーブの限界の長さ 3-4.CNT(カーボンナノチューブ) |
第11回 | 4.クライマー 4-1.クライマーの速度 4-2.非慣性系 |
第12回 | 4-3.遠心力 4-4.コリオリ力 |
第13回 | 4-5.エレベーターの構造 4-6.宇宙服 |
第14回 | 現代物理学の理解度・到達度確認期間 (I) |
第15回 | 現代物理学の理解度・到達度確認期間 (II) |
その他
教科書 | |
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参考書 |
「宇宙エレベーター」に関する著作(少ない)
自分に適した参考書を見つけ,読破する.
「読書百遍,義,自ずから見(あらわ)る」
アニメ『機動戦士ガンダム OO 』や『機動戦士ガンダム~G のレコンギスタ~』では,この宇宙エレベーターが登場している.
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成績評価の方法 及び基準 |
前期試験(レポート2回 / 場合により評価の対象) |
質問への対応 | 講義終了後5分 |
研究室又は 連絡先 |
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オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
講義には,必ず出席すること! そして,超気合でノートを取る!! ( 「付いて来れるかな?」 ) すると,物理が面白くなるかもしれ・・? また,「努力は必ず報われ」 ます! |