2019年 理工学部 シラバス - 土木工学科
設置情報
科目名 | 材料化学 | ||
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設置学科 | 土木工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 大宅 淳一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | A25C |
クラス | 2 | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 将来的に建設材料を取り扱う機会が多い学科の学生を対象とした科目である。 主にセメント系材料の化学を中心に学習する予定であるが,化学の基礎的な内容にはじまり,無機材料・有機材料の基本も併せて幅広く学習する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
高等学校で化学を履修していなくとも理解できるように,基礎的な事項の解説から最近のトピックスの紹介までを行う. 授業はプロジェクタで資料を表示しながら板書を行う形式をとる. |
履修条件 | 選択 環境ライフサブメジャー・コース設置科目 |
授業計画
第1回 | ガイダンス 授業の進め方など セメント化学の概要と専門科目(コンクリート材料)との関連性 事前学習(60分):コンクリートがどう作られているのか,どのようなものを材料としているのか,調べる。 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
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第2回 | セメントとは何か? セメントの歴史(ローマンコンクリート~ポルトランドセメントの誕生) 事前学習(60分):コンクリートおよびそれに類する材料の歴史に関連して,古代ローマで用いられていたコンクリートについて調べる。 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第3回 | セメントの定義と分類 気硬性セメントと水硬性セメント,ポルトランドセメント,特殊セメント 事前学習(60分):気硬性,水硬性という用語について調べてくる。 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第4回 | ポルトランドセメントの製造法 原料の調製,焼成,混合・粉砕 事前学習(60分):工業製品であるポルトランドセメントがどのような原料を用いて,製造されているのか調べる。 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第5回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その1) 原子の構造と化学結合,酸化物の形式 事前学習(120分):高校の「基礎化学」あるいは「化学」の原子の構造,化学結合に関して予習してくる。 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第6回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その2) 分子・(原子団)イオンの構成と式量(分子量)を用いた物質量(モル数)への換算 事前学習(120分):化学反応とそれらの計算について,高校の「基礎化学」より「化学変化に関わる諸法則(質量保存の法則,定比例の法則,倍数比例の法則,気体反応の法則,アボガドロの法則など)」について調べてくる。 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第7回 | ポルトランドセメントの種類と化合物組成 クリンカー化合物の性質と化学組成 事前学習(120分):第4回目の内容について確認するとともに,原料の成分について調べてくる。 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第8回 | セメントの水和反応 クリンカー化合物の水和特性と凝結のメカニズム 事前学習(60分):ポルトランドセメントの化学組成を確認するとともに,高校の「化学」よりカルシウムの反応(酸化カルシウム,水酸化カルシウム,炭酸カルシウムなどの性質)を確認しておく。 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第9回 | セメント・コンクリートの化学反応 セメントの水和に影響を与える因子 事前学習(120分):クリンカー鉱物の各水和反応特性およびその化学特性について確認する. 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第10回 | セメント・コンクリートの材料化学1 化学混和剤の種類とその性能 事前学習(60分):コンクリートに様々な性質を付与する化学混和剤についてあらかじめ調べてくる。 事後学習(180分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第11回 | セメント・コンクリートの材料化学2 混和材料と環境問題 事前学習(120分):コンクリートの材料として,様々な業種の副産物が「混和材」として利用されている。コンクリート業界の副産物利用の取り組みについて調べてくる。 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第12回 | コンクリートの耐久性 中性化・炭酸化反応,アルカリ骨材反応,塩害の化学的メカニズムとその対応 事前学習(120分):高校の「化学」よりカルシウムの反応(酸化カルシウム,水酸化カルシウム,炭酸カルシウムなどの性質)を確認しておく。 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第13回 | 有機材料の基礎 様々な有機材料,高分子材料,有機・無機複合材料 事前学習(120分):有機化合物の性質,共有結合に関して,あらかじめ調べてくる。 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第14回 | 金属材料の基礎 金属結合と自由電子,金属の特性と主な用途 事前学習(120分):金属材料の性質,金属結合に関して,あらかじめ調べてくる。 事後学習(120分):授業後, プリント及びノートの内容を復習する。 疑問点があれば次回に確認する。 |
第15回 | 理解度確認テスト 【事前学習(180分)】講義で示した範囲,授業で強調した点,教科書の例題や練習問題をよく確認しておくこと。 【事後学習(60分)】解答した内容がどの程度合っていたか,間違えている箇所があったとすれば,その要因を考え,各自で再度確認して理解を深める。 |
その他
教科書 |
説明に必要な図表等はスライドとして準備するので,教科書の指定はしない。
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参考書 |
『コンストラクション マテリアル』 原田宏 鹿島出版会 2012年
『新・社会環境マテリアル』 坂井悦郎・大門正機 セメント新聞社 2017年 第1版
『最新 建築材料科学』 松井勇・出村克宣・湯浅昇・中田善久 井上書院 2012年 第1版
その他の参考書類についてはガイダンスや授業中で随時紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
理解度確認テストの成績を基本とする。 平常点(出席や授業態度など)も考慮する。 |
質問への対応 | 授業中および授業後または下記オフィスアワーにて質問をお受けしますが,それ以外の時間でも下記研究室に在室中であれば随時質問をお受けします。 また,電子メールによる問い合わせも歓迎いたします。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎8号館814室 ooya※chem.ge.cst.nihon-u.ac.jp(※は@に変更してください。) なお,メール連絡の際には,学科名,学生番号,氏名を明示してください. |
オフィスアワー |
水曜 船橋 12:10 ~ 13:10 左記以外にも在室時には随時対応
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学生への メッセージ |
卒業後の進路で公務員や建設系の企業を目指す場合,実際の現場では使用する様々な「材料」に関する幅広い(材料学的な)知識が必要とされます。材料学の本質を知るには,それを構成している化学物質に関する理解も必須となります。 高校時代,化学を学んで来なかった学生諸君も興味をもって積極的に受講してください。 |