2019年 理工学部 シラバス - 交通システム工学科
設置情報
科目名 | 環境経済学 | ||
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設置学科 | 交通システム工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 福田・伊東 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | B51A |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | エンジニアリングコースの系統図確認 マネジメントコースの系統図確認 |
概要
学修到達目標 | 本科目のカリキュラム上の位置づけは、環境政策における経済学の考え方について基礎的な知識を習得することであり、以下が出来ることを目標とする(認知的領域:知識・理解)。 (1)ミクロ経済学の用語を使って消費者行動と企業行動を図解できること。 (2)環境を改善・維持するために実施される規制、課税、市場メカニズムを図解できること。 (3)コースの定理を使って京都メカニズムを図解し、排出権の取引量を計算できること。 (4)複数の環境価値を計測する方法を説明できること。 同時に、以下が出来ることを目標とする(認知的領域:思考・判断) (5)現実の環境問題に対する経済的政策を説明し、その効果と課題について自らの考えを述べることができる。、 本科目は交通システム工学科の学習・教育到達目標A~IのうちH「歴史・文化・環境を生かす実践能力」の達成に主体的に関与する重要な科目である。また、D「専門応用学力」の達成に補足的に関与する科目である。 |
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授業形態及び 授業方法 |
配布した資料に基づいて講義を行う。また、毎回最後に質問と感想を書かせ、その中から重要なものを選び、次回の講義の前半に排泄する。数回にわたりレポートを提出してもらい、採点した結果は返却し、模範解答を講義で解説する。 |
履修条件 | 専門教育科目、両コース、社会・環境系群 |
授業計画
第1回 | 環境問題と経済学の役割(福田) 地球環境問題を解説し、環境経済学の役割を説明する。その後、授業概要を説明する。 【事前学習】Webで地球環境問題に関して検索し内容を理解する(60分) 【事後学習】配布したプリントを復習する(180分) |
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第2回 | ミクロ経済学の基礎(福田) ミクロ経済学の基礎的な内容を講義する。 【事前学習】Webなどでミクロ経済学の定義を探し、内容を理解する(60分) 【事後学習】配布したプリントを復習する(180分) |
第3回 | 消費者の行動1(福田) ミクロ経済学に基づいて、消費者行動の経済学的解釈を講義する。 具体的には、効用関数、無差別曲線、代替と補完の関係、予算制約、需要の決定、所得変化と需要、価格変化と需要について講義する。 【事前学習】Webで効用関数について調べ、内容を理解する(60分) 【事後学習】効用関数から無差別曲線を推定し、価格が変化した場合の需要の変化を推計する課題を行う(180分) |
第4回 | 消費者の行動2(福田) 消費者の行動について復習し、特に代替、補完に関して詳しく講義する。 【事前学習】消費者が消費量を決める原理を理解してくる(60分) 【事後学習】代替、補完関係に関する課題を行う(180分) |
第5回 | 企業の行動(伊東) 企業の行動について講義。具体的には、生産技術、利潤最大化行動などについて説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとに企業の行動に関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を復習する(120分) |
第6回 | 効率性と市場(伊東) 効率性と市場について講義。具体的には、市場の役割、市場均衡、消費者余剰、生産者余剰、社会的余剰、競争均衡と効率性、政府の介入などについて説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとに効率性と市場に関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を基に重要事項を復習する(120分) |
第7回 | 市場の失敗(伊東) 市場の失敗について解説。具体的には、技術的外部性、環境問題の余剰分析、最適な生産量と汚染レベル、市場の失敗の解決策について説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとに市場の失敗に関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を基に重要事項を復習する(120分) |
第8回 | 政策的手段(規制,課税)(伊東) 市場の失敗について復習。その後、規制的手段、補助金制度、環境税などについて説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとに市場の失敗に関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を基に重要事項を復習する(120分) |
第9回 | コースの定理(排出権取引)(福田) ガソリン需要曲線、CO2排出需要曲線、限界削減費用曲線について解説。その後、コースの定理について解説。 【事前学習】市場の失敗について復習し内容を理解する(60分) 【事後学習】限界削減費用曲線を作成する課題を行う(180分) |
第10回 | 京都メカニズム1(概要)(福田) コースの定理などについて復習。その後、京都議定書、京都メカニズム、排出量取引などについて解説し、演習を行う。 【事前学習】配布したプリントを読みコースの定理について復習する(60分) 【事後学習】京都メカニズムに関して不明な点を質問できるようまとめる(120分) |
第11回 | 京都メカニズム2(福田) 排出権取引の演習 【事前学習】配布したプリントを読み排出権取引の復習を行う(120分) 【事後学習】2国間での排出権取引の課題を行う(180分) |
第12回 | 環境価値の評価1(伊東) 環境価値の計測に関して解説。CVMに関して説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとに環境の価値やCVMに関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を復習する(120分) |
第13回 | 環境価値の評価2(伊東) CVM、コンジョイント分析に関して説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとにCVMやコンジョイント分析に関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を復習する(120分) |
第14回 | 環境価値の評価3(伊東) トラベルコスト法、ヘドニック法などを説明。その後全体のまとめ。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとにトラベルコスト法、ヘドニック法に関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を復習する(120分) |
第15回 | 平常試験及びその解説(福田・伊東) 【事後学習】試験内容を自分なりに整理し、重要な点を確認しておくこと。(240分) |
その他
教科書 |
プリントを使用する。
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参考書 |
日引 聡,有村俊秀 『入門 環境経済学―環境問題解決へのアプローチ』 中公新書 2002年
鷲田豊明 『環境評価入門』 勁草書房 1999年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験70%(この中には、環境問題の歴史・環境に対する文化的背景・環境対策にかかわる技術・制度を理解して、交通計画に生かす実践能力に関する内容50%、実際のプロジェクトにおいて環境価値の計測を行う応用能力20%を含む)、レポート30%で採点する。出席が80%に満たない場合は、原則として定期試験の採点対象としない(正当な理由がある場合に限り、追加課題の提出により許可する)。 |
質問への対応 | 講義の最後に配布する質問票に記入してもらう。次回の講義の冒頭で、質問に対する回答の解説を行う。 それ以外は、電子メールにて対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
電子メールアドレスは講義1回目に指示する。 |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:30 ~ 13:00 船橋校舎7号館738:伊東
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学生への メッセージ |
交通活動によって大気汚染、騒音、地球温暖化など多くの環境問題が発生します。この講義では、このような環境問題を経済学的な観点で理解する上で必要となる基礎的な知識を講義します。理論的な理解を助けるために数式なども多用しますが、交通問題を考える上で役に立ちますので頑張って勉強してください。 |