2019年 理工学部 シラバス - 建築学科
設置情報
科目名 | 基礎化学 | ||
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設置学科 | 建築学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 大宅 淳一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | C13E |
クラス | B | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 |
概要
学修到達目標 | 「物質」についての知識は,「材料化学」や「環境学」を学ぶ上で基礎的な情報として必須である。この「物質」の性質や反応を理解するには,微視的に(ミクロな視点で)原子や分子を理解することが重要である。「基礎化学」ではこのような見方を通して,物質とこれに関わる現象を理解・説明できるようにする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
板書を主体にプロジェクタを併用した講義形式で行う。 |
履修条件 | 選択科目。出席状況は教室設置のカードリーダーによる記録に基づいて評価するので、出席時の記録を忘れないこと(学生証忘れについては対応しないので注意)。 |
授業計画
第1回 | 科目概要の解説および基礎的事項の確認 高校までの化学との違い,科学の方法と特徴を理解する。 【事前学習(120分)】シラバスを参照し,科学とは何か?,科学と技術の関係,科学による物事の解明の一般的な方法を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
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第2回 | 物質の構造・性質の理解とその歴史的過程 物質についての考え方とその解明の過程を知り,その途上に現在があることを理解する。 【事前学習(120分)】高校の教科書(化学,化学基礎)から,物質の分類の考え方(混合物と純物質,単体と化合物),原子量・分子量,同位体,異性体,化学式の種類と違い,物質量(モル)とその考え方を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第3回 | 原子の構造,原子スペクトル 原子構造の解明のための実験過程と,その中で明らかになった古典力学の限界を理解する。 【事前学習(120分)】高校の教科書(物理)の「原子」を参照し,これらの実験に見られる物理現象を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第4回 | 量子論的原子モデル:ボーアの原子模型,量子論の考え方 ミクロな世界のエネルギー準位・現在の物質の構造・性質の理解の基礎となる量子力学的な考え方と,これに基づく原子モデルについて理解する。 【事前学習(120分)】高校の教科書(物理・物理基礎)の原子や波動を参照し,原子内の原子核と電子の間の力とエネルギーの釣り合い,波動の特性と干渉現象を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第5回 | 量子論的原子モデル:電子配置とその規則(構成原理) 波動として説明される原子軌道(オービタル)の種類(形状・エネルギー)と軌道への電子の入り方(電子配置)のルールを理解し,各元素の電子配置・エネルギー準位・形状をイメージできるようにする。 【事前学習(120分)】原子軌道の種類と形状,エネルギー準位,電子配置の規則(構成原理)を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第6回 | 元素の性質(イオン化エネルギー,電子親和力,原子・イオン半径)の周期性 元素の基本的性質が電子配置から説明できること,それが主に有効核電荷の違いに基づくことを理解する。 【事前学習(120分)】第一イオン化エネルギー,電子親和力,軌道による貫入の違いと遮蔽の関係,有効核電荷の変化,原子半径とイオン半径を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第7回 | 化学結合:分子軌道理論による結合の理解 原子軌道が重なることで形状・エネルギーが変化し(分子軌道の形成),これによって原子間の結合力及び反発力を生じた結果として化学結合が形成されることを理解する。 【事前学習(120分)】原子軌道(波)の重ね合わせ,分子軌道の形成,H2分子を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第8回 | 化学結合(1):多重結合(σ結合とπ結合),混成軌道の考え方 原子軌道の重ね方の違いにより多重結合が可能となることや,重ねた軌道を再構成してより安定な結合を作ることを理解する。 【事前学習(120分)】σ結合,π結合,混成軌道(sp3,sp2,sp)を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第9回 | 化学結合(2):混成軌道と有機化合物の分子構造 炭素が形成する複雑な分子の形状・性質が,主に混成軌道に基づいて説明できることを理解する。 【事前学習(120分)】混成軌道(sp3,sp2,sp)と分子,原子価殻電子対反発理論(VSEPR)を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第10回 | 化学結合(3):結合のイオン性と双極子モーメント・イオン結合・配位結合 有効核電荷の違いによる結合電子の偏り(結合のイオン性)と,その化学結合及び物性への影響を理解する。 【事前学習(120分)】双極子モーメント,イオン結合,配位結合を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第11回 | 化学結合と物性(1):結合の種類と固体(結晶)の性質,非晶質(無定形)について理解する。 【事前学習(120分)】イオン性結晶,共有結合性結晶,分子結晶の違い,水および炭素(黒鉛・ダイヤモンド)の結晶構造と性質を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第12回 | 化学結合と物性(2):固体物性の基礎となるバンド理論を分子軌道の延長として理解し,遷移金属元素の電子配置と物性の関係について理解する。 【事前学習(120分)】金属とその性質,導体・半導体・絶縁体の違い,バンド理論を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第13回 | 分子間力と分子集団の性質 分子集団において分子同士の間に働く力の種類・性質の違いを知り,これが分子集団の性質に与える影響について理解する。物質の三態(気・液・固)およびプラズマ状態,超臨界状態を,物質の状態とその変化の基礎について理解する。 【事前学習(120分)】ファン・デル・ワールス力,水素結合,三態を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第14回 | 物質の状態変化・束一的性質 状態間の平衡とその見方,温度や圧力との関係について理解する。 【事前学習(120分)】状態間の変化,平衡状態,沸点,融点,沸騰,ファン・デル・ワールス力,水素結合,三態,蒸発,沸騰,状態図を予習しておくこと。 【事後学習(120分)】授業後,プリントとノートの内容を各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第15回 | 理解度確認テストおよび解説 【事前学習(120分)】講義で示した範囲,授業で強調した点,教科書の例題や練習問題をよく確認しておくこと。 【事後学習(120分)】解答した内容がどの程度合っていたか,間違えている箇所があったとすれば,その要因を考え,各自で再度確認して理解を深める。 |
その他
教科書 |
授業を進めるうえで必要な図表やイラストはすべてプレゼンテーション用スライドとして準備するので,教科書の指定は無し。
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参考書 |
『基礎の化学』 大月 穣 東京化学同人 2014年
基礎的な内容がかなりしっかりと,かつ分かり易く記載されていて理解しやすい
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成績評価の方法 及び基準 |
基本的には授業最終回に実施予定の「理解度確認テスト」の成績で判断する。 |
質問への対応 | 授業中および授業後または下記オフィスアワーにて質問をお受けしますが,それ以外の時間でも下記研究室に在室中であれば随時質問をお受けします。 また,電子メールによる問い合わせも歓迎いたします。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎8号館814研究室 メール:ooya※chem.ge.cst.nihon-u.ac.jp (※は@に変更してください.) メール連絡の際には,学科名,学生番号,氏名を明示してください. |
オフィスアワー |
水曜 船橋 12:10 ~ 13:20 左記以外にも在室時には随時対応
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学生への メッセージ |
できる限り平易な表現につとめ,理解してもらえるように努力しますので,きちんと授業に出席し,積極的に学んでいただきたいと思います。 |