2019年 理工学部 シラバス - 建築学科
設置情報
科目名 | 鑑定評価理論Ⅰ | ||
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設置学科 | 建築学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 佐藤 晃紀 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C14R |
クラス | 企画経営コース | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 建築と不動産は、密接不可分の関係にあるため、建築を志す者は、不動産サイドから考えることは有意義である。不動産鑑定評価の理解を通じて、不動産の本質、不動産市場の理解、社会における不動産のあり方についての素養を身につけることと、併せて不動産は個人の財産であるとともに公共財でもあることについての理解を深めることができる。これらを踏まえて、どのような職業に就いても必要となる基本的な視点を持てるようにする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
不動産鑑定評価の理論的な内容を平易に理解するために、教科書をもとに解説する。理論のみの解説は抽象的すぎるので、理解を助けるための周辺知識、最近のトピックス等実務の実態を紹介しながら、適宜取り上げる。授業中の小テスト(成績評価の対象外)等により理解度を確認しつつ、基本的には前回講義内容の復習を行ったうえで、当日の講義を進める予定で、重要なことは繰り返し解説して理解を深めるようにする。 |
履修条件 | 特になし |
授業計画
第1回 | 講義の進め方と成績評価方法 不動産鑑定評価の概説 ①不動産鑑定評価制度、②不動産鑑定士の業務内容・役割、③地価公示等の公的評価、 ④不動産鑑定評価の活用領域等 【事前学習】教科書の12頁~31頁を読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
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第2回 | 鑑定評価の歴史(不動産鑑定評価基準の変遷) 不動産鑑定評価に関する基本的考察 ①不動産とその価格、②不動産とその価格の特徴、③不動産鑑定評価、④不動産鑑定士の責務 【事前学習】教科書の総論第1章を読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第3回 | 不動産の種別及び類型 ①不動産の種別(地域、土地)、②不動産の類型(宅地、建物及びその敷地) 【事前学習】教科書の総論第2章を読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第4回 | 不動産の価格形成要因 ①一般的要因(自然的、社会的、経済的、行政的)、②地域要因(宅地、農地、林地) ③個別的要因(土地、建物、建物及びその敷地) 【事前学習】教科書の総論第3章を読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第5回 | 不動産の価格に関する諸原則(11原則) ①需要と供給、②変動、③代替、④最有効、⑤均衡、⑥収益逓増及び逓減、⑦収益配分 ⑧寄与、⑨適合、⑩競争、⑪予測 参考:櫛田光男著・不動産の鑑定評価に関する基本的考察 【事前学習】教科書の総論第4章を読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第6回 | 鑑定評価の基本的事項 ①対象不動産の確定(対象確定条件、想定上の条件、調査範囲等条件)、②価格時点の確定、③価格・賃料の種類の確定〔価格(正常、限定、特定、特殊)、賃料(正常、限定、新規、継続)〕 【事前学習】教科書の総論第5章を読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第7回 | 地域分析及び個別分析 ①地域分析〔意義、適用(地域及びその特性、対象不動産に係る市場の特性)〕 ②個別分析〔意義、適用(個別的要因分析上の留意点、最有効使用の判定上の留意点)〕 【事前学習】教科書の総論第6章を読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第8回 | 鑑定評価の方式Ⅰ(価格を求める鑑定評価手法) 試算価格を求める場合の一般的留意事項 ①一般的要因と鑑定評価各手法適用との関連、②事例の収集・選択、③事情補正、④時点修正、⑤地域・個別的要因の比較 原価法 ①意義、②適用方法(再調達原価と求め方)、③減価修正(減価の要因と修正方法) 【事前学習】教科書の総論第7章第1節Ⅰ~Ⅱを読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第9回 | 鑑定評価の方式Ⅱ(価格を求める鑑定評価手法) 取引事例比較法 ①意義、②適用方法(事例の収集・選択、事情補正・時点修正、地域・個別的要因の比較等) 【事前学習】教科書の総論第7章第1節Ⅲを読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第10回 | 鑑定評価の方式Ⅲ(価格を求める鑑定評価手法) 収益還元法 ①意義、②収益価格を求める方法(直接還元法等)、③適用方法(純収益、還元利回り等) 【事前学習】教科書の総論第7章第1節Ⅳを読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第11回 | 鑑定評価の方式Ⅳ(賃料を求める鑑定評価手法) ①一般的留意事項(実質賃料と支払い賃料、支払い賃料の求め方、賃料算定期間) ②新規賃料の評価手法(積算法、賃貸事例比較法、収益分析法) 【事前学習】教科書の総論第7章第2節Ⅰ~Ⅱを読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第12回 | 鑑定評価の方式Ⅴ(賃料を求める鑑定評価手法) ③継続賃料の評価手法(差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法) 【事前学習】教科書の総論第7章第2節Ⅲを読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第13回 | 鑑定評価の手順 ①基本的事項の確定、②依頼者、提出先等及び利害関係者等の確認、 ③処理計画の策定、④対象不動産の確認、⑤資料の収集・整理、⑥資料の検討及び価格形成要因の分析、⑦鑑定評価手法の適用、⑧試算価格・試算賃料の調整、⑨鑑定評価額の決定、⑩鑑定評価報告書の作成 【事前学習】教科書の総論第8章を読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第14回 | 鑑定評価報告書 ①作成指針、②記載事項(鑑定評価額、価格・賃料の種類等)、③附属資料 【事前学習】教科書の総論第9章を読んで、概要を把握しておくこと。(60分) 【事後学習】講義で説明を受けた内容について要点を纏めておくこと。(120分) |
第15回 | 平常試験及びその解説 【事前学習】第1回~第14回までの授業の事後学習を中心に復習しておくこと。(900分) 【事後学習】平常試験の解説で説明を受けた内容について復習しておくこと。(180分) |
その他
教科書 |
公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会 監修 鑑定評価理論基準委員会 編著 『要説不動産鑑定評価基準と価格等調査ガイドライン』 住宅新報出版 2015年
4年生の鑑定評価理論Ⅱでも同一のテキストを使用する。
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参考書 |
必要に応じて、授業中に紹介する予定である。
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成績評価の方法 及び基準 |
平常試験を基本とする。 |
質問への対応 | 原則として、授業中に行う。その他はメール等で適宜対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
akimichi-satoh@jrei.jp 03-3503-5337 一般財団法人日本不動産研究所 審査部 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
不動産を知るための入り口はいくつかあるが、初めて不動産を学ぶものにとって、不動産鑑定評価の基礎理論から学ぶことは体系的に理解するうえで大変効果的な方法である。 将来、建築・不動産のエキスパートを目指すか否かにかかわらず、誰でもが個人の生活、企業活動等様々な場面で不動産と向き合うことになるので、本講座の受講を意義ある機会にされたい。不動産鑑定士資格取得の可否を判断するために本講義を受講することも有用である |