2019年 理工学部 シラバス - まちづくり工学科
設置情報
科目名 | まちづくり文学 | ||
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設置学科 | まちづくり工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 岸 規子 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | E25A |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 文学作品を通して自然や歴史認識の変化が、人々の生活に与えた影響を考察する。対象は明治から現代に至るまでの小説とする。また必要に応じて、新聞や雑誌の記事を資料として配布する予定である。両者を併せ読むことで、人々の生活の場がどのように変化していったのかを読み解いていくこととする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業は板書とプリントを併用して行う。配布した資料をもとに、都市としての東京と地方の変化を合わせ鏡として捉える。東京なくして地方は成立しないし、地方なくして、東京は成立しない。過去の作品を通して、現代社会を探る手掛かりとしたい。 |
履修条件 | 2/3以上の出席。出席日数が少ない場合は成績評価の対象とはしないので注意すること。またレポート未提出の場合も評価の対象外となる。 私語、遅刻は厳禁。授業時の課題は必ず提出すること。 |
授業計画
第1回 | 授業の進め方、及び講義内容について説明する。 【事前学習】この科目のシラバスの内容を確認の上、授業に臨むこと。(60分) 【事後学習】授業時に課題を出すので、図書館に足を運び参照すべき文献を自ら探して考察をまとめること。(120分) |
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第2回 | 谷崎潤一郎『陰翳礼讃』について考察する。(1) 光と影の対比やその効果について考える。また東西の文化論にまで踏み込んでみたい。 【事前学習】授業で使う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】授業の復習を行う。授業のテーマである光と影をうまく使ったまちづくりの例を探し、考察を深めること。(120分) |
第3回 | 谷崎潤一郎『陰翳礼讃』について考察する。(2) 角田光代『空中庭園』や評論を読みながら、現代における課題を見出していく。 【事前学習】授業で使う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】授業の復習を行う。授業で挙げた課題や問題点に対し、自分の意見を文章にまとめられるようにしておく。授業時より考察を深められるようにすること。(120分) |
第4回 | 都市と地方の関係性について(1) 田山花袋『田舎教師』、立松和平『遠雷』、山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』などを取り上げる。 【事前学習】授業で使う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】授業の復習を行う。授業で挙げた課題や問題点に対し、自分の意見を文章でまと められるようにしておく。授業時より考察を深められるようにすること。(120分) |
第5回 | 都市と地方の関係性について(2) 磯田光一『思想としての東京』や新聞記事などを読みながら、現代における課題を見出していく。 【事前学習】授業で使う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】授業の復習を行う。東京と地方の関係が時代と共にどのように変化してきたか、文章でまとめられるように考察を深める。(120分) |
第6回 | タワー(1) 堀辰雄『水族館』、江戸川乱歩『押絵と旅する男』を取り上げ、浅草を中心とした繁華な都市の様相を明らかにしていく。十二階(凌雲閣)の果たした役割についても考察を加える。 【事前学習】授業で使う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】明治・大正期の浅草と現代の浅草の違いを考察する。文章でまとめられるようにしておく。(120分) |
第7回 | タワー(2) リリー・フランキー『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』、西加奈子『通天閣』などを取り上げる。東京タワーや東京スカイツリー、通天閣などを考察の対象とする。 【事前学習】授業で使う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】現代におけるタワーの役割について考える。また東京と大阪の差異についても考察を加える。いずれも文章でまとめられるようにしておくこと。(120分) |
第8回 | デパート 伊藤整『M百貨店』、真保裕一『デパートへ行こう』などを取り上げる。新聞記事も併せて読みながら、デパートの今昔とこれまで果たしてきた役割などを紹介する。 *レポートの書き方の指導①―資料の引用の方法、資料の活用のしかたなど 【事前学習】授業で扱う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】デパートを題材にレポートを作成する。①(120分) |
第9回 | ショッピングモールなど 角田光代『空中庭園』、恩田陸『Q&A』などを取り上げる。また対照的な作品として、ねじめ正一『高円寺純情商店街』を取り上げ、現代における課題を見出し、考察を加えていく。 *レポートの書き方の指導②ー事実と意見の書き分け方、意見を裏付ける論拠の示し方など 【事前学習】授業で扱う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】デパートを題材にレポートを作成する。② デパートとショッピングモールとの比較を試みる。(150分) |
第10回 | 団地 安倍公房『燃えつきた地図』、立松和平『遠雷』、本間洋平『家族ゲーム』、重松清『たんぽぽ団地』などを取り上げる。また新聞記事を読みながら、団地の今昔について考えていく。 *レポートの書き方の指導③―レポートの構成方法について 【事前学習】授業で扱う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】デパートを題材にレポートを作成する。③ まちづくりの観点から、デパートの今後を予想する。また問題提起が可能なら、レポートの内容に組み込むよう、工夫をしてみること。(150分) |
第11回 | タワーマンション 宮部みゆき『理由』、桐野夏生『ハピネス』などを取りあげる。新聞記事を読みながら、タワーマンションの将来について考察する。 【事前学習】授業で扱う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】団地とタワーマンションの抱えている問題点をまとめる。まちづくりの観点から、タワーマンションの将来像について考察する。(120分) |
第12回 | 文学に描かれた風景(1) 徳冨蘆花『自然と人生』、国木田独歩『武蔵野』を対象に、風景がどのように発見されていったのかを考察する。 【事前学習】授業で扱う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】授業の復習を行う。知識人によって発見されていった風景とはどんなものであったか、文章でまとめられるようにしておくこと。(120分) |
第13回 | 文学に描かれた風景(2) 梶井基次郎『闇の絵巻』、大岡昇平『武蔵野夫人』、中上健次『岬』などを考察の対象にする。 【事前学習】授業で扱う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】授業の復習を行う。歴史や風土を背景に、どのような風景観が形成されていったのかを確認する。それぞれの作品に現れた風景認識を説明できるようにしておく。(120分) |
第14回 | 文学に描かれた風景(3) 日野啓三『夢の島』、立松和平『光線』などを取り上げる。都市と自然の関係を考える。 【事前学習】授業で扱う作品や資料に予め目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】授業の復習を行う。都市の中の自然とは何か、まちづくりの観点から考察を行う。今回も文章でまとめられるようにしておくこと。(120分) |
第15回 | まとめ 授業での疑問の解消につとめる。(レポート提出) 【事前学習】レポートを完成させること。(180分) 【事後学習】授業の復習を行う。(60分) |
その他
教科書 |
毎時間、プリントを配布する。
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参考書 |
必要に応じて、プリントを配布する。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業時の提出物(60%)とレポート(40%)による総合評価 白紙での提出や未提出の場合は、欠席と同じ扱いになるので注意すること。 |
質問への対応 | 講義時に受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎5号館3階532室 人文研究室 火曜日・水曜日 |
オフィスアワー |
水曜 船橋 11:00 ~ 12:00 船橋校舎5号館3階532室 人文研究室
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学生への メッセージ |
文学も文化現象の一つです。過去の人々の生活の痕跡が色濃く残されています。過去を知ることは現在を、そして未来を知る手掛かりとなります。読む前から毛嫌いせずに、積極的に授業に参加していくれることを望みます。 |