2019年 理工学部 シラバス - 精密機械工学科
設置情報
科目名 | 基礎化学実験 | ||
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設置学科 | 精密機械工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 三五・渡邉 他 | 履修期 | 年間 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3・4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | G53A |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 目前の化学現象に対する観察力を十分に養う。さらに、物質の変化や性質を原子、分子、イオン(ひいては電子状態)のミクロな視点と、物質が集団として振舞う巨視的な理解の両面から現象を思考する力を身につけることを目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
毎回、実験の内容および操作を説明した後、1人または2人1組にて行う。 各実験はそれぞれの内容によって819、826、829の各実験室にて実施する。 レポート提出後にポイントを解説する。 |
履修条件 | 基礎教育科目・選択科目。年間隔週にて行う。 高校「化学」の履修経験が無い場合でも、対応できる科目である |
授業計画
第1回 | 履修内容の説明、実験内容の説明と諸注意 1)水溶液中に含まれる陽イオンの検出 2)香り成分(カルボン酸エステル)の合成 3)有機化合物の抽出 3テーマ シラバスの内容を確認してから授業に臨むこと。 事前学習(60分):「水溶液中に含まれる陽イオンの検出」「香り成分(カルボン酸エステル)の合成」「有機化合物の抽出」について,テキストで確認するとともに,「酸と塩基の反応」,「有機化合物の特徴」などについて内容を予習しておく。 事後学習(60分):終了後、講義内容について各自あるいは学生間で確認して理解を深める. |
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第2回 | 1)水溶液中に含まれる陽イオンの検出 試料溶液中に、どのような陽イオンが存在するかを確認する実験を陽イオンの定性分析とい う。多くの陽イオンを定性分析の体系にしたがって系統的に分離・処理し、検出・確認する方法である。 事前学習(60分):「水溶液中に含まれる陽イオンの検出」について,予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(陽イオンの性質など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第3回 | 2)香り成分(カルボン酸エステル)の合成 酸の-OHを-OR(R:アルキル基)で置換した化合物はエステルと呼ばれ、自然界には、果実の香り成分、細胞組織、エネルギー物質などとして広く分布している。また、それぞれの用途に応じた合成品は、有機溶媒、加工食品中の油脂、香料成分、爆薬、高分子の可塑剤、帯電防止剤他、幅広く利用されており、この反応は重要な化学反応の一つである。ここでは、グリーンケミストリー的な観点から硫酸水素カリウムを触媒として、有機酸であるカルボン酸(R-COOH)とアルコール(R'-OH)から脱水縮合しカルボン酸エステル(R-COOR')を合成する。さらに、薄相クロマトグラフィー(TLC)を用いて香気性を示すエステル化合物を確認・同定する手法も取得する。 事前学習(60分):「香り成分(カルボン酸エステル)の合成」について,予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(エステルの構造,有機化合物の分析など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第4回 | 3)有機化合物の抽出 (紅茶からのカフェインの抽出) 抽出、分離の目的は特定成分をいかに高収率に分離し、かつ高純度に精製することである。 ここでは、カフェインを紅茶から高収率、かつ迅速に簡単な操作により分離精製する実験を行う。 事前学習(60分):「紅茶からのカフェインの抽出」について,予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(カフェインの構造,有機化合物の抽出など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第5回 | 実験内容の説明と諸注意 4)容量分析(中和滴定)5)反応速度の測定 6)凝固点降下の測定 3テーマ テキスト内容を確認してから授業に臨むこと。 事前学習(60分):「容量分析」,「反応速度」,「凝固点降下度の測定」についてテキストで確認するとともに,「酸と塩基の反応」,「反応速度と濃度・温度・圧力などの影響」,「溶液の性質」について内容を予習しておく。 事後学習(60分):終了後、講義内容について各自あるいは学生間で確認して理解を深める. |
第6回 | 4)容量分析(中和滴定) 試料中の成分の量を知るために、これと反応する濃度既知の溶液(標準溶液という)を用い てその量的関係から成分量を求める方法である。ここでは中和反応を利用して、以下の2種類 の溶液を定量する。 a)水酸化ナトリウムの定量 b)水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウム混合溶液の定量 事前学習(60分):「容量分析(中和滴定)」について,予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(酸と塩基の性質など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第7回 | 5)反応速度の測定 反応速度と反応機構との間には密接な関係がある。ここでは、ヨウ素酸カリウム水溶液と亜硫酸水素ナトリウム水溶液との反応を行う。コンピュータを利用して反応速度と濃度との関係 について解析し、反応機構を理解する。 事前学習(60分):「反応速度」について,予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(化学反応の速度と圧力,濃度,温度,触媒の影響など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第8回 | 6)凝固点降下の測定 溶液の凝固点が溶媒の凝固点よりも低くなる現象を凝固点降下という。ここでは尿素水溶液 (非電解質)と塩化ナトリウム水溶液(電解質)の凝固点を測定し、溶媒(水)の凝固点から それぞれの凝固点降下度を求める。 事前学習(60分):「凝固点降下度の測定」について,予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(溶液の性質,束一的性質など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第9回 | 実験内容の説明と諸注意 7)金属の腐食とイオン化傾向 8)高分子の合成(付加重合と縮合重合)9)無電解(化学)めっき 10)水の硬度(キレート滴定) 11)化学的酸素要求量(COD)の測定 5テーマ テキスト内容を確認してから授業に臨むこと。 事前学習(60分):5つのテーマに関連する「酸化還元反応」「有機化合物の特徴」「高分子化合物の分類と性質」「滴定」などについて予習しておく。 事後学習(60分):終了後,講義内容について各自あるいは学生間で確認して理解を深める. |
第10回 | 7)金属の腐食とイオン化傾向 金属の化学的性質とイオン化傾向との間には密接な関係があり、材料学的な立場から見れば、イオン化傾向の小さな金属ほど腐食されにくい。この現象を鉄、銅、鉛、ニッケル、アルミニウムについて実際に実験し、観察する。 事前学習(60分):「金属の腐食とイオン化傾向」について,予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(金属のイオン化傾向,酸化還元反応など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第11回 | 8)高分子の合成(付加重合と縮合重合) 有機材料として高分子化合物(プラスチック)は種類により様々の特徴を持ち、多方面に利用され我々の生活に深く関わっている。ここでは付加重合としてアクリルアミドの重合、さらに縮合重合としてナイロンの合成を行うことにより、それらの物性を観察する。 事前学習(60分):「高分子の合成」について,予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(高分子化合物など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第12回 | 9)無電解(化学)めっき 従来からめっきは、導電性基板上に析出させる方法が行われていた。ここではプラスチック、セラミックおよびガラスなどの不良導体基板上に化学的処理を施し、いわゆる無電解(化学)めっき法を実際に試みる。 事前学習(60分):「無電解めっき」について予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分) :終了後、テキストや実験報告書を含む内容(めっき,酸化還元反応など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第13回 | 10)水の硬度(キレート滴定) キレート滴定法を用いて水中のCa2+とMg2+の定量を行うことにより水の硬度を測定する。 事前学習(60分):「水の硬度」について予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(上水道水の水質基準など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第14回 | 11)化学的酸素要求量(COD)の測定 水質汚濁の原因物質による汚濁量を知るために、ここではCODを測定する。実際に、河川または湖沼の水を使用してその水が環境基準に適合するかどうかを実験する。 事前学習(60分):「化学的酸素要求量(COD)」について予習レポート(2項目:目的・操作)を作成し、内容を予習しておく。 事後学習(60分): 終了後、テキストや実験報告書を含む内容(酸化還元反応,水質など)について、各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
第15回 | 12)安全教育および総合演習 化学物質が及ぼす危険性について、配布テキストの付録「安全科学講習資料」を参考にして事前に予習しておく。 安全に化学物質を取り扱うこと、物質の状態によって特に注意すべき事項など、演習で取り組んだ範囲を含めて各自あるいは学生間で確認する。 事前学習(60分):配布テキストの付録「安全科学講習資料」を参考に,事前に予習しておく. 事後学習(60分):終了後、薬品に関する安全講習(消防法関連,毒劇物取扱法関連,高圧ガス取り扱い法関連など)について各自あるいは学生間で確認して理解を深める。 |
その他
教科書 |
実験テキストは4月第1週ガイダンス時に無償配布する。
安全メガネは貸与する。
白衣は各自で準備して下さい。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
実習(60%)およびレポート(40%)により評価する。 |
質問への対応 | 授業中および授業終了後 |
研究室又は 連絡先 |
担当教員 前期:米田(812)・三五(822)・渡邉, 後期:米田(812)・大宅(814)・平野(821) 連絡先:chem2019@ge.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 船橋 12:10 ~ 13:20 各担当者研究室
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学生への メッセージ |
第1回目の受講場所等は掲示にて指示しますので、掲示板[(船)14号館1階、(船)中央門、(船)西門、(駿)1号館1階]にて確認して下さい。 4月第1週に配布したテキストを初回時に持参して下さい。 |