2019年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 | 工業数学Ⅲ | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 嶋田 有三 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H22G |
クラス | 航空宇宙工学科2年 | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 線形代数は振動工学,構造力学,制御工学,飛行力学などの専門科目を学ぶ上で必須である。行列理論は単なる計算のための数学ではなく,多変数を同時に取り扱う際に、理論的な見通しが利くようになることにある。 本授業により,逆行列の計算,連立方程式の解が求められるようになり,さらにベクトルの内積と外積,固有値・固有ベクトル,2次形式などの意味が理解でき,その計算もできるようになる. |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
板書しながら理論的な意味と計算方法を説明する。毎回の授業で課題を数名づつ数回,教室の前に出て,黒板に回答する. |
履修条件 | 選択必修 1年次の線形代数を修得していることが望ましい. |
授業計画
第1回 | 連立方程式の行列表記と座標変換 予習:0分 復習:連立方程式から係数行列と変数ベクトルに分解でき,さらに係数行列とベクトルの積が図解でき,座標変換として理解できるようになること(180分) |
---|---|
第2回 | 行列の種類と演算1 予習:(0分) 復習:転置行列,共役転置行列対称行列,エルミート行列,直交行列,ユニタリ行列とそれらの関係が理解できるようになること.ギリシャ文字24文字を発音しながら書けるまでに暗記すること.(180分) |
第3回 | 行列の種類と演算2 予習:行列の種類と演算を1年次の教科書で復習して臨む(30分) 復習:行列の四則演算ができ,行列の積の注意点が挙げられるようになること(180分) |
第4回 | ベクトルの内積 予習:ベクトルの内積を1年次の教科書で復習しておくこと(60分) 復習:内積の意味を図解できるようになること.内積を行列の積として表現し,計算できるようになること.力学の仕事量をベクトルの内積として表現し,計算できるようになること(180分) |
第5回 | ベクトルの外積 予習:ベクトルの外積の意味を1年次の教科書で復習しておくこと(60分) 復習:外積の意味を図解して説明できるようになること.力学のモーメント,回転運動の速度ベクトルを,外積として図解できるようになること.外積行列を用いて外積の計算ができるようになること(210分) |
第6回 | スカラー場と勾配ベクトル 予習:偏微分の計算ができるように1年次の復習をして臨むこと(60分) 復習:ポテンシャル場が説明でき,勾配ベクトルを計算して,図解できるようになること.(180分) |
第7回 | 行列のトレース 予習:1年次の教科書で復習をして臨むこと(60分) 復習:行列のトレースと固有値の関係を理解すること.トレースの有用な性質を使って計算できるようになること(180分) |
第8回 | 連立方程式(階数,1次従属,1次独立) 予習:(0分) 復習:1次従属と1次独立の意味,さらに行列の階数との関係が説明できるようになること.階数が計算できるようになること.(240分) |
第9回 | 行列式1 予習:行列式の定義と計算手法を1年次の教科書で復習しておく(60分) 復習:行列式を任意の行あるいは列で展開できるようになること.(180分) |
第10回 | 行列式2 予習:前回授業で学習した行列式の性質を復習して臨むこと(60分) 復習:行列式の各種の性質を使って,行列式が簡単に計算ができるようになること.(180分) |
第11回 | 逆行列 予習:逆行列について1年次の教科書で復習して臨むこと(60分) 復習:逆行列を余因子行列を使って求められるようになること.ブロック対角化された行列の逆行列も求められるようになること.(210分) |
第12回 | クラーメルの公式 予習:1年次の教科書で復習して臨むこと(30分) 復習:クラーメルの公式が確実に計算できるようになること(180分) |
第13回 | 固有値・固有ベクトル問題1 予習:固有値・固有ベクトル問題を1年次の教科書で復習して臨むこと(60分) 復習:固有値・固有ベクトルの意味が説明でき,固有方程式まで導くことがきること.(180分) |
第14回 | 固有値・固有ベクトル問題2 予習:前回授業の復習をして臨むこと.(60分) 復習:与えられた行列から,固有方程式を導き,固有値・固有ベクトルとその方向が求められるようになること.(240分) |
第15回 | 2次形式と行列の対角化 予習:第13回、14回の授業内容の復習(60分) 復習:2次形式を工学の応用例として説明できこと.与えられた2次形式を固有値・固有ベクトルで対角化し,3次元で図解できるようになること(240分) |
その他
教科書 |
なし
|
---|---|
参考書 |
小西栄一,深見哲造 『線形代数 ベクトル解析』 工科の数学2 倍風館 1967年
この本のシリーズ(工科の数学)を全て読めば,航空宇宙工学に必要な数学はほぼ満たされる.問題集も別冊としてある.
|
成績評価の方法 及び基準 |
定期試験の成績で評価する. |
質問への対応 | 授業直後の教室.あるいは316室にて対応する |
研究室又は 連絡先 |
3号館316室 |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:10 ~ 12:30
|
学生への メッセージ |
学習の目標にも書いたように、行列理論は計算のための学問ではなく、多変数を同時に取り扱う際の理論的な見通しが利くようになることに主眼がある。したがって,ノートを何度も清書して理論の流れを理解することがその後の専門科目の学習に大いに役立つ。1年次の教科書,あるいは参考書は最低3度は読み返しなさい。 |