2019年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 | 航空機構造力学 | ||
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 田上 良継 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H42E |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 航空機の主構造である薄肉構造の構造解析法を理解する。 航空機やロケットに作用する荷重分布を解析できるようになる。 航空機の胴体や主翼等の構造部材の強度評価ができるようになる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義および演習、演習では簡単な例題の解法を説明し、各自で課題を解析する。 |
履修条件 | 材料力学の基礎:梁の曲げ理論や柱の座屈計算 力学の基礎:質点と剛体の運動 空気力学の基礎 |
授業計画
第1回 | 航空機構造の説明、単位系、記号等の解説 航空機の主要な構造の様式と構造部材の力学的な役割について説明する。 【事前学習】力学、材料力学の基礎学科の整理(60分) 【事後学習】テキスト第1章の確認と理解(90分) |
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第2回 | 航空機、ロケットの材料と強度 航空機やロケットの構造に使用されている材料について実例をあげて説明する。 【事前学習】テキスト第2章の確認と航空機材料の確認(60分) 【事後学習】航空機、宇宙機の材料について、理解を深める。(90分) |
第3回 | 航空機、ロケットに作用する荷重 航空機やロケットの大気中飛行時の荷重解析法を説明する。 簡単な演習問題により解析法を理解する。 【事前学習】テキスト第3章のロケット荷重計算の確認(60分) 【事後学習】機体の運動と実機モデルの荷重題解析により理解を深める。(90分) |
第4回 | 航空機の運動と荷重 荷重倍数、制限荷重、終極荷重や安全率等の考え方を説明する。 【事前学習】テキスト第3章の航空機の荷重計算の確認(60分) 【事後学習】航空機胴体および主翼荷重の課題計算により理解を深める。(90分) |
第5回 | 任意断面のはりの曲げ、せん断およびねじり 航空機の胴体や主翼の構造を想定して、各部材の内部荷重の解析法を説明する。 演習により計算法を理解する。 【事前学習】材料力学の梁理論の復習(60分) 【事後学習】課題、テキスト付録C 等の計算を行うことにより理解を深める。(90分) |
第6回 | モノコック構造の構造の応力と構造解析 ロケットタンクのような圧力、軸力、剪断力および曲げモーメントを受けるモノコック構造の強度解析について説明する。演習問題により解析法を理解する。 【事前学習】テキスト第4章の確認(60分) 【事後学習】課題の計算および報告書の作成により理解を深める。(90分) |
第7回 | セミモノコック構造の構造解析と設計(1) 部材荷重の解析 航空機の主翼や胴体の各部材(ストリンガ、スキン等)の応力の計算法を説明する。 【事前学習】テキスト第5章前半(部材荷重の計算)の確認(60分) 【事後学習】航空機胴体のモデルの構造解析を行うことにより、理解を深める。(90分) |
第8回 | セミモノコック構造の構造解析と設計(2) 破壊現象と強度評価 航空機の構造様式であるセミモノコック構造が破壊する場合の強度評価法について説明する。 演習問題により解析法を理解する。 【事前学習】テキスト第5章後半(部材の強度の計算)の確認(60分) 【事後学習】実機構造の計算モデルの強度計算を行うことにより、理解を深める。(90分) |
第9回 | 構造継手、耳金の強度と設計 航空機の主構造の結合部であるリベット継手や耳金の強度評価法について説明する。 演習により、計算法を理解する。 【事前学習】テキスト第6章の確認(60分) 【事後学習】授業の整理、課題の計算およびレポート作成により理解を深める。(90分) |
第10回 | 剪断場理論と張力場の理論 薄肉、軽量構造の構造解析に適用される剪断場理論、張力場の理論について説明する。 例題と演習により計算法を理解する。 【事前学習】テキスト第7章の確認(60分) 【事後学習】授業の整理、課題の計算により理解を深める。(90分) |
第11回 | 薄肉構造の剪断中心と曲げ捩り解析 薄肉構造の特徴を説明し、曲げ捩りや剪断中心等の解析法を説明する。 【事前学習】テキスト付録Eの確認(60分) 【事後学習】授業と同様な問題を計算することにより理解を深める。(90分) |
第12回 | 航空機の疲労強度と設計 航空機の疲労破壊の実例を説明し、構造の疲労強度の評価法を説明する。 簡単な計算例により計算法を習得する。 【事前学習】テキスト第8章の確認(60分) 【事後学習】航空機構造の疲労計算の例題解析を行うことにより、理解を深める。(90分) |
第13回 | 有限要素法の基礎と航空機設計への適用 航空機の構造解析に不可欠なツールとしての有限要素法の基礎と適用方法について説明する。 基礎となる理論、簡単な計算例、実際の構造解析例等を説明する。 【事前学習】有限要素法の基礎(60分) 【事後学習】授業内容、参考文献を読み理解する。(90分) |
第14回 | 平常試験 【事前学習】平常試験のため、今までの授業および演習問題の復習(180分以上、各自任意) 【事後学習】試験結果の総括(60分) |
第15回 | 航空機構造設計への応用 平常試験の要点説明と航空機構造設計製図へのつながりを説明する。 【事前学習】テキストの付録の基礎知識を理解(60分) 【事後学習】付録に実際の航空機の荷重解析、構造解析の例題と解法を示しており、今後航空機の分野に進む学生は是非、理解をして欲しい。(120分以上、各自任意) |
その他
教科書 |
田上良継 『航空機構造力学』 日本大学 2019年 第1版
授業で使うテキストとして整理した資料であり、授業開始時に配布する。
補足資料は授業時に配布またはCSTポータルに登録するので、各自プリントして授業に臨むこと。
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参考書 |
小林 繁夫 『航空機構造力学』 プレデアス出版 2015年 第1版
Dabid J. Peery , Aircraft Structures, Dover Publications, Inc., 2011
E. F. Bruhn, Analysis and Design of Flight Vehicle Structures, Tri-State Offset Company, 1965
入門書としては、D. J. Peery; Aircraft Structures を薦める。
本書の翻訳版が2017年に出版されており、以下に示す。
タイトル 航空機構造 滝敏美訳 プレアデス出版
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成績評価の方法 及び基準 |
課題レポート(10%)、平常試験(90%) |
質問への対応 | 木曜日授業終了後 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎3号館 316号室 E-mail: y-tanoue@aero.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 船橋 11:30 ~ 13:00
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学生への メッセージ |
材料力学I、材料力学IIの単位を修得していることが望ましい. 材料力学I、航空宇宙工学の基礎知識を有していることを前提に授業を進める. 航空機の構造設計に関連する、荷重解析や構造解析についての事項が多く含まれるので、航空工学科で修得した力学系学科の応用として、取り組んで欲しい。 |