2019年 理工学部 シラバス - 電気工学科
設置情報
科目名 | 情報工学 | ||
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設置学科 | 電気工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 山﨑・戸田 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | I42O |
クラス | A・B | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 「情報工学」は情報処理に関する講義である。情報処理の技術は広範囲にわたっているため,本講義では,符号の誤りの検出と符号の誤り訂正ができる符号の作り方とを学習する。符号の誤り訂正技術はシステムの信頼性向上の点から,データベースの基本的構造およびシステムの管理と運用の基礎について演習等を通して理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「0」と「1」の組み合わせで情報を伝送・処理する場合,情報ビットに検査ビットを追加(=符号)することによって符号の誤りを検出・訂正する方法を簡単な原理を説明し,更に誤りの訂正ができる群符号の構成法と巡回符号の構成法を学習し、データベースやネットワークおよびシステムの構築・運用および管理の基礎について理解する。また授業や演習は出席者とコミュニケーションをとりながら進める。 |
履修条件 | 「情報エントロピーの科学」を履修していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 講義の概要説明:情報エントロピーの科学で学んだことの復習(符号化効率)し、本講義で重要となる誤り訂正符号(検査符号・誤り訂正符号)やデータベースやネットワークおよびシステムの構築・運用および管理の基礎概念について説明する。 シラバスの内容を確認の上、授業に臨むこと。 事後学習:配布資料や実験テキストをよく読み、次回の実験講義に備える。(60分) |
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第2回 | Shannonは情報効率を悪化させることなしに曖昧度を零にする符号化法が存在することを証明した(Shannonの第二定理)。Shannonの第二定理に基づいて曖昧度小さくする方法を説明する。必要なのは実用上さしつかえない程度の曖昧度を持つ符号系を組織的・機械的に構成することの必要性を学習する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第3回 | 誤り検出符号において、情報ビットは自由に与えることによって情報を運ぶことができるが,検査ビットは情報ビットの線形結合から決める(線形符号)ので、偶パリティ符号を例にとり,符号の作り方と誤り訂正の原理と誤り訂正符号の作り方を学習により学習する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第4回 | 符号間のHamming距離と、誤りを訂正する符号(Hamming符号)について符号の作り方とシンドロームについて学習し、誤りの訂正法について演習により学習する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第5回 | 符号を多項式に変換によって得られる多項式符号を用いて巡回符号を説明する。また生成多項式について説明し、これが(1+z^n)の因子となる原始多項式となり、生成多項式から作られる符号には周期が存在することを演習により学習する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第6回 | 符号の誤り訂正能力(=符号間の最小距離)は生成多項式の周期pと符号長nによって決まる。n>p,n=p,n<pの場合の符号の誤り訂正能力について演習により学習する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第7回 | m次の既約多項式には周期pがp=2^m-1となる多項式が存在する(原始多項式)。m次の原始多項式を生成多項式とする符号長nがn=2^m-1の符号はHamming符号であることを演習により学習する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第8回 | 受信符号の誤りを検出し、誤りを訂正する場合、受信符号を生成多項式で割った剰余多項式を用いる。剰余多項式は原始多項式の根である原始元を受信符号に代入することによって求められる。2を法とする数体系について原始元を演習により理解する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第9回 | BCH符号(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem code)を作るため原始元のべきの性質を利用する。べきの性質を利用して作る最小多項式の求め方について説明し、演習・プログラム演習により1ビット誤り訂正技術を習得する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第10回 | BCH符号の2ビット誤り訂正符号のアルゴリズムを説明し、演習・プログラム演習により2ビット誤り訂正技術を習得する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第11回 | BCH符号の3ビット誤り訂正符号のアルゴリズムを理解し、演習・プログラム演習により3ビット誤り訂正技術を習得する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第12回 | データベースとネットワーク及びシステムの構築:ネットワークシステムの構築において、主に上流工程で必要となるデータベースのサービス要件定義、機能要件やシステム要件等の定義、また下流工程におけるデータベース開発や試験等について、データベースと実際のシステム構築例を紹介してデータベースとネットワーク及びシステムの構築を習得する。 事前学習:講義内容を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第13回 | システムの運用管理:安全・安定なサービスの提供に必要な操作や監視等の要件として故障や事故を未然に防ぐための運用体制、運用手順、サービス品質の維持や改善等の手段に関して、実際のネットワークシステムの運用を紹介してシステムの運用管理を習得する。 事前学習:講義内容を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第14回 | システムの運用保守:ネットワーク及びシステムの運用管理・保守中において万一発生してしまった故障や事故に対する対応としてデータのバックアップや予備機の稼働方法等について、実際の事故と対応例を紹介してネットワークシステムの運用保守を習得する。 事前学習:講義内容を理解し、次回について予習しておくこと。(60分) 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。(60分) |
第15回 | いままで講義を行った項目についてのまとめを行う。 事後学習:配布資料やテキストを復習し、試験に臨むこと。(180分) |
その他
教科書 |
細野敏夫 『情報工学の基礎』 コロナ社 1970年 第27版
寺田 文行・中村 直人・釈氏 孝浩・松居 辰則 『情報数学の基礎ー暗号・符号・データベース・ネットワーク・CGー』 サイエンス社 2008年 第8版
教科書を補足する資料を配付する。
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参考書 |
今井秀樹 『情報理論』 昭晃堂
宮川,岩垂、今井 『符号理論』 名著復刻シリーズ コンピュータ基礎講座18 電子情報通信学会発行 1973年
辻井,笠原 偏 『暗号と情報セキュリティ』 昭晃堂
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験70% 演習・宿題 30% |
質問への対応 | 随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
研究室:駿河台校舎(タワー・スコラ)15階 メール(山崎 1509号室):yamasaki.tsuneki@nihon-u.ac.jp メール(戸田 1505号室):toda.takashi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 10:00 ~ 12:00
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学生への メッセージ |
教科書を良く読んで,自分で考えて講義ノートをとってほしい。 また、授業中に行う演習や与えられた宿題は,自分自身の力で解けるように復習すること。 |