2019年 理工学部 シラバス - 電子工学科
設置情報
科目名 | 基礎電子物性 | ||
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設置学科 | 電子工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 岩田 展幸 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J23B |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 周期律表の特性、結晶結合、結晶構造、結晶の表し方、格子振動について理解する。周期律表/結晶結合/結晶構造の関係性を理解しながら結晶について説明できるようになる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義は板書とともに、授業内容理解を助けるプリントを配布する。学習の理解を深めるために、定期的に課題を課す。 |
履修条件 | 高校で学習する基礎的な物理・化学に関する知識を有していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 原子と電子・軌道 【事前学習】教科書・参考書および高校化学の教科書を参照し、「原子」「原子核と電子」「電子配置と軌道(主量子数、方位量子数、磁気量子数)」「剛体球モデル」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第1回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で次回授業の開始直前に提出してください。授業開始約20分後ごろに解答例を配布します。それ以降の提出はできません。 |
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第2回 | 周期律表 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「周期律表の見方」「電子軌道」「イオン化エネルギー」「電気陰性度」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第2回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で次回授業の開始直前に提出してください。授業開始約20分後ごろに解答例を配布します。それ以降の提出はできません。 |
第3回 | 結晶結合(1)分子性結晶 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「斥力・引力」「ファンデルワールス力」「分子性結晶」「レナード・ジョーンズポテンシャル」「原子配置の平衡状態」「結合エネルギー」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第3回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で次回授業の開始直前に提出してください。授業開始約20分後ごろに解答例を配布します。それ以降の提出はできません。 |
第4回 | 結晶結合(2)イオン結合 剛体球モデルを用いてイオン半径を導出する。イオン化エネルギー、電子親和力から凝集エネルギーを計算する。マーデルングエネルギーを導出する。以上の計算でイオン結合について理解を深める。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「イオン半径」「イオン化エネルギー」「電子親和力」「凝集エネルギー」「マーデルングエネルギー」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第4回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で次回授業の開始直前に提出してください。授業開始約20分後ごろに解答例を配布します。それ以降の提出はできません。 |
第5回 | 結晶結合(3)水素結合、金属結合、 微量に帯電した水素イオンと酸素イオン化に働くクーロン力、および共有結合が水素結合に関係していること、金属結晶全体への電子の広がり・不確定性原理が金属結合の起源であることについて説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「水素結合」「金属結合」「不確定性原理」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第6回 | 結晶結合(4)共有結合 隣合う原子が電子を共有することで結合する共有結合について説明する。半導体、化合物半導体、電子分布、混成軌道、σ結合、π結合について説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「共有結合」「混成軌道」「σ結合」「π結合」「化合物半導体」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第5回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で次回授業の開始直前に提出してください。授業開始約20分後ごろに解答例を配布します。それ以降の提出はできません。 |
第7回 | 結晶構造(1) 結晶の基本的な表記方法、時間的・実空間的周期性、格子定数、基本単位格子、格子並進操作、ブラベー格子について説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「格子定数」「単位格子」「格子並進操作」「ブラベー格子」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第8回 | 結晶構造(2) 結晶の結晶面、結晶軸の表記方法、ミラー指数、面間隔の簡単な説明および重要な結晶構造について具体的に説明を行う。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「ミラー指数」「単純立方格子」「体心立方格子」「面心立方格子」「六方最密構造」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第6回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で次回授業の開始直前に提出してください。授業開始約20分後ごろに解答例を配布します。それ以降の提出はできません。 |
第9回 | 結晶構造(3) 最密構造と充填率の計算を行う。また、基本単位格子となるような基本並進ベクトルについて説明を行う。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「最密構造」「充填率」「基本単位格子」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第7回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で次回授業の開始直前に提出してください。授業開始約20分後ごろに解答例を配布します。それ以降の提出はできません。 |
第10回 | 結晶構造(4) 格子方向、面指数と面間隔に関する具体的な例を取り上げて説明する。また、X線回折について説明する。 【事前学習】参考書を参照し、「格子方向」に関する理解を深めておくこと。また、「X線回折」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第11回 | 結晶構造(5)X線回折の基本 ブラッグ条件を用いた格子間隔の計算を行う。各結晶構造に関して、最小の面間隔を計算し、ブラッグ条件を満たす回折角2θを計算する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「ブラッグ条件」に関する理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第8回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で次回授業の開始直前に提出してください。授業開始約20分後ごろに解答例を配布します。それ以降の提出はできません。 |
第12回 | 格子振動(1)波の基本 振幅、周波数、周期、波長、角周波数、波数、波の進行方向、複素数表現 【事前学習】「波」「振動」「波動」に関する教科書もしくは、高校物理の波動に関する箇所を参考にし、波の基本的性質について理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第13回 | 格子振動(2)1次元調和振動子 原子がバネで1次元状につながれているモデルを考える。微分方程式を解き、波数kと角周波数ωとの分散関係を明らかにする。 【事前学習】「波」「振動」「波動」に関する教科書もしくは、高校物理の波動に関する箇所、また、教科書・参考書を参照し、「波数」について調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第14回 | 格子振動(3)第一ブリルアンゾーン 原子の振動を表現するには、第一ブリルアンゾーンが重要であることを説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「第一ブリルアンゾーン」の概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第15回 | 格子振動(4)格子波とフォノン 粒子性と波動性について説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「格子波」「フォノン」の概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第9回自宅中間テスト」を実施します。同時に解答例も配布します。定期試験対策で勉強すること。 |
その他
教科書 |
川辺和夫、平木昭夫、岩見基弘 『基礎電子物性工学』 コロナ社
坂田亮 『物性科学』 培風館
永田一清 『物性物理学』 裳華房
沼居貴陽 『固体物性入門』 森北出版
小島誠治・澤田昭勝・中村輝太郎 訳 『固体の諸性質』 東海大学出版会
長尾辰哉 他 訳 『固体の電子論』 東海大学出版会
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参考書 |
宇野良清 他 共訳 『キッテル 固体物理学入門』 丸善
作道恒太郎 『固体物理 格子振動・誘電体』 裳華房
黒沢達美 『物性論 -固体を中心とした-』 裳華房
固体の性質を議論するとき、高校とは異なった感覚での理解が必要である。その理解に慣れるために、多くの教科書を読み比べることが、理解の近道である。よって、簡単に説明してある参考書を紹介する。図書館等で是非、読み比べて欲しい。
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験 80% 自宅中間テスト 20% |
質問への対応 | 講義や演習中に随時受け付けるが、研究室に来てくれてもかまわない。当研究室の大学院生は固体物理を勉強しており、いつでも教えられる。 |
研究室又は 連絡先 |
4号館412室 |
オフィスアワー |
水曜 船橋 10:30 ~ 12:10 4号館412室
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学生への メッセージ |
物の性質を理解するためのわかりづらい式が多く出てくるが、その式の意味することをイメージとして頭に残して欲しい。 |