2019年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 |
セラミックス化学
セメントでセラミックスを学ぶ
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 小嶋 芳行 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L11O |
クラス | 共通 | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | セラミックス工業の中で重要な地位を占める省資源・省エネルギー型セメントを題材として、セラミックス化学の根本にある組成-構造-性質の相互関係を明らかにするキャラクタリゼーションについて学び、そのやりかたを各種セラミックスに適用して、セラミックス化学の全体像を把握する。これにより,セラミックスに関する原料,構造,製造法などを理解することができるようになる. |
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授業形態及び 授業方法 |
指定の教科書の内容を中心に講述し、応用展開をはかる。また、必要に応じて配布物も配る。さらに,実際にセメント工場に行って見学することもある。 |
履修条件 | 無機固体化学を受講していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 授業:授業のガイダンス.セメントの役割について説明する.さらに,セラミックス工業について説明する. キーワード:セメント,セラミックス,工場 予習:セメントとセラミックスの共通点および異なる点を自ら調べる.(2時間) 復習:セメントとはどのようなものななのか説明できるか確認.セラミックスはどのようなところがすぐれているのか確認.(2時間) |
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第2回 | 授業:セラミックスの用途すごとにどのようなセラミックス原料が使用されているのかを説明する. キーワード:ジルコニア,アルミナ,窒化ケイ素,炭化ケイ素 予習:セラミックスの種類を自分で調べてみる.(2時間) 復習:セラミックスがどのような用途で用いられているのかを確認.(2時間) |
第3回 | 授業:セメント製造の初期について説明する.また,ポルトランドセメントの製造工程を説明する. キーワード:ポルトランドセメント,石灰石,廃棄物,NSP,ロータリーキルン 予習:教科書p.1~11をよく読むこと.また,セメントがどのように製造されているのか自分なりに調べておくこと.(2時間) 復習:実際どのようにしてセメント産業が変遷していったのかを説明できるか確認.(2時間) |
第4回 | 授業:セメントの製造工程の続きおよびセメントの固体化学的基礎について説明する. キーワード:クーラー,クリンカー,固溶体,結晶系 予習:教科書p.11~27をよく読むこと.(2時間) 復習:固溶体と酸素酸塩などの違いについて説明できるか確認.(2時間) |
第5回 | 授業:セメント化合物の構造および粘土の熱分解さらにJanderの式について説明する. キーワード:C3S,C2S,C3A,C4AF,カオリナイト 予習:教科書のセメントの固体化学的基礎の後半部分をよく読むこと.(2時間) 復習:セメント化合物がどのような構造になっているのか確認.(2時間) |
第6回 | 授業:セメント工場見学(全員行くことができないので,行かない学生は図書館で調べもの) 予習:セメント工場の規模,生産性などをあらかじめ調べておくこと.(2時間) 復習:セメント工場を見学し,想像していたことと異なる点をレポート提出.(2時間) |
第7回 | 授業:レポートの振り返り.セメント化合物C3SおよびC2Sの合成について説明する. キーワード:C3S,C2S,焼成,固相反応 予習:教科書のセメントクリンカーの組成と構造の前半部分をよく読むこと.(2時間) 復習:C3SおよびC2Sがどのように生成するのかを確認.(2時間) |
第8回 | 授業:セメント化合物C3AおよびC4AFの合成法およびセメント化合物の性質について説明する. キーワード:C3A,C4AF,Bogueの式 予習:教科書のセメントクリンカーの組成と構造の後半部分をよく読むこと.(2時間) 復習:C3AおよびC4AFがどのように生成するのか,およびセメント化合物の性質について理解しているのか確認.(2時間) |
第9回 | 授業:ポルトランドセメントの水和反応の熱力学およびC3S,C2Sの水和について説明する. キーワード:トポ化学反応,水和 予習:教科書うのポルトランドセメントの水和の章の水和反応の熱力学,C3Sの水和,C2Sの水和を読むこと.(2時間) 復習:C3SおよびC2Sがどのように水和するのか説明できるかを確認.(2時間) |
第10回 | 授業:その他のセメント化合物の水和およびケイ酸カルシウム水和物について説明する.さらに,水和に及ぼす諸条件についても説明する. キーワード:エトリンガイト,ケイ酸カルシウム水和物,トバモライト,ゾノトライト 予習:教科書のポルトランドセメントの水和の章の後半部分をよく読むこと.(2時間) 復習:セメントにセッコウを添加する理由をせつめいできるか確認.どのようにしてケイ酸カルシウム水和物が生成するのかを確認.(2時間) |
第11回 | 授業:ポルトランドセメントの凝結と硬化の機構について説明する. キーワード:凝結,硬化,強さ試験,ゲル空孔 予習:教科書のポルトランドセメントの凝結と硬化の章の凝結時間の調制までをよく読んでおくこと.(2時間) 復習:凝結と硬化の違いを説明できるか確認.硬化する理由を説明できるか確認.(2時間) |
第12回 | 授業:ポルトランドセメントの強さ発現にかかわる因子について説明する. キーワード:養生温度,粒径,W/C比 予習:許可書のポルトランドセメントの凝結と硬化の章の後半部分をよく読んでおくこと.(2時間) 復習:どのような条件がセメントの強さ発現に関与するのかを確認.(2時間) |
第13回 | 授業:セメントの種類について説明する. キーワード:普通ポルトランドセメント,早強セメント,超早強セメント,中よう熱セメント,高炉セメント 予習:教科書のセメントの種類と性質の章をよく読むこと.(2時間) 復習:様々な種類のセメントはどのような組成となっているのかを確認.(2時間) |
第14回 | 授業:コンクリートについて説明をする. キーワード:セメントモルタル,コンクリート,強さ,劣化 予習:教科書のコンクリートの章をよく読むこと.(2時間) 復習:コンクリートとセメントの違いの確認.コンクリートとすることのメリットの確認.(2時間) |
第15回 | 平常試験およびその解説 予習:これまでの授業内容を確認.(2時間) 復習:わからなかったことを教科書,ノートで確認.(2時間) |
その他
教科書 |
荒井康夫 『セメントの材料化学』 大日本図書 2016年 第3版
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参考書 |
なし
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成績評価の方法 及び基準 |
出席を前提に、レポート10%、理解度確認試験90% |
質問への対応 | 授業終了後,教室で対応 |
研究室又は 連絡先 |
無機材料化学研究室 kojima.yoshiyuki@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 09:00 ~ 12:00
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学生への メッセージ |
「セメントを学ぶ」のではなく、「セメントで学ぶ」ということを意識してほしい. |