2019年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 高分子物理化学 | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 清水 繁 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜1 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L31P L32P |
クラス | A 、 B | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 高分子物質が材料として用いられるときの高分子鎖は,集合体として種々の性質や機能を発揮するが,集合体の性質の原点はその中の高分子鎖1本の性質にある.その1本は多様な形を持つので,その大きさを平均値で表現し,また,溶液中で孤立した高分子鎖がどのような性質を示すかを理解する.更に,その1本の統計的性質の応用であるゴム弾性論も学習する.高分子の分子としての性質について説明ができるようになる. |
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授業形態及び 授業方法 |
プロジェクターを用い講義を行う.不定期に演習を行い,実力養成に努める.各回の講義資料は,CSTポータルに事前にアップロードするので予習すること |
履修条件 | 高分子科学,高分子合成化学を受講済みが望ましい |
授業計画
第1回 | 高分子物性についての概要 【事前学習】高分子科学,高分子合成化学で学んだ事項について復習しておくこと(120分) 【事後学習】講義で取り上げた事項について復習する(120分) |
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第2回 | 高分子の分子特性と溶液の性質I 高分子鎖の形態:高分子鎖の大きさ1:両末端間距離R 結合角と内部回転角,ガウス鎖,自由屈曲鎖,酔歩鎖,自由連結鎖,理想鎖,自由回転鎖,束縛回転鎖 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】両末端間距離R,結合角と内部回転角,ガウス鎖,自由屈曲鎖,酔歩鎖,自由連結鎖,理想鎖,自由回転鎖,束縛回転鎖の項目についての復習(120分) |
第3回 | 高分子の分子特性と溶液の性質II 両末端間距離の分布 一次元および三次元ランダム鎖の鎖末端分布関数 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】両末端間距離の分布についての復習(120分) |
第4回 | 高分子の分子特性と溶液の性質III 高分子鎖の大きさ2:回転半径Rg 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】回転半径についての復習する(120分) |
第5回 | 高分子の分子特性と溶液の性質IV 実在の高分子鎖:短距離相互作用因子,セグメントとは何か,持続長(persistence length)と全長(contour length),両末端間距離と短距離相互作用因子Aとの関係,良溶媒中の高分子鎖と長距離相互作用因子B(排除体積効果) 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】実在の高分子鎖についての復習(120分) |
第6回 | 高分子の分子特性と溶液の性質V 拡がり因子αの定義,segmentペア当たりの排除体積,剛体球の排除体積,摂動鎖と非摂動鎖,Floryの5乗則,長距離相互作用因子Bの温度依存性,セグメント量の実測量への変換,不完全気体のボイル温度と高分子希薄溶液のΘ温度 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】実在の高分子鎖,とくにセグメントの概念の復習(120分) |
第7回 | 高分子溶液の性質I 希薄溶液の統計熱力学,Flory-Hugginsの相互作用パラメータ,相平衡 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】熱力学に基づいた溶液物性の復習(120分) |
第8回 | 高分子溶液の性質II 高分子希薄溶液の粘性率:粘性率の濃度依存性,粘度比,粘度数,対数粘度数,極限粘度数,Huggins式,極限粘度数の分子論,Einsteinの粘度式,普遍定数,Mark-Houwink-桜田の式,オストワルドおよびウベローデ粘度計 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】希薄溶液の粘性の復習(120分) |
第9回 | 高分子溶液の性質III 高分子希薄溶液の浸透圧:膜浸透圧法,蒸気圧浸透圧法(数平均分子量Mn),Van’t Hoff式,蒸気圧降下,浸透圧のビリアル展開式,第2ビリアル係数A2と排除体積との関係,末端基定量法(数平均分子量Mn) 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】浸透圧法による分子量測定の原理の復習(120分) |
第10回 | 高分子溶液の性質IV 高分子溶液の光散乱とX線小角散乱1 高分子希薄溶液の散乱強度式,散乱角と散乱波数ベクトルqとの関係,Bragg角とqとの関係,球対称粒子の粒子散乱因子,光散乱,X線小角散乱,中性子小角散乱の散乱能 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】散乱法の原理の復習(120分) |
第11回 | 高分子溶液の性質V 高分子溶液の光散乱とX線小角散乱2 Guinier近似とGuinierプロット,重量平均分子量Mw及び回転半径Rgの求め方 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】散乱法によるMw,Rgの求め方の復習(120分) |
第12回 | 高分子溶液の性質VI 高分子希薄溶液と高分子半希薄溶液:Cross-over濃度 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】高分子溶液の濃度領域についての復習(120分) |
第13回 | ゴム弾性I:ゴム弾性の熱力学 理想ゴム弾性の分子論:ガラス転移温度,エントロピー弾性とエネルギー弾性,1本のゴム分子のエントロピー,塊状ゴムのエントロピー,網目鎖密度 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】ゴム弾性の復習(120分) |
第14回 | ゴム弾性II 実在鎖のゴム弾性:有効網目鎖密度 充填剤の影響 【事前学習】事前配布の講義資料について,講義内容の予習を行う(120分) 【事後学習】実在鎖のゴム弾性の復習(120分) |
第15回 | 演習 |
その他
教科書 |
妹尾,栗田,矢野,澤口 『基礎高分子科学』 共立出版 2000年 第初版
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参考書 |
物質応用化学編集委員会 『物質応用化学 基礎と演習』 培風館 2000年 第初版
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験および演習 |
質問への対応 | 研究室在室中は,いつでも可 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎2号館2階225号室 電話:03-3259-0803 E-mail:shimizu.shigeru@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 13:20 ~ 14:50
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学生への メッセージ |