2019年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 基礎物理化学 | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 松田・角田 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3 金曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | L53A L54B |
クラス | A 、 B | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 物理学を基礎にして化学現象を解明する基礎理論を学習(物理化学分野)すると共に、これをプロセスに応用するための基礎的手法(化学工学分野)を修得する。 具体的な学習目標は次のとおりである。 物理化学分野 1.気体は乱雑な動きをする粒子の集まりであることを理解し、その粒子の平均の速さを求めることができる。 2.熱力学の第一法則を理解し、反応熱を求めることができる。 3.化学反応速度は反応物の濃度変化によって表されることを理解し、反応速度定数を求めることができる。 4.吸着の理論には被覆率が重要であることを理解し、吸着等温式を使うことができる。 化学工学分野 1.状態図の読み方、クラペイロン式,蒸気圧式および気体のP-v-T関係を計算するための状態式の使い方を理解する。 2.物質収支を理解し、基礎的な化学プロセスにおける収支計算を行うことができる。 3.エネルギー収支の考え方を習得し、物理的操作をめぐる収支計算を行うことができる。 4.化学反応操作をめぐるエネルギー収支を取り扱う上で必要となる反応熱の求め方を理解し、基礎的な化学プロセスにおけるエネルギー収支を計算できる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
高校で学んだ化学から専門的な物理化学や化学工学に至る、橋渡し的内容の授業を行う。 板書を基本として講義を行う。また、講義と演習を平行して進める。 授業スケジュールは授業計画の順番通りでない場合がある。授業担当者の指示に従うこと。 |
履修条件 | 特になし |
授業計画
第1回 | 化学工学分野の講義内容について概説する。 物質の状態と物性(P-v-T関係、P-V線図、P-T線図)を説明する。 【事前学習】シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと。化学工学教科書1ページから4ページ,10ページから11ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事後学習】化学工学の役割を確認しておくこと。物質の状態図(P-v-T関係、P-V線図、P-T線図)の見方を教科書やノートを用いて理解できるようにしておくこと。(120分) |
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第2回 | クラペイロン式、蒸気圧、蒸気圧式(クラジウス・クラペイロン式,アントワン式)、理想気体の状態式、実在気体の状態式(van der Waals式)を説明する。 【事前学習】化学工学教科書11ページから13ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事後学習】講義中に演習を行ったクラジウス・クラペイロン式に関する問題をもう一度解くこと。また,クラジウス・クラペイロン式に関する問題練習(レポート)を行うこと。(120分) |
第3回 | 前回のクラジウス・クラペイロン式に関する問題練習(レポート)の解説を行う。 理想気体の状態式、実在気体の状態式(van der Waals式)に関する問題演習を行う。また、化学プロセスの設計、開発、運転、保守、管理の基本となる物理的操作をめぐる物質収支を説明する。 【事前学習】化学工学教科書12ページから14ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った状態式(van der Waals式)に関する問題をもう一度解くこと。また,状態式(van der Waals式)に関する問題練習(レポート)を行うこと。(120分) |
第4回 | 前回の状態式(van der Waals式)に関する問題練習(レポート)の解説を行う。 物理的操作をめぐる物質収支に関する問題演習を行う。また、化学反応操作をめぐる物質収支を説明する。 【事前学習】化学工学教科書14ページから17ページ、19ページから20ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った物理的操作をめぐる物質収支に関する問題をもう一度解くこと。また,物理的操作をめぐる物質収支に関する問題練習(レポート)を行うこと。(120分) |
第5回 | 物理化学分野の講義内容について概説する。 【事前学習】物理化学分野の教科書を一読しておくこと。(60分) 【事後学習】講義範囲の箇所を重点的に教科書を読み直すこと。(60分) |
第6回 | 物理的操作をめぐる物質収支に関する問題練習(レポート)の解説を行う。 化学反応操作をめぐる物質収支に関する問題演習を行う。 【事前学習】化学工学教科書20ページから22ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った化学反応操作をめぐる物質収支に関する問題をもう一度解くこと。(120分) |
第7回 | 化学プロセスの設計、開発、運転、保守、管理の基本となる物理的操作をめぐるエネルギー収支(相変化がない場合のみ)を説明する。また、化学反応操作をめぐるエネルギー収支として、標準生成エンタルピーを用いた標準反応熱の計算を説明する。 【事前学習】化学工学教科書24ページから25ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事前学習】講義中に演習を行った標準反応熱の計算に関する問題をもう一度解くこと。(120分) |
第8回 | 気体の性質 気体分子の平均の速さについて説明する。 【事前学習】物理化学教科書135ページから139ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事前学習】講義最後に行う気体分子の平均の速さに関する問題をもう一度解くこと。(120分) |
第9回 | 熱力学の第一法則 熱量と仕事の関係について説明する。 【事前学習】物理化学教科書148ページから155ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事前学習】講義最後に行う熱力学の第一法則に関する問題をもう一度解くこと。(120分) |
第10回 | 熱化学方程式 ヘスの法則について説明する。 【事前学習】物理化学教科書162ページから168ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事前学習】講義最後に行う気体分子の平均の速さに関する問題をもう一度解くこと。(120分) |
第11回 | 化学反応速度Ⅰ 化学反応速度の定義と一次反応について説明する。 【事前学習】物理化学教科書225ページから228ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事前学習】講義最後に行う一次反応に関する問題をもう一度解くこと。(120分) |
第12回 | 化学反応速度Ⅱ 複合反応と反応速度の温度依存性について説明する。 【事前学習】物理化学教科書230ページから237ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事前学習】講義最後に行う反応速度の温度依存性に関する問題をもう一度解くこと。(120分) |
第13回 | 物理吸着と化学吸着 ラングミュアの吸着等温式について説明する。 【事前学習】図書館等で吸着について下調べを行い、理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと。(120分) 【事前学習】講義最後に行う吸着に関する問題をもう一度解くこと。(120分) |
第14回 | 化学工学分野および物理化学分野の総合演習を行う。 【事前学習】化学工学分野および物理化学分野で解いた問題を自分でもう一度解くこと。(180分) 【事後学習】総合演習の問題を繰り返し解いて平常試験に備えること。(120分) |
第15回 | 平常試験とその解説 【事前学習】化学工学分野および物理化学分野で解いた問題(総合演習問題も含む)を自分でもう一度解くこと。(180分) 【事後学習】平常試験の解説を受け、間違えていた箇所を重点的に復習すること。(120分) |
その他
教科書 |
『物理化学入門』 真下清、他 東京教学社 2007年 第1版
日秋俊彦 編著,児玉大輔・栗原清文・松田弘幸・佐藤敏幸・松本真和 著 『標準化学工学Ⅰ 収支・流体・伝熱・平衡分離』 朝倉書店 2018年
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
レポート・演習・小テスト(30%)、定期試験(70%)によって総合評価する。 |
質問への対応 | 授業中外を問わず、随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
物理化学分野(角田) 物質応用化学科化学工学研究室(駿河台校舎2号館3階231A室) 化学工学分野(松田) 物質応用化学科化学工学研究室(駿河台校舎2号館1階215室) 連絡先は授業時に指示する。 |
オフィスアワー |
金曜 船橋 16:30 ~ 17:00 10号館3階1032教室
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学生への メッセージ |
高校で物理を履修しなかった学生や数学が苦手だった学生に、特に学んで欲しい。 |