2019年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 高分子合成化学 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 星 徹 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3 金曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L53O L54N |
クラス | A 、 B | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | プラスチック、ゴム、繊維などの高分子素材は、先端技術から日常生活まで我々の生活において不可欠の材料であるこれらの高分子素材の合成法やその特徴を理解し説明できる。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
配布資料とプレゼンテーションを使用した講義形式で行います。 補足説明を板書で行うこともあります。 講義中に演習を行い、講義の最後に解説を行うことで、講義内容や計算方法などの理解を深めます。 |
履修条件 | 選択必修 2年生前期科目である『高分子科学』の内容を理解していることを前提に授業を進めます。 |
授業計画
第1回 | 高分子合成化学の講義概要の説明 ・連鎖重合と逐次重合 ・重合によって得られる高分子材料 ・分子量と物性の関係 【事前学習】『高分子科学』の講義内容を復習する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
---|---|
第2回 | 高分子量体を得るには? ・主反応と副反応 ・ルシャトリエの原理 ・自由エネルギー変化 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第3回 | 逐次重合の統計論的解析-1 ・逐次重合の特徴(分子量、分子数、分子量分布) ・〇-●型モノマーの逐次重合における数平均重合度 ・等モルの場合の2種類のモノマーを用いる逐次重合(〇-〇+●-●)の数平均重合度 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第4回 | 逐次重合の統計論的解析-2 ・等モルでない場合の2種類のモノマーを用いる逐次重合の数平均重合度 ・モノマー組成比と数平均重合度 ・数平均重合度の時間依存性 ・重縮合における脱離成分が重合に与える影響(ルシャトリエの原理) 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第5回 | 逐次重合の統計論的解析-3 ・脱離成分が存在する場合の数平均重合度の時間依存性 ・数平均重合度と平衡定数の関係 ・反応度pと分子量分布の関係 ・積分重量分率 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第6回 | 逐次重合の統計論的解析-4 ・反応度pと数および重量平均重合度、分散度の関係 ・逐次重合の方法 ・重縮合の種類(溶液重合、界面重合、溶融重合) ・等モルを確保する工夫 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第7回 | 連鎖重合の速度論的解析-1 ・連鎖重合の特徴 ・4つの素反応 ・4つの素反応の反応速度と数平均重合度の関係 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第8回 | 連鎖重合の速度論的解析-2 ・連鎖重合の分類 ・迅速開始系と緩慢開始系の特徴 ・ラジカル開始剤の10時間半減期温度 ・ラジカル重合の実験的に正しいとされている4つの仮定と全重合速度 ・ラジカル重合の1/2乗則 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第9回 | 連鎖重合の速度論的解析-3 ・ラジカル重合の全重合速度とモノマー濃度の関係 ・ゲル効果 ラジカル重合の各素反応について-1 ・開始反応 ・成長反応 ・停止反応 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第10回 | ラジカル重合の各素反応について-2 ・連鎖移動反応 ・モノマーの構造と連鎖移動定数の関係 ・連鎖移動反応の有効利用例 ・重合禁止剤と抑制剤 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第11回 | 連鎖重合で高分子量体を得るには? ・天井温度 ・自由エネルギー変化 ・モノマーの構造と重合反応性 ・開環重合における天井温度 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第12回 | 多機能な高分子を得るためには?-1 ・共重合 ・共重合における成長反応 ・共重合組成式とモノマー反応性比 ・ラジカル共重合におけるモノマー反応性比 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第13回 | 多機能な高分子を得るためには?-2 ・モノマーの構造とモノマー反応性比 ・Alfrey と Price の Q – e スキーム ・Q – e スキームとイオン重合 連鎖重合の方法(塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合) 【事前学習】事前資料と教科書を読み,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】講義と演習の内容を整理する.(120分) |
第14回 | 全講義内容に関する演習とその解説 【事前学習】配布した演習問題を解答し,不明な点を質問できるように整理する.(120分) 【事後学習】演習と解説の内容を整理する.(120分) |
第15回 | 平常試験とその解説 【事前学習】第14回の演習問題を再度解答し,説明できるようにする.(120分) 【事後学習】平常試験と解説の内容を整理する.(120分) |
その他
教科書 |
妹尾学、栗田公夫、矢野彰一郎、澤口孝志 『基礎 高分子科学』 共立出版
|
---|---|
参考書 |
大津隆行 『改定 高分子合成の化学』 化学同人
慶伊富長 『反応速度論』 東京化学同人
他にも多数の著書がありますので、探して読んでみてください。
|
成績評価の方法 及び基準 |
平常試験により評価します。 |
質問への対応 | 随時、受け付けます。 メールでも可能ですが、返信するまでに時間がかかる場合もあります。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎2号館4階242B室 有機材料化学第2研究室 E-mail: hoshi.toru@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 17:00 ~ 19:00
|
学生への メッセージ |
講義で紹介する理論を基にビニール袋やペットボトル、IKAROS(ソーラーセイル実証機)のポリイミド膜、人工血管に使われているナイロンなど、様々な高分子素材が合成されています。本講義の十分な理解が新しい高分子素材の開発と発展につながります。一緒に学んでいきましょう。 |