2019年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 専門化学実験Ⅴ | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 伊掛・清水 他 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3・4・5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L53P |
クラス | A・B | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 理工系大学生に求められる化学実験の基本操作から基礎,応用に至る化学,生化学実験を講義科目と関連づけて体系的に学び,理解を深めることができる.実験Vではa及びb分野から構成される.a: 三大材料の一角を担う高分子材料についての知識と理解を深めることができる.b: 生命の遺伝情報を担うゲノムDNAの抽出とプラスミドDNAの解析方法について体得することができる.実験を通じて,それぞれで観察される事象に対してデータの解析法を学び,その結果を熟考するとともに,提出後の実験レポートに対して評価コメントを添えるので自身の考えを文章にまとめる視点と表現技法についても身につけることができる. |
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授業形態及び 授業方法 |
A・Bクラス統合で実施する.統合後にランダムに2グループを作成し,グループ1と2に別れて実験を行う. グループ1は2から7回目を実験Va (高分子材料実験),8から15回目を実験Vb (生化学実験)とし,グループ2は2から7回目を実験Vb (生化学実験),8から15回目を実験Va (高分子材料実験)として,それぞれの課題に沿って実験を行う. |
履修条件 | 必修科目なので全員が履修すること. 実験Vに関連する講義科目として,次の科目を履修している.もしくは履修されることが望ましい. Va: 高分子物理化学,高分子材料物性,Vb: 生命科学 III,生命有機化学 I,分子生物学 |
授業計画
第1回 | 実験を行うにあたっての全般的な注意,並びに,実験時の安全についての講義 テキストp1 - p7 【事前学習】シラバスとテキストの内容を確認の上,実験活動に伴う潜在的危険性について考える.(120分) 【事後学習】実験活動に伴う潜在的危険性について自身の考えをまとめ理解を深める.(120分) |
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第2回 | 【実験Va(高分子材料)】実験講義.Vaにおける潜在的危険予測と安全教育. 【事前学習】シラバスの内容を確認の上,専門用語等を抜き出し整理しつつ調べておく.(120分) 【事後学習】実験内容と原理等について整理し理解する.実験操作に潜む危険性についても理解しておく.(120分) |
第3回 | 【実験Va(高分子材料)】高分子希薄溶液の粘性 テキストp128 - p133 (高分子鎖の拡がり因子,粘度平均分子量の算出方法について学習する) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第4回 | 【実験Va(高分子材料)】静的粘弾性―クリープの実験― テキストp137 - p140 (高分子材料のクリープ挙動を遅延時間の観点から整理し,学習する) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第5回 | 【実験Va(高分子材料)】ゴム弾性 テキストp141 - p143 (ゴムの応力緩和やクリープ挙動を調べ,エントロピー弾性について理解を深める) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第6回 | 【実験Va(高分子材料)】結晶性高分子材料の結晶化度―密度法による結晶化度の測定― テキストp144 - p148 (高分子結晶の形成機構について,アブラミ指数や結晶化速度から考察し理解を深める) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第7回 | 【実験Va(高分子材料)】実験データの取扱い方とその解釈方法 テキストp8 - p11 (実験データの解析法,計算方法や有効数字,単位操作などについて学修する) 【事前学習】これまでの実験データを整理し,計算結果(有効数字,単位操作を含む),表やグラフを整える.(120分) 【事後学習】実験データの解析法で指摘された箇所を再度解析を行う.解析結果の見方や不明な点を自身で調べ,不明な点を明らかにし実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第8回 | 【実験Va(高分子材料)】実験データを解析し理解する.高分子材料実験に係わる質疑応答. 【事前学習】これまでの実験データを解析し,解析データの内容を理解しておく.(120分) 【事後学習】実験担当教員から質問され答えられなかった箇所を補足しておき,レポートをまとめる.(120分) |
第9回 | 【実験Vb(生化学)】実験講義.Vbにおける潜在的危険予測と安全教育. 【事前学習】シラバスの内容を確認の上,専門用語等を抜き出し整理しつつ調べておく.(120分) 【事後学習】実験内容と原理等について整理し理解する.実験操作に潜む危険性についても理解しておく.(120分) |
第10回 | 【実験Vb(生化学)】動物組織からゲノムDNAの抽出と定量 テキストp186 - p188 (トリ肝臓からゲノムDNAを抽出し,得られたDNAに含まれる成分を用いて定量する) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第11回 | 【実験Vb(生化学)】PCR法によるDNAの増幅 I テキストp197 - p199,p200 - p201 (動物細胞よりRNAを抽出,1stストランドcDNAを作成後,特異的なプライマーにより遺伝子の増幅を行う) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第12回 | 【実験Vb(生化学)】PCR法によるDNAの増幅 II テキストp204 - p205 (アガロース電気泳動により増幅されたDNAの確認を行う) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第13回 | 【実験Vb(生化学)】遺伝子のクローニング I テキストp189 - p193 (増幅されたDNAとコンピテント細胞による形質転換を行う) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第14回 | 【実験Vb(生化学)】遺伝子のクローニング II テキストp194 - p196,p202 - p203 (形質転換後の大腸菌からプラスミドDNAを抽出,精製,制限酵素処理,アガロース電気泳動により確認する) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
第15回 | 【実験Vb(生化学)】遺伝子のクローニング III テキストp197 - p199,p210 - p217 (上のIIのcDNA配列を決定するためシークエンス反応とシークエンサーによる解析を行なう.更にデータベースにより,得られた配列の解析を行う) 【事前学習】テキストの単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく.(120分) 【事後学習】実験データをまとめ,解析内容を理解する.理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく.(120分) |
その他
教科書 |
岩村秀・角五正弘 監修,大月穣,青山忠,浮谷基彦,遠山岳史,松田弘幸 編 『理工系のための化学実験 基礎化学からバイオ・機能材料まで』 共立出版 2016年 第1版
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参考書 |
化学同人編集部 『実験を安全に行うために』 化学同人 2017年年 第8版
化学同人編集部 『続 実験を安全に行うために』 -基本操作・基本測定 編- 化学同人 2017年 第4版
化学同人編集部,日本生物工学会 『バイオ実験を安全に行うために』 化学同人 2018年 第1版
上記の参考書は,実験活動に伴う潜在的危険性を予測する際の参考図書として活用してほしい.
その他については理工学部図書館(お茶の水校舎4階)にも良書が多いので積極的に活用すること.
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成績評価の方法 及び基準 |
(i)実験への準備状況および実験に取り組む姿勢,積極性などを総合的に判断して評価する(50%).(ii)提出された実験レポートに対して評価する(50%).(i)と(ii)の合算をもって成績評価とする(100%).実験分野ごとに課せられるレポートが1つでも未提出であった場合は,本科目の成績評価を行わないので,十分に注意すること. |
質問への対応 | 実験中に質問に対応する.質問事項は予めまとめてから質問に来ること.実験中やデータ解析の際に質問に対応する.質問事項はあらかじめまとめてから質問に来ること. |
研究室又は 連絡先 |
Va: 伊掛(高分子工学研究室2号館214室),清水(高分子工学研究室2号館225室) Vb: 仁科(生物資源化学研究室2号館208B室),櫛(物質生命化学研究室2号館231B室) E-mail: ikake.hiroki@nihon-u.ac.jp,shimizu.shigeru@nihon-u.ac.jp nishina.atsuyoshi@nihon-u.ac.jp,kushi.yasunori@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 13:20 ~ 18:10 実験を行った実験室(実験期間中のみ設置)
金曜 駿河台 13:20 ~ 18:10 実験を行った実験室(実験期間中のみ設置)
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学生への メッセージ |
白衣,保護メガネ,方眼紙,直線及び自在曲線定規,関数電卓を持参すること.安全に実験が行える相応しい服装で参加すること(例.長髪は束ねる.爪は適切な長さに切る.薬品が肌に直接触れない服装にする.ヒールやサンダルを履かない.など).実験日までに,実験テキストを読み,必ず予習を行うこと.操作方法と実験に伴う潜在的な危険性についても意識し理解を深めておくこと. |