2019年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 流体力学 | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 長山 好夫 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M21P |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 研究・開発の現場では、力学、電磁気学とならんで流体力学の力が必要な場面が多々ある。現場でのトラブルでは雑音や熱が絡むことがしばしば発生するが、熱問題の解決には流体力学の応用力が必須である。流体力学は数理物理学の最も美しい部門の一つであるが、本講義ではそれだけでなく現場で役立つ応用力を身につける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
物理学では覚えるべきこと(法則)は少ない。大事なのはむしろ応用力、計算力である。それを身につけるには演習問題を解くのが良い。習うより慣れろである。 授業は教科書に沿って進める。授業時間の最初の15分間は、小テスト(前回の復習)を行う。 毎週、講義10分間+演習10分間の組み合わせを3回行い、各単元の力を身につける。 |
履修条件 | 詳細な記述と豊富な演習問題を持つ教科書を使用する。教科書は高校数学を前提としている自習書なので、高校程度の数学の力があれば良い。しかし、大学で習う、微積分、偏微分の力があれば理解しやすいのも事実である。 |
授業計画
第1回 | 流体とは: 流体の用語(流速、流量、、密度、比体積、比重、体積弾性係数、圧縮率、粘度、動粘度、国際単位系など)。 表面張力。毛細管現象。 パスカルの原理。壁面に作用する圧力。 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
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第2回 | 流体の静力学: アルキメデスの原理。浮力。 気体中の圧力。気体の状態方程式。 直線運動をする流体容器内の圧力。回転運動をする流体容器内の圧力。 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第3回 | 流体の運動と一次元流れ: 流線、流管。 質量保存則と連続の式。 エネルギー保存則とベルヌーイの定理 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第4回 | 運動量の法則: 運動量の法則。角運動量の法則。 管路、静止版、移動羽根、タンクに流体が及ぼす力。プロペラの推力。 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第5回 | 粘性流体: ニュートンの粘性法則。圧力とせん断応力。 平行平板間の流れ。上板が移動する平板間の流れ。 円管路内の流れ。ハーゲン・ポアズイユ流れ すき間の流れ。軸受。 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第6回 | 乱流: 水平な直管路内の流れ 円管の摩擦損失 二次元流れの乱流、混合距離、対数法則、指数法則。 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第7回 | 流れの相似則と次元解析: 相似則。模型実験。 レイノルズ数、フルート数、マッハ数。 次元解析。レイリーの方法。バッキンガムのΠ定理 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第8回 | 流体の運動と基礎方程式: 流体要素の運動と変形(並進運動、伸縮変形、せん断変形、回転運動) オイラーの運動方程式、音波の方程式 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第9回 | 二次元ポテンシャル流れ: 極座標と円柱座標での基礎方程式 循環、強制渦と自由渦 速度ポテンシャル、流れ関数、 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第10回 | 複素ポテンシャル: 一様流れ、渦、わき出しと吸い込み 流れの合成、二重わき出し、鏡像 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第11回 | 物体まわりの流れ: 物体に働く力。抗力と揚力 円柱や球の抗力係数 回転する円柱に働く揚力 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第12回 | 粘性流体の運動方程式: 流体に働く応力 せん断応力による変形速度 垂直応力による変形速度 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第13回 | ナビエ・ストークス方程式の導出: 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第14回 | ナビエ・ストークス方程式: ナビエ・ストークス方程式の適用(平行平板間流れ、円管内流れ、ストークス流れ) 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
第15回 | 流体力学の応用: ベルヌーイの定理の応用 ナビエ・ストークス方程式の応用 【事前学習】教科書を用いて今回の講義内容を予習する。(120分) 【事後学習】講義で学習した内容を復習する。(120分) |
その他
教科書 |
西海孝夫、一柳隆義 『演習で学ぶ「流体の力学」入門』 (株)秀和システム 2013年
流体の静力学から始まり、粘性流体の運動方程式(ナビエ・ストークス方程式)まで、基礎的な流体力学を網羅する。全15章からなり、1回の講義と1つの章が対応する。各章は、本文解説と演習問題および詳細な問題解答からなり、演習問題を解くことで自然と力が身につくようになっている。高校数学レベルの力があれば自学自習も容易である。類例のない画期的な流体力学の教科書である。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
毎回、前回の復習問題である15分間程度の小テストを実施し、小テストの合計点(100%)で成績評価する。 |
質問への対応 | 短いものなら授業時間あるいは授業前に対応する。長い質問は研究室で対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
7号館2階721B号室。 電子メール:nagayama.yoshio@nihon-u.ac.jp 内線:898 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
流体力学は、科学技術の現場では必須であるが、用語が新奇で、偏微分方程式を多用するので覚えずらく忘れやすい。しかし、演習を繰り返すことで意外に分かるようになる。そこで、一夜漬けの定期試験より、小テストでこまめに復習をしていただく。ただし、問題の内容は前週に告知し、解答が教科書に記載されているものを選ぶので、普通に勉強していれば高得点がとれるはず。 |