2019年 理工学部 シラバス - 数学科
設置情報
科目名 |
微分積分学A
数列・関数の極限、連続関数の理論
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設置学科 | 数学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 水野 将司 | 履修期 | 前期 |
単位 | 4 | 曜日時限 | 木曜1・2 木曜3・4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N41A N43B |
クラス | 1クラス(木曜1・2)、2クラス(木曜3・4) | ||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 極限を厳密に扱うためのイプシロン-デルタ論法と呼ばれる方法を用いて、高校で学んだ極限に関する様々な定理・公式(はさみうちの定理、中間値の定理やWeierstrassの定理)の導出を説明できるようになる。イプシロン-デルタ論法による数列、関数の極限や関数の連続性の証明をかけるようになる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業、例題解説、問題練習など。 |
履修条件 | 高校までで学ぶ数学をしっかり身につけていることが必要です。 特に以下の内容はよく復習しておいてください。 式の計算、不等式、三角関数、指数関数、極限の計算、数列 |
授業計画
第1回 | 高校での極限、微分積分に関する問題点 【事前学習】数列の漸化式の考え方と関数電卓の使い方を確認する(3時間) 【事後学習】高校数学における微分積分学の問題点を確認する(6時間) |
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第2回 | 実数論(1):有理数の切断と集合について 【事前学習】有理数の切断について、講義資料をよむ(3時間) 【事後学習】自然数、整数、有理数、実数、複素数のそれぞれが持つ性質、持たない性質を確認する(6時間) |
第3回 | 実数論(2):上限・下限の定義、実数の連続性、アルキメデスの原理、有理数の稠密性 【事前学習】上限と下限の定義について、講義資料をよむ(3時間) 【事後学習】上限と下限の定義を復習し、定義に基づいた証明の書き方を復習する(6時間) |
第4回 | 数列の極限(1):「任意の・全ての」「存在する」を表す記号、数列の収束・発散(イプシロン論法) 【事前学習】イプシロン論法について講義資料をよむ(3時間) 【事後学習】数列の収束についての定義とその定義に基づいた数列の極限の証明の書き方を復習する(6時間) |
第5回 | 数列の極限(2):数列の極限の性質 【事前学習】数列の収束についての定義を確認する(3時間) 【事後学習】数列の収束についての定義に基づいた、極限の性質の証明を復習する(6時間) |
第6回 | 数列の極限(3):単調列の収束・発散、自然対数の底 e の定義, Bolzano-Weierstrassの定理 【事前学習】数列の収束についての定義を確認する(3時間) 【事後学習】数列の収束の十分条件を確認し、どのように使うかを復習する(6時間) |
第7回 | 数列の極限(4):部分列、基本列(コーシー列)、実数の完備性 【事前学習】コーシー列についての定義を確認し、講義資料を読む(3時間) 【事後学習】コーシー列の定義と実数の完備性、実数と有理数の違いについて復習する(6時間) |
第8回 | 平常試験及びその解説 【事前学習】数列の極限とその性質を確認する(3時間) 【事後学習】試験で間違えた問題を確認し、復習を行う(6時間) |
第9回 | 関数と初等関数:指数関数と対数関数、三角関数と逆三角関数 【事前学習】指数関数と対数関数、三角関数と逆三角関数についての講義資料を読む(3時間) 【事後学習】像と逆像、逆三角関数の計算手法を復習する(6時間) |
第10回 | 関数の極限(1):関数の収束・発散(イプシロン-デルタ論法)、片側極限、無限遠における極限、コーシーの収束判定条件 【事前学習】関数の収束・発散についての講義資料を読む(3時間) 【事後学習】関数の収束・発散の定義とその定義に基づいた証明の書き方を復習する(6時間) |
第11回 | 連続関数(1):連続性の定義 【事前学習】関数の連続についての講義資料を読む(3時間) 【事後学習】関数が連続であることの定義とその定義に基づいた証明の書き方を復習する(6時間) |
第12回 | 連続関数(2):閉区間上の連続関数 【事前学習】中間値の定理、Weierstrassの最大値定理についての講義資料を読む(3時間) 【事後学習】中間値の定理、Weierstrassの最大値定理とその使い方を復習する(6時間) |
第13回 | 連続関数(3):一様連続性 【事前学習】一様連続についての講義資料を読む(3時間) 【事後学習】一様連続の定義と定義に基づいた証明の書き方を復習する(6時間) |
第14回 | 発展的内容:上極限と下極限 【事前学習】上極限と下極限の定義を確認する(3時間) 【事後学習】上極限と下極限の定義とその使い方を復習する(6時間) |
第15回 | 平常試験及びその解説 【事前学習】関数の極限、連続とその性質を確認する(3時間) 【事後学習】試験で間違えた問題を確認し、復習を行う(6時間) |
その他
教科書 |
吹田 信之, 新保 経彦 『理工系の微分積分学』 学術図書出版社 1996年
寺田 文行, 坂田 ひろし 『新版 演習微分積分』 新版演習数学ライブラリ サイエンス社 2009年
上記2冊は教室で配布するので、各自で購入する必要はありません。再履修生については考慮します。
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参考書 |
高木貞治 『定本解析概論』 岩波書店 2010年
小林昭七 『微分積分読本』 裳華房 2000年
田島一郎 『解析入門』 岩波書店 1981年
飯高茂 『微積分と集合そのまま使える答えの書き方』 講談社 1999年
上記4冊は、講義では必要としません。希望者が各自購入して下さい。
「定本解析概論」(高木)は難しいですが古今の名著です。
「微分積分読本」(小林)、「解析入門」(田島)、「微積分と集合そのまま使える答えの書き方」(飯高)は, 主に一変数の微分積分学について、自学自習、勉強会等にも使えるでしょう。
その他の参考書は講義中に紹介します。
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成績評価の方法 及び基準 |
試験、黒板発表、提出課題を総合的に評価して成績を付けます。 |
質問への対応 | 随時。 |
研究室又は 連絡先 |
タワースコラ 14階 S1408 http://www.math.cst.nihon-u.ac.jp/~mizuno/lecture.html mizuno atmark math.cst.nihon-u.ac.jp (atmarkは@にかえてください) |
オフィスアワー |
木曜 船橋 12:10 ~ 13:00 10号館1041教室
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学生への メッセージ |
実数とは何でしょうか?有理数との違いは何でしょうか?この講義では、この問題から出発して、連続関数に対する「中間値の定理」の証明を目標に進めます。 なお、1回目の講義で関数電卓(ガイダンスで配布されたもの)を使いますので、準備しておいてください。 |