2019年 短期大学部 シラバス - 生命・物質化学科
設置情報
科目名 | 分子生物学 | ||
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設置学科 | 生命・物質化学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 井口 律子 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | K11R |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 |
概要
学修到達目標 | 分子生物学は、生命体を分子レベルで理解していこうとする分野である。この講義では細胞分子生物学と遺伝子工学の内容を学ぶ。 (1)生命の最小基本単位である細胞と、その体構成成分の核酸とタンパク質につき、構造と機能から解析する。(2)各種疾病の分子生物学的に理解する。(3)遺伝子工学の基礎と応用についても学修する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講議形式で授業を行う。教科書を使用し、適宜プリントを配布する。 |
履修条件 | 生命科学概論・生命科学・生化学・生物有機化学の講義内容を確認し理解しておくこと。 |
授業計画
第1回 | 授業内容:講議計画の説明(生物学の流れと分子生物学・生物と無性物の違い・生物の分類・細胞の構造と機能) 事前学習:シラバスの内容をよく読んでおくこと。(30分) 事後学習:「生命・生物」を、自分なりに定義する。真核細胞と原核細胞の構造の違いを説明できる。教科書pp.1-22を読んで復習する。(180分) |
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第2回 | 授業内容:核酸とタンパク質 (核酸の構造・物理化学的性質・機能・細胞内局在、および アミノ酸とタンパク質の構造と機能) 事前学習:教科書pp.23-59を読んでおくこと。(120分) 事後学習:DNA とRNA の物理化学的相違をまとめる。タンパク質の立体構造を説明できる。(120分) |
第3回 | 授業内容:DNAの複製(遺伝情報の保存・DNAの複製・DNAの変異・損傷・修復) 事前学習:教科書pp.65-95を読んでおくこと。(120分) 事後学習:複製機構、修復機構についてまとめる。真核細胞と原核細胞の複製の相違をまとめる。(120分) |
第4回 | 授業内容:転写(DNAの組み換え・遺伝子地図・相同/非相同組み換え・減数分裂 RNAの合成及び加工・転写・転写調節・ヒストン修飾・プロセシング/スプライシング) 事前学習:教科書pp.96-123を読んでおくこと。(120分) 事後学習:真核細胞と原核細胞の転写機構の相違をまとめる。ヒストン修飾と、プロセシング・スプライシングの生物学的意義を考える。(120分) |
第5回 | 授業内容:翻訳(タンパク質の合成・アダプター仮説・コドン・リボソームの構造・読み枠のずれ・制御・タンパク質のプロセシング/スプライシング) 事前学習:教科書pp.124-137を読んでおくこと。(120分) 事後学習:タンパク質の細胞内移行につき調べてまとめる。ヒトの遺伝子数とタンパク質数につき、考察する。(120分) |
第6回 | 授業内容:細菌の分子遺伝学(増殖・変異体の遺伝解析・プラスミド・ファージ・トランスポゾン) 事前学習:教科書pp.138-157を読んでおくこと。(120分) 事後学習:プラスミドの増殖の特徴と、ファージの生活環を説明できる。(120分) |
第7回 | 授業内容:平常試験1およびその解説 事前学習:授業1回から6回の内容を復習する。各回の事後学習の項目につき、文章にまとめておく。(300分) 事後学習:理解不十分だった問題につき、解答を訂正・加筆して文章にまとめる。(120分) |
第8回 | 授業内容:染色体とクロマチン・真核生物のゲノム(反復配列・遺伝子重複・多型解析・DNAマーカー) 事前学習:教科書pp.196--219を読んでおくこと。 事後学習:真核細胞のゲノム構造を説明できる。(120分) |
第9回 | 授業内容:細胞調節におけるRNAの役割(非コードRNA・リボザイム・アダプターRNA) 事前学習:教科書pp.220-227を読んでおくこと。(60分) 事後学習:RNAの多彩な生理機能を説明できる。(120分) |
第10回 | 授業内容:真核細胞の増殖と制御(細胞周期の制御・アポトーシス・細胞内シグナル伝達・癌遺伝子・癌抑制遺伝子) 事前学習:教科書pp.228-240を読んでおくこと。(60分) 事後学習:ホルモンの遺伝子発現、および多段階発癌機構につき、説明できる。(120分) |
第11回 | 授業内容:遺伝子工学1(DNAの抽出・ハイブリダイゼーション・マイクロアレイ・PCR) 事前学習:教科書pp.158-172を読んでおくこと。(120分) 事後学習:特定のDNAフラグメントを、細胞から抽出して化学的に増幅する方法を説明できる。(120分) |
第12回 | 授業内容:遺伝子工学2(制限酵素・ベクター・ライブラリー・有用タンパク質の生産・遺伝子導入生物) 事前学習:教科書pp.173-190を読んでおくこと。(120分) 事後学習:ゲノムライブラリーとcDNAライブラリーの作製方法と用途につき、比較して説明できる。タンパク質の遺伝子工学用いた生産方法を説明できる。(120分) |
第13回 | 授業内容:遺伝子工学3(クローン生物・遺伝子改変生物・iPS細胞) 事前学習:教科書pp.248-254を読んでおくこと。(60分) 事後学習:クローン生物・遺伝子改変生物の利用と倫理的問題、およびiPS細胞の今後の課題につき考察する。(120分) |
第14回 | 授業内容:遺伝子工学4(遺伝子治療・疾病の分子生物学的理解) 事前学習:教科書pp.254-257を読んでおくこと。ADA欠損症につき調べておくこと。(120分) 事後学習:ある特定の疾病について、その発症機構を分子レベルで調べる。(120分) |
第15回 | 授業内容:平常試験2およびその解説 事前学習:第8-14回までの講義内容を復習する。各回の事後学習の課題を、文章にまとめる。(300分) 事後学習:理解が不十分であった問題について、自分でよく調べて、よりよい解答を作成する。(120分) |
その他
教科書 |
田村隆明 村松正實 『基礎分子生物学 第4版』 東京化学同人 2016年 第4版
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参考書 |
マクマリー (菅原二三男 監訳) 『原著8版 マクマリー 生物有機化学 生化学編』 丸善出版株式会社 2018年 第8版
日本分子生物学会 編 『21世紀の分子生物学』 東京化学同人 2011年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
平常試験1・2により評価する。 出席が総授業時間数の5分の3に満たない時は、履修放棄とみなし成績の査定を行わない。 授業開始時より30分を過ぎた遅刻は、2分の1回分の出席として扱う。 |
質問への対応 | 授業時間内及び授業終了後に、教室で質問を受ける。 |
研究室又は 連絡先 |
授業時に指示する。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
この講議を通して生命とは何かを学び、各自の生命観確立の一助となるように講義をすすめる。また、新聞やテレビの生命科学に関するニュースに関心を持ち、内容を理解するよう努めること。 |