2019年 短期大学部 シラバス - 生命・物質化学科
設置情報
科目名 | 高分子合成化学 | ||
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設置学科 | 生命・物質化学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 澤口 孝志 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | K22R |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 |
概要
学修到達目標 | プラスチック、ゴム、繊維などの高分子素材は2020年に生誕100年を迎える先端技術から日常生活まで我々の生活において不可欠の材料であることを実感できる。これらの高分子素材が、どのような基本反応に基づいて合成されているのかを、近年の地球環境問題を取り込んで最新のトピックスを交えて解説するので、卒業後必ずや素材開発の専門職や総合職に役立つ基礎が身につく。 |
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授業形態及び 授業方法 |
板書を中心とし、レポートや演習に基づく実践による講義形式で行う。 |
履修条件 | 選択 高分子科学の内容を理解していることを前提に授業を進めます。 |
授業計画
第1回 | 【授業内容】授業計画の説明、高分子合成反応と高分子材料に関する概要 【事前学習】シラバスの内容およびテキストp.357-358をよく読んでおくこと(30分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(60分) |
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第2回 | 【授業内容】2章高分子の合成(重合と反応)、高分子合成反応が何故精密さが要求されるのかを簡単な数式で示し、関数電卓で実感。 2..1合成反応の分類とその特徴(本講義が目指す目標)を生成する高分子の分子量とその分布および分子数の変化から解説 【事前学習】p.30-32を予習しておくこと(60分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(60分) |
第3回 | 【授業内容】2.2逐次重合反応を確率論を用いて生成する高分子の分子量(数平均重合度)とその分布および分子数の変化を解説し関数電卓を用いて計算 【事前学習】p.32-34を予習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(120分) |
第4回 | 【授業内容】逐次重合反応を平衡論と速度論を用いて生成する高分子の分子量(数平均重合度)とその分布および分子数の変化を解説し関数電卓を用いて計算 【事前学習】p.35-36を予習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(120分) |
第5回 | 【授業内容】逐次重合における反応度(率)によって生成する高分子の数平均重合度分布と重量平均重合度分布とその分布が変化するが、それらは確率論から推算できることを解説 【事前学習】p.37-38を予習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(120分) |
第6回 | 【授業内容】学生番号から自分の反応度を算出し、そのMy反応度を用いてて生成する数平均重合度分布と重量平均重合度分布を求め、さらにそれらの比から重合度分布の不均一度をレポートできるよう解説。レポートはPC-Excel表計算と図示によって作成し凡そ2週間後提出、評価後講評 【事前学習】p.37-38を復習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと、レポートの作成(600分) |
第7回 | 【授業内容】逐次重合(重縮合、重付加と付加縮合)で生成する代表的な高分子を例示し、その特徴的な物性と用途を解説 【事前学習】p.39-49を復習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(120分) |
第8回 | 【授業内容】2.3連鎖重合の反応機構を示し、それらの速度式の記述方法を習得できるようで解説し、代表的な連鎖重合の特徴を明示 【事前学習】p.49-51を復習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(120分) |
第9回 | 【授業内容】連鎖重合における各素反応の速度式を用いて、重合時間によって変化する生成する高分子の数平均重合度の特徴を解説 【事前学習】p.51-52を復習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(120分) |
第10回 | 【授業内容】2.3.1付加重合によって高重合度の高分子が生成する素反応となる成長反応の特徴を逐次重合の平衡定数と比較解説し、その後付加重合に用いられている実験方法の特徴を明示 【事前学習】p.52-56を復習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(120分) |
第11回 | 【授業内容】2.3.2ラジカル重合における開始反応を具体的なモノマー、開始剤、溶媒などを用いて反応式で示し、特徴を解説 【事前学習】p.56-58を復習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(120分) |
第12回 | 【授業内容】2.3.2ラジカル重合における開始に続く各素反応を反応式で示し、その特徴を解説し、とくに逐次重合との相違点を明示 【事前学習】p.56-65を復習しておくこと(120分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(120分) |
第13回 | 【授業内容】ラジカル重合における速度論的解析の方法を例示し、得られた重合速度式の特徴が多くの実験結果を良好に表現していることを、それらを用い生成する高分子の数平均重合度(分子量)の変化が逐次重合と全くことなることを解説 【事前学習】p.56-65を復習しておくこと(240分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点をまとめておくこと(240分) |
第14回 | 【授業内容】第2回から13回までの授業内容を振り返り、高分子合成化学を受講した大学生が必ず理解しなければならない基礎的事項をまとめ、第15回の平常試験に備える注意点を指摘 【事前学習】p.30-65を復習し要点を整理し、不明な点を授業中に質問すること(300分) 【事後学習】重要な点、理解できなかった点および人類社会において高分子材料が果たす役割を理解し更なる発展により21世紀の材料開発に役立てるようにする(300分) |
第15回 | 【授業内容】平常試験を実施し、その解説を行う 【事前学習】p.30-65および第14回目で指摘した要点を反復整理すること。とくに授業中の演習問題は必ず自ら関数電卓を使って解き、持参のこと(600分) 【事後学習】2020年に100年目を迎える高分子素材の実社会で役立つ実用物性をテキストにできるだけ記載したので、必要な時紐解けるようページを確認・マークすべし(120分) |
その他
教科書 |
妹尾学 監修、澤口孝志、清水 繁、伊掛浩輝 共著 『基礎 高分子科学 改訂版』 共立出版 2018年 第1版
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参考書 |
大津隆行 『改定 高分子合成の化学』 化学同人
慶伊富長 『反応速度論』 東京化学同人
他にも多数の著書がありますので、探して読んでみてください。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業への取り組み状況および平常試験(20%)により評価する。 出席が総授業時間数の3/5に満たない場合は、履修放棄として取り扱い成績の査定は行いません。 |
質問への対応 | 講義中に対応します。 |
研究室又は 連絡先 |
E-mail: sawaguchi.takashi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
21世紀は地球環境保全を如何にして達成するかが問われています。特に二酸化炭素排出削減のために鉄鋼に変わる高分子素材として、繊維強化プラスチック(例えば、軽量化高強度材料である炭素繊維などで強化したプラスチック)複合材料が注目されています。高分子の造り方の十分な理解が新しい高分子素材の開発と発展につながります。一緒に学んでいきましょう! |