2019年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 | 流体工学特論Ⅰ | ||
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 松本 彰 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F13A |
クラス |
概要
学修到達目標 | この講義では非圧縮性粘性流体の運動の物理的解釈に重点をおき,以下の項目の理解を学習達成目標とする. ①連続体として流体をとらえ,その運動を記述できること.さらに,流体運動に特有な性質である「粘性」の役割を理解すること. ②非圧縮性Navier-Stokes方程式の各項の物理的意味を理解し,具体的な流れ場に適用できること. ③境界層の概念を理解し,物体に作用する圧力抵抗,摩擦抵抗を求めることができること. |
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授業形態及び 授業方法 |
講義用プリントを用いた板書による授業が中心である.授業中に適宜演習を行う. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
微分積分,線形代数,常微分方程式を修得していること. |
授業計画
第1回 | 「シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと」 1回目の授業に入る前に,シラバスの主要部分を簡単に説明する. 1.流れの運動学(1) 運動学であつかう変数(流体粒子の速度,加速度,変形,回転など),運動の記述法(ラグランジュ表示とオイラー表示),スカラー場とベクトル場の演算 【事前学習】講義プリントの1ページから6ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】演習門題1(別添)のベクトル関する問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
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第2回 | 2.流れの運動学 テンソルの基礎,速度勾配テンソル,歪み速度テンソル,回転テンソル,固有値 【事前学習】講義プリントの7ページから12ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】演習門題1(別添)のテンソル関する問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第3回 | 3.粘性流体の支配方程式 連続の式(質量保存則)とNavier-Stokes方程式(運動量保存則)の誘導 【事前学習】講義プリントの13ページから18ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題3を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第4回 | 4.渦の力学 渦線と渦管,自然渦と強制渦,ヘルムホルツの渦定理,渦度方程式の誘導 【事前学習】講義プリントの20ページから26ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題4を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第5回 | 5.Navier-Stokes方程式の厳密解(1) 定常平行流,円筒座標表示によるNavier-Stokes方程式,定常軸対称流 円形クエット流れ 【事前学習】講義プリントの27ページから33ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題5を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第6回 | 6.Navier-Stokes方程式の厳密解(2) 非定常平行流,レイリーの第1問題,振動平板による流れ(ストークスの第2問題) 【事前学習】講義プリントの34ページから42ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題6を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第7回 | 7.力学的相似性 次元解析,相似則,相似パラメータ 【事前学習】講義プリントの43ページから49ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題7を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第8回 | 8.Navier-Stokes方程式の近似解(1) 遅い流れ,レイノルズ数相似則,ヘルショウ流れ 【事前学習】講義プリントの50ページから56ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題8を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第9回 | 9.Navier-Stokes方程式の近似解(2) 球のまわりの遅い流れ,Stokes近似,Oseen近似 【事前学習】講義プリントの57ページから64ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題9を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第10回 | 10.境界層とは 渦度の拡散と移流,境界層厚さの定義,排除厚さ,運動量厚さ 【事前学習】講義プリントの65ページから73ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題10を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第11回 | 11.平板に沿う境界層の解析解 Blasius方程式(非線形方程式)とその解 【事前学習】講義プリントの74ページから80ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題11を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第12回 | 12.境界層方程式の積分 Kármánの運動量積分方程式 【事前学習】講義プリントの81ページから87ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題12を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第13回 | 13.境界層の剥離 外部流の加速と減速による境界層への影響,境界層制御 【事前学習】講義プリントの88ページから95ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題13を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第14回 | 14.乱流問題への導入 乱流への遷移,層流の安定性 【事前学習】講義プリントの96ページから103ページをよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題14を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第15回 | 演習と解説 質問を受けた演習問題をもとに,これまでの授業のまとめを行う. 【事前学習】演習問題および参考書等から特に理解できなかった箇所を明確にし,授業中に質問できるように準備しておくこと.(120分) 【事後学習】課題の解答作成を行い,各人,粘性流体力学の知識を深める.(120分) なお,課題はCSTポータルサイトに掲示する.また,課題提出締め切り後,同じく解答をCSTポータルサイトに掲示する. |
その他
教科書 |
使用しない.CSTポータルサイトに毎授業の前に講義用プリントを掲示する.
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
(1) 高木 周 『機械系のための数学』 数理工学社 2005年 第1版
(2)Hermann Schlichting, Boundary-Layer Theory, McGRAW-HILL BOOK COMPANY, 1979, 7 edition
(3)Pijush. K. Kundu et al., Fluid Mechanics, ACADEMIC PRESS, 2016, 6 edition
(1) 1章 ベクトル解析とテンソルの基礎,3章 固有値問題が参考になります.
(2)世界的名著であり流体工学を専攻する学生に一読を薦めます.
(3)流体力学を基礎から勉強しようとする学生に薦めます.詳しく丁寧に記述されており,練習問題も多く含まれています.
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成績評価の方法 及び基準 |
課題レポートによって3つの達成目標を評価する.100点満点で60点以上を合格とする. |
質問への対応 | Eメールにおいて対応します. |
研究室又は 連絡先 |
メールアドレス:初回の講義時に提示します. |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |