2019年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 |
機械工学特別講義Ⅱ
ダイナミックデザインアナリシス
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 伊藤 博幸 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F44A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 車両や産業機械等の製品の開発、および動的問題の解決において、世の中の現場で実用されつつある動的設計解析(ダイナミックデザインアナリシス)技術について、その現状と概略を学ぶことにより、そのベースとなっている大学での基礎教育の有用性、必要性を再認識することを、本講義の目的としている。 従って、学習到達目標は、ここで概説する解析技術を習得することではなく、その元になっている基礎理論・知識を、今一度、復習し、理解を深めることにある。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義プリントに基づき、車両や産業機械等の製品の開発における振動問題の実例や演習問題を交えて、パワーポイント使用の講義形式。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
次回講義予定の講義プリントを前週までに配布します。予習して不明点等を整理しておくとともに、その基礎となっている工業数学や工業力学を復習しておくこと。 |
授業計画
第1回 | 授業の概要説明。製品開発におけるダイナミックデザインとその必要性。 どのようなときに問題が発生するか。 動的問題の事例 |
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第2回 | ダイナミックデザインアナリシスに必要な基礎的な知識 自由振動、強制振動、フーリェ解析、伝達関数、固有振動特性、防振、制振、等 |
第3回 | 振動の評価法と基準・規制 試験法、計測と分析、人間への影響、公害振動、機器の耐振性・強度、精密加工精度 |
第4回 | 実験的解析技術 時系列解析、サンプリング定理、スペクトル解析、次数比解析、実験モード解析 |
第5回 | 理論的数値解析技術 1Dシミュレーション、マルティボディ解析、有限要素法、非線形現象とその解析法 |
第6回 | モデルの縮退と部分構造の合成 伝達関数モデルとモーダルモデル、伝達関数合成法、部分モード合成法 |
第7回 | 実物と仮想モデルのハイブリッド解析 ハイブリッドモデルの部分構造合成法、 ハイブリッド実時間解析 HILS(Hardware in the loop simulation) |
第8回 | 様々な実稼動現象の応答解析法 強度設計と信頼性、剛性設計と振動・騒音・乗り心地および動的加工精度の解析 |
第9回 | 振動寄与度および振動伝達経路の解析 固有振動モードの寄与度指標、応答スペクトル、伝達関数合成による経路寄与度 |
第10回 | 感度解析と構造変更、および最適設計 固有値感度、応答感度、実験モデルを用いた構造変更予測、 探索的最適化・数理的最適化手法 |
第11回 | 機械の起振力同定および起振力低減技術 逆問題の解き方、エンジン起振力、部品境界力、駆動系、低振動モーションの設計 |
第12回 | 機械の駆動・制御系で生じる動的問題とその解析法 PID制御等のサーボ系と、減速機、弾性可動体からなる系のモデル化と、連成した解析 |
第13回 | 防振・制振設計および制振制御系設計と、防振・制振装置 マウントやダンパー、免振装置、アクティブ制振装置、モーション制御等の設計解析 |
第14回 | 振動・音信号情報に基づく振動解析及び機械の異常診断 特徴量抽出法、スペクトル法、伝達関数法、健全性評価 |
第15回 | 復習、まとめ、理解度確認、課題提出 |
その他
教科書 |
前週までに、授業で使う講義資料を配布します。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
授業の理解度確認のために随時実施の平常演習問題 60% 課題提出(レポート) 40% |
質問への対応 | 講義時間前後、およびメールで対応 |
研究室又は 連絡先 |
連絡先、メールアドレス等は、授業初回にお知らせします。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
将来、動く機械に関わる仕事に携わるひとは、必ずと言っていい程、振動をはじめとする動的な現象に起因する多くの問題に出くわします。その場合、どのような技術で対応しているのか、さらに、その基礎となる理論・知識として、学生時代に何を身に付けておく必要があるかを、学び取ってください。 |