2019年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 | 数値流体力学 | ||
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小野 清秋 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F52A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 数値流体力学の基礎を身に付ける.流れ場を支配する基礎方程式(ナビエ・ストークス方程式)は非線型であるために、数例を除いて解析解を求めることは不可能である。そこで近似解法として数値的に説く方法が用いられる。そのひとつである差分法について解説する。数値流体力学の基礎が理解できる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
通常の座学。板書を主体とする。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
流体力学、伝熱工学の知識があることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス。シラバスの概要を理解の上授業に臨むこと。 数値流体力学の概説。 微分方程式の近似解法についての説明。直観的な方法により、差分法を示す。 【事前学習】参考書またはネット検索を利用して、「数値流体力学」、「差分法」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
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第2回 | テイラー展開を用いて、より数学的な差分化の方法を示す。 偏微分方程式の分類。放物型、楕円型、双曲型方程式の代表例を示す。 【事前学習】解析学の参考書またはネット検索を利用して、「テイラー展開」、「偏微分方程式の分類」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。よく出てくる放物型、楕円型、双曲型方程式の例に慣れておくこと。(120分) |
第3回 | 放物型偏微分方程式の解法として一次元熱伝導方程式を取り上げ、陽解法を説明する。 【事前学習】伝熱工学の教科書またはネット検索を利用して、「熱伝導方程式」、「陽解法」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
第4回 | 放物型偏微分方程式の解法として一次元熱伝導方程式を取り上げ、陽解法の説明を続ける。 その後小テストIを行う。陽解法を理解できたかを確認する。答案は回収する。 【事前学習】前回までの講義ノートを復習し、しっかりと理解しておくこと。(120分) 【事後学習】小テストの問題をじっくりと解きなおしてみること(120分) |
第5回 | 小テストの答案の返却、解答の配布及び解説を行う。 放物型偏微分方程式の解法として一次元熱伝導方程式を取り上げ、陰解法の説明をする。 陽解法と陰解法の長所、短所を比較する。 【事前学習】参考書またはネット検索を利用して、「陰解法」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、解法の違い、長所、短所をよく理解しておくこと。(120分) |
第6回 | 数値安定性について議論する。 陰解法の際必要となる、連立1次方程式の解法について説明する。直接法と反復法がある。 直接法については線形代数の授業の復習となるが、大事な手法であるので、詳しく説明する。 【事前学習】参考書(線形代数の本を含む)またはネット検索を利用して、「数値安定性」、「連立一次方程式」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
第7回 | 楕円型偏微分方程式の解法としてラプラス方程式を取り上げ説明する。 双曲型偏微分方程式の解法として波動方程式を取り上げ説明する。 【事前学習】参考書またはネット検索を利用して、「ラプラス方程式」、「波動方程式」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
第8回 | 双曲型偏微分方程式の解法として波動方程式を取り上げ説明を続ける。 小テストIIを行う。答案は回収する。 【事前学習】前回までの講義ノートを復習し、しっかりと理解しておくこと。(120分) 【事後学習】小テストの問題をじっくりと解きなおしてみること(120分) |
第9回 | 小テストの答案の返却、解答の配布及び解説を行う。 バーガース方程式を例にとり、上流差分法について説明する。 時間についての高次精度差分法を説明する。 【事前学習】参考書またはネット検索を利用して、「バーガース方程式」、「上流差分法」、「高次精度差分法」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
第10回 | 時間についての高次精度差分法の説明を続ける。 ナビエ・ストークス方程式の誘導する。 【事前学習】流体力学の教科書またはネット検索を利用して、「ナビエ・ストークス方程式」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
第11回 | キャビティー問題を例として、流れ関数と渦度を用いる方法を説明する。 【事前学習】流体力学の教科書またはネット検索を利用して、「キャビティー問題」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
第12回 | キャビティー問題を例として、MAC法を説明する。 小テストIIIを行う。答案を回収する。 【事前学習】参考書またはネット検索を利用して、「MAC法」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。前回までの講義ノートを復習し、しっかりと理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
第13回 | 小テストの答案の返却、解答の配布及び解説を行う。 コロケーション格子・スタッガード格子を説明する。 一般座標を用いた解法について説明する。 【事前学習】参考書またはネット検索を利用して、「コロケーション格子」、「スタッガード格子」、「一般座標」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
第14回 | 格子形成法について説明する。 【事前学習】参考書またはネット検索を利用して、「格子形成法」について調べ、どのようなことを学ぶのか理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業でとったノートを復習し、理解を深めておくこと。(120分) |
第15回 | 理解度確認のための平常試験及び解説 これまでの学習についての質疑・応答 【事前学習】これまでの講義ノートを復習し、しっかりと理解しておくこと。(240分) |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
河村哲也 『流体解析I』 朝倉書店 1996年 第1版
桑原邦郎・河村哲也 『流体計算と差分法』 朝倉書店 2005年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
小テスト 30% 平常試験 70% |
質問への対応 | 授業教室. E-mailでも質問を受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
e-mail:kiyoaki@mech.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 12:10 ~ 13:20 S1707室
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学生への メッセージ |
広い範囲の流体解析に適用できる数値流体力学の基礎を身に着けてください。 機械工学科設置「数値熱流体工学入門」を履修済みの学生が少数の場合は、より基本的な事項を説明します。 |