2019年 大学院理工学研究科 シラバス - 電気工学専攻
設置情報
科目名 | 電磁波工学特論 | ||
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設置学科 | 電気工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 大貫 進一郎 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | I14A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 本科目では,電磁波工学に必要なMaxwellの電磁理論を復習し,電磁波利用の工学的側面からの理解を深める。また原書講読を行うことで電磁波工学分野における英語の読解力,および英語発表を行うことでプレゼンテーション力を高める。 |
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授業形態及び 授業方法 |
電磁波工学の知識を深めるため,講義と課題を通して理解を高める。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部の「電磁波の基礎」および「電磁波工学」を修得していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 概要説明:Maxwell方程式を復習しながら,電磁波工学特論の講義概要を説明する。 |
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第2回 | 波動方程式とその解:正弦的に時間変化する電磁波について説明し,各種の座標系(直角座標,円柱座標,球座標)における波動方程式とその解について学ぶ。 |
第3回 | 電磁波の伝搬と偏波:真空および損失媒質中の電磁波の伝搬,偏波(直線偏波,円偏波,楕円偏波)について学ぶ。 |
第4回 | 反射と透過:無損失媒質,損失媒質,多層媒質中における電磁波の反射と透過について学ぶ。 |
第5回 | ポテンシャル表示:電磁波のポテンシャル表現を説明し,放射界および散乱界について学ぶ。 |
第6回 | 導波路と共振器:方形導波管,誘電体導波路,マイクロストリップ,共振器について学ぶ。 |
第7回 | 散乱:導体円柱,導体楔,導体球からの電磁波散乱について学ぶ。 |
第8回 | 積分方程式とモーメント法:電磁波の積分表示と数値解析手法として広く用いられるモーメント法について学ぶ。 |
第9回 | 数値計算法:電磁波の数値解析法として知られるモーメント法,FDTD法,点整合法など各種解法の説明と,計算電磁気学の重要性について述べる。 |
第10回 | 幾何光学:電磁波の進路を光線近似する幾何光学について学ぶ。 |
第11回 | グリーン関数:点波源からの解であるグリーン関数を用いた電磁波の表現について学ぶ。 |
第12回 | 放射問題:ベクトルポテンシャルを用いてダイポールアンテナからの放射界を解析し,この理論を線形アンテナ,アレーアンテナへ応用する。 |
第13回 | フレネル回折とフラウンホーファー回折:矩形開口,円形開口,複数の開口がある場合のフレネル回折とフラウンホーファー回折について説明する。 |
第14回 | 光回路:空間周波数の概念を用いると,光学的フーリエ変換は従来と同じフーリエ変換と同じとなる。光回路デバイスへの応用についても述べる。 |
第15回 | 講義の総まとめ |
その他
教科書 |
Constantine A. Balanis, Advanced Engineering Electromagnetics, John Wiley & Sons, 1989
『電磁波工学の基礎』 細野 敏夫 森北出版 2015年 第POD版
”Advanced Engineering Electromagnetics”はアンテナの専門家として世界的に知られる著者が,電磁波全般にわたり執筆した大著である。米国の大学では教科書として広く用いられる。
”電磁波工学の基礎”は学部の「電磁波の基礎」「電磁波工学」で使用したもので,講義内容をより深く理解するため,日本語訳が分からない場合に利用して欲しい。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
細野 敏夫 『メタ電磁気学』 森北出版 1999年 第1版
講義で必要な個所はプリントを配布する。
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成績評価の方法 及び基準 |
課題(70%)と発表(30%)で評価する。 |
質問への対応 | 随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
研究室:駿河台校舎タワー・スコラ16階 S1601室 |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 14:00 ~ 15:00
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学生への メッセージ |
学部の電磁波工学の延長ではなく,物理的な意味に重点を置いて講義を行う。専門で必要となる英語の読解力,プレゼンテーション力も高めて欲しい。 |