2019年 大学院理工学研究科 シラバス - 電気工学専攻
設置情報
科目名 | 電磁理論特論 | ||
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設置学科 | 電気工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 山﨑 恒樹 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | I43A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 電磁波工学の基礎は現在のエレクトロニクスと情報産業の技術に関する最も基礎的な学問である。本講では,電荷,電流,電界,磁界を出発点として公理論的展開法で電磁理論を学習する。電磁理論を学習するには,電磁基礎方程式(Maxwellの方程式)を出発点とし,これに推論規則を適用して,色々な電磁現象を導出する方法(公理論的展開法)が曖昧さを少なくして統一的に理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
大学院の授業は教師が一方的に講義するのではなく、授業を進めるなかで受講者とのコミュニケーションをとり理解の程度をフィードバックできるようにする。学部で学習したことでも理解していないため授業の進行に支障をきたす場合は復習の授業を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部の電磁気学Ⅰ,Ⅱ、電磁波の基礎,電磁波工学 |
授業計画
第1回 | 講義概要の説明:本年、本講義で取り扱うトピックスについて説明する。 |
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第2回 | 電磁理論の出発点:学部で学習したMaxelllの方程式を復習しながら電磁気学の学び方を説明する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第3回 | Coulombの実験則を近接作用の原理に基づく表現式に変形。電荷と電界が時間的変化する場合はどうなるか。磁化なし場の表現式は?AmpereとFaradyの電磁誘導の実験則を近接作用の原理に基づいた表現式に変形、して構成できることを説明する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第4回 | 電磁理論は近接作用に基づいた真空中の電界と磁界の関係式(Maxellの方程式とLorentzの力)が出発点として、説明する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第5回 | 真空中のMaxellの方程式を物質中に拡張する。その時、新しい分極と磁化の定義を行う。Maxellが表現した電磁方程式と現在の電磁方程式との関係について説明する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第6回 | 電界と磁界が時間的に変化しない場合が,学部で学習した”電磁気学”である。ベクトル場に重要な Helmholtzの定理を説明し,電荷分布が与えられた場合に電界を求める式を導出する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第7回 | 靜電磁気学の復習:電流分布が与えられた時にベクトルポテンシャルから磁界を求めるBiot-Savartの法則を導出する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第8回 | 電荷保存則とエネルギー保存則:電磁エネルギーの体積密度と電磁エネルギーの面積密度(Poyntingベクトル), Poyntingベクトルの表現と電磁運動量との関係を理解する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第9回 | 運動量保存則:真空駐中のMaxwellの方程式とLorentzの力から運動量保存則を導出し電磁場運動量の体積密度と電磁運動量の流れの面密度の関係を説明。例として角運動量の保存則を使って、Feynmanのパラドックスを考える。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第10回 | 課題(Feynmanのパラドックス)の発表と質疑 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第11回 | 運動量保存則:真空駐中のMaxwellの方程式とLorentzの力から運動量保存則を導出し電磁場運動量の体積密度と電磁運動量の流れの面密度の関係を説明する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第12回 | Coulomb力を利用して、誘電体がコンデンサー電極に働く力を求める。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第13回 | 電磁ポテンシャルとゲージ変換:電荷分布からスカラーポテンシャルを求め,電流分布からベクトルポテンシャルを求める関係式を導出する。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第14回 | 無限長円形ソレノイドのベクトルポテンシャルと磁界を求め,Aharonov-Bohm効果(AB効果)を説明。 事前学習:演習解答を理解し、次回について予習しておくこと。 事後学習:与えられた課題を行ない、講義内容を理解すること。 |
第15回 | 課題の発表と質疑 |
その他
教科書 |
細野敏夫 『メタ電磁気学』 森北出版株式会社 1999年 第1版
『電磁波工学の基礎』 細野敏夫 森北出版 2015年 第POD版
必要に応じて教科書を補足する資料を配付する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
Feynman, Leighton, Sands(訳:宮島龍興) 『The Feynman Lectures on Physics Vol.Ⅱ(ファインマン物理学Ⅲ 電磁気学)』 岩波書店
M. Zahn, Electromagnetic Field Theory - a problem solving approach-, John Wiley and Sons, Inc., 1979
砂川重信 『電磁気学』 物理学テキストシリーズ 株式会社 岩波書店 1977年
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成績評価の方法 及び基準 |
課題に対するレポート提出とその課題に対する質疑応答の結果を評価 |
質問への対応 | 研究室やメールで日々対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
研究室:駿河台校舎(タワー・スコラ)15階1509号室, E-mail:yamasaki.tsuneki@nihon-u.ac.jp 電話:03-3259-0771 |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 10:00 ~ 12:00
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学生への メッセージ |
電磁理論の講義はただ数式の導出ではなく、その背後に隠された物理的な意味を十分理解することの重要性を講義で学んでほしい。 |