2019年 大学院理工学研究科 シラバス - 量子理工学専攻
設置情報
科目名 | 固体物理学特論 | ||
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設置学科 | 量子理工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 佐甲 徳栄 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | O32B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 量子力学の基礎からはじめて,周期的な空間構造を持つ結晶のエネルギーバンド構造を理解する。また電子系と外部電磁場との相互作用について学び,物質の光学的性質の基礎を理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
固体の電子が持つエネルギーバンド構造と電気伝導,さらに光と物質の相互作用について,板書を中心とした講義形式で解説を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部レベルの初等物理を履修していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 講義内容の解説:講義内容の概略,学習目標,および成績評価方法の詳細を理解する。 |
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第2回 | シュレディンガー方程式と原子単位系:ミクロの世界において電子の状態を記述するシュレディンガー方程式と原子単位系について理解する。 |
第3回 | 自由粒子のエネルギーと波動関数:自由空間における電子のエネルギーと波動関数,さらにその時間発展について理解する。 |
第4回 | フーリエ解析:波動関数を解析する上で重要となるフーリエ展開とフーリエ変換について理解する。 |
第5回 | 波動関数の座標・運動量表示と不確定性関係:フーリエ変換を使って,波動関数の座標表示および運動量表示について理解する。また関連するテーマとして不確定性関係について理解する。 |
第6回 | ブロッホの定理と結晶中電子の波動関数:ブロッホの定理とフーリエ展開を使って,結晶中の電子の波動関数について理解する。 |
第7回 | 結晶中電子のエネルギーバンド構造:空間的な周期対称性を持つポテンシャル中の電子のエネルギー構造について理解し,導体・半導体・絶縁体との関係を学ぶ。 |
第8回 | 固体の電気伝導:バンド構造の理解の基に,導体および半導体の電気伝導について理解する。 |
第9回 | マックスウェル方程式と電磁波:物質の電磁気的性質を記述するマックスウェル方程式について理解する。 |
第10回 | 波数空間におけるマックスウェル方程式:実空間におけるマックスウェル方程式をフーリエ変換することによって,波数空間におけるマックスウェル方程式を導き,電磁場の「縦波・横波成分」について理解する。 |
第11回 | 電磁場中におかれた荷電粒子の運動量・エネルギー・角運動量:電磁場と相互作用する荷電粒子系を考え,全系の運動量,エネルギー,および角運動量について理解する。 |
第12回 | 物質の光吸収と放出:物質における光の吸収・放出機構を量子力学に基づいて理解する。 |
第13回 | フロケの定理とドレスト状態:フロケの定理を用いて,定常レーザー場中での電子系の擬固有状態(ドレスト状態)を理解する。 |
第14回 | 光・物質相互作用の数値計算法:時間領域差分法(FDTD法)を用いたマックスウェル方程式とシュレディンガー方程式の数値解法について理解する。 |
第15回 | 電磁場の量子化:第二量子化された電磁場について解説し,古典電磁気学による電磁場との違いを理解する。またレポート課題の提示およびその説明を行う。 |
その他
教科書 |
特になし。講義プリントの配布を行う。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
Principles of the theory of solids (2nd edition), J.M. Ziman著, Cambridge University Press
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート(100%)の提出による。提出されたレポートについては、CSTポータルまたはメールによりコメントする。 |
質問への対応 | 随時。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎1号館141B室 sako.tokuei@nihon-u.ac.jp 047-469-5260 |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:10 ~ 13:10 船橋校舎1号館141B室
木曜 船橋 12:10 ~ 13:10 船橋校舎1号館141B室
金曜 船橋 12:10 ~ 13:10 船橋校舎1号館141B室
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学生への メッセージ |
楽しみながら勉強しましょう。 |