2020年 理工学部 シラバス - 海洋建築工学科
設置情報
科目名 |
沿岸域工学
沿岸域利用の基礎知識
|
||
---|---|---|---|
設置学科 | 海洋建築工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 小林 昭男 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D54C |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 沿岸域の管理において工学的手法を利用するための基礎知識として,①海岸地形,②海岸付近の波の振舞い,③波と構造物の相互作用の3項目の考え方と技術を理解し,沿岸域環境の変化を説明できる。 本科目の学修を通して,日本大学教育憲章の「自主創造」を構成する「自ら学ぶ」能力のうちの「豊かな知識・教養を基に倫理観を高めることができる」能力と,「自ら考える」能力のうちの「得られる情報を基に論理的な思考,批判的な思考をすることができる」能力と「事象を注意深く観察して問題を発見し,解決策を提案することができる」能力を養うことができる。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
本科目では,海岸域の自然環境とそこに建設される海洋建築物の相互作用を学修する。海洋建築物の設計,波浪。津波などに関する実務経験に基づいて現実に課題となりうる事項への留意点を取り上げて分かりやすく授業を行う。 授業形態は,授業内容の要点や画像のスライド表示と印刷教材を用いたオンデマンドのメディア授業である。 毎回の授業(90分)では,初めに理解すべき重要事項を3つ挙げ(5分),引き続いて各項目の解説を行い(各25分),最後に理解の確認を行う(10分)。 |
履修条件 | 海洋学Ⅰ・Ⅱ,水波工学Ⅰ,海洋環境工学で学習したことを復習しておきましょう。 |
授業計画
第1回 | 【テーマ】ガイダンス 【内容】授業計画:15回の授業の目的と内容を説明する。 【事前学修】シラバスにより授業範囲を確認すること。moodle掲載のパワーポイントを読むこと。参考書を図書館等で確認すること(120分) 【事後学修】パワーポイントのコピーとノートを用いて本科目で学修する事項を整理すること(120分) |
---|---|
第2回 | 【第1部 海岸】 【テーマ】海岸環境問題概説 【目標】快適な海岸と不快な海岸,無秩序な利用と海岸侵食の現状を通して,本授業科目の学修の目的を理解する。 【事前学修】シラバスをよく読み,教科書を購入し目次で学修内容を確認すること(120分) 【事後学修】moodleに掲載したパワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(120分) |
第3回 | 【テーマ】沿岸域と海岸 【目標】海岸の法律的な位置づけ,人間とのかかわりを理解し,これからの海岸整備に必要な基礎的な考え方を修得する。 【学修事項】人から見た海岸,生物からみた海岸,気候変動と海岸,人間活動と海岸 【事前学修】教科書の第1章をキーワードに注意してよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第4回 | 【第2部 海岸をめぐる自然現象】 【テーマ】波の基本的な性質 【目標】海洋学・水波工学で学修した波の基本的性質を復習し,沿岸域工学の応用に必要な海洋波の特徴を修得する。 【学修事項】海洋波,波の基本式,波の分類 【事前学修】キーワードに注意して教科書第2章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第5回 | 【テーマ】長周期の波 【目標】海岸利用に大きく関係する海面の長周期の変動機構を理解し,沿岸防災に必要な基礎知識を修得する。 【学修事項】潮汐と潮位,高潮,津波,湾や港の副振動 【事前学修】キーワードに注意して教科書第3章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第6回 | 【テーマ】波浪 【目標】海洋波の中で最も身近かつ構造物に大きな作用をもたらす波浪の基本性質を理解し,海洋建築物の設計に必要となる基礎知識を修得する。 【学修事項】風波の発生と発達,うねりの伝搬,波浪の統計的性質,確率密度と代表波,波浪のスペクトル,高波との遭遇確率 【事前学修】キーワードに注意して教科書第4章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第7回 | 【【テーマ】海岸付近の波の変形(1) 【目標】沖合から浅海に伝搬した波の変形を理解し,構造物の設計条件の設定に必要な基礎知識を修得する。 【学修事項】波の屈折,回折,換算沖波,浅水変形,砕波 【事前学修】キーワードに注意して教科書第5章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第8回 | 【テーマ】海岸付近の波の変形(2) 【目標】沖合から浅海に伝搬した波の変形を理解し,構造物の設計条件の設定に必要な基礎知識を修得する。 【学修事項】波の屈折,回折,換算沖波,浅水変形,砕波 【事前学修】キーワードに注意して教科書第5章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第9回 | 【第3部 波力】 【テーマ】構造物と波の相互作用(1) 【目標】構造物に作用した波の変形と荷重の算定方法を理解し,構造物の設計に必要な基礎知識を修得する。 【学修事項】波の打上が,越波,波の反射と伝達,静水圧と波力,構造物に作用する波力 【事前学修】キーワードに注意して教科書第6章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第10回 | 【テーマ】構造物と波の相互作用(2) 【目標】構造物に作用した波の変形と荷重の算定方法を理解し,構造物の設計に必要な基礎知識を修得する。 【学修事項】波の打上が,越波,波の反射と伝達,静水圧と波力,構造物に作用する波力 【事前学修】キーワードに注意して教科書第6章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第11回 | 【第4部 海岸地形】 【テーマ】海岸地形と表層地質 【目標】海岸地形の地理学的な分類と底質との関係を理解し,海岸地形の形成過程の基礎事項を修得する。 学修内容:海岸地形の分類,地質年代スケールで形成された地形の分類,構成物質による分類,砂浜や礫浜の形成課程 【事前学修】キーワードに注意して教科書第7章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第12回 | 【テーマ】漂砂と海岸地形 【目標】漂砂による土砂移動と地形の形成過程を理解し,海浜地形変化の予測に関する基礎知識を修得する。 【学修事項】漂砂と海岸地形,海浜地形の諸元,波浪による海浜地形変化,漂砂と海浜地形変化 【事前学修】キーワードに注意して教科書第8章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第13回 | 【テーマ】沿岸の利用と海浜地形 【目標】海岸の利用による海岸侵食要因を理解し,海浜地形予測に関する基礎知識を修得する。 【学修事項】海岸侵食,海岸侵食の要因,海浜地形変化の予測モデル 【事前学修】キーワードに注意して教科書第9章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第14回 | 【テーマ】海岸保全施設 【目標】海岸侵食の実態調査方法や対策工法を理解し,対策案の選択と検証に関する技術を修得する。 【学修事項】侵食対策の流れ,海岸の実態調査,侵食対策の方法,侵食対策の選択と検証 【事前学修】キーワードに注意して教科書第10章をよく読みむこと(120分) 【事後学修】教科書の復習問題を用いて知識を整理すること(120分) |
第15回 | 【テーマ】理解度確認試験および解説 【目標】本科目の重要事項の理解度確認と復習 【内容】理解度確認問題で知識を確認し(60分),その解答を教科書や学修ノートを使って復習する(30分)。 【事前学修】第2回から第14回までの学修事項を教科書とノートで整理すること(120分) 【事後学修】理解度確認問題とその周辺知識を再度復習すること(120分) |
その他
教科書 |
小林昭男 『沿岸域工学の基礎』 技報堂 2019年年 第1版
教科書は必ず購入し,予習・復習に活用しましょう。
|
---|---|
参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
評価基準:毎回の授業後に行う理解度確認の小テストの合計を60~70点満点,第15回目の理解度確認問題の取組状況を30~40点満点として合計点で成績を評価する。 2019年度の成績分布 S:17%,A:10%,B:41%,C:31% |
質問への対応 | 授業内容で理解できなかった事項がある場合は,授業後に質問内容を整理して質問しましょう。 |
研究室又は 連絡先 |
沿岸域工学研究室 13号館3階1335室 kobayashi.akio@ |
オフィスアワー |
月曜 船橋 16:40 ~ 18:10 毎日5時限がオフィースアワー
|
学生への メッセージ |
良い海洋建築を計画・設計するために,沿岸域の環境を楽しく学びましょう。 ただし,受講態度が悪い学生は退室させ,受講を中止させることがあります。 |