2020年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 心理学の基礎 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 加藤 博己 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜1 月曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | U11L W12L |
クラス |
概要
学修到達目標 | 本講義では,哲学から独立して141年の歴史を有する心理学の基礎分野を体系的に学び,基礎知識(代表的な理論,事項,人名など)を習得する。科目「応用心理学」と合わせて履修することにより,心理学の基礎分野を概観する。特に「記憶」,「感覚・知覚」,「学習」,「動機づけ」,「情動」という4つの基礎分野についての知識を身に付け,説明できる力を身に付ける。科目「応用心理学」と合わせて履修することで,心理学の基礎に対する広く確かな知識が身に付き,科学的な態度(クリティカル・シンキング)が涵養される。 4月の授業の休校,ならびに,オンライン形式による授業への変更に伴い,今年度に限り基礎分野の中でも範囲の狭い「動機づけ」と「情動」分野を先に学ぶ。また,状況により授業内容や進度,評価方法にやむを得ず変更が出て,シラバスの予定が変更となることを了承した上で受講してほしい。 |
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授業形態及び 授業方法 |
主に板書を用い,必要に応じて教科書,資料,書画カメラ,ビデオ等を用い,簡単な実験を実施する予定である。毎授業開始時10分間で,学生自らが前回授業の理解度・習得度を確認する「ワーク」を行い,その後,質疑応答を行うことで学習内容の定着を図る。授業終了前10分間では,その日に学んだ事柄について,意見・感想を出席票に記すことで,習った知識の応用力を養う。授業への積極的参加を促すため,挙手・指名による積極的な発言を求める。 今年度に限り,対面授業は行わず,動画配信の授業を視聴し,習得した内容をWEBで提出することが求められる。 |
履修条件 | 文化教養サブメジャー・コース設置科目。 大多数の受講生にとって初めて学ぶ学問となるので,無遅刻,無欠席で,毎週復習をしてから授業に臨むことが求められる。履修希望者が多い場合には,初回授業にて履修者制限を行うことがある。「心理学」の基礎分野を概観し,科学的な視点を身につけるためには,科目「応用心理学」と合わせて履修することが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 講義のねらい,内容,進め方,評価方法,注意事項を確認するので,シラバスの内容を確認の上,必ず出席すること。授業外学習では,以下に示す毎回の項目に即した部分についてノート,教科書,web等を用いて,予習では次回何を学ぶのか,復習では何を学び,どう理解したかを学習することを勧める。 ①記憶の過程 【事前学習】シラバスの理解,教科書80-81頁,40分。 【事後学習】シラバスの理解と習得,配布プリント,180分。 |
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第2回 | 記憶②:記憶の(長さと内容による)分類(感覚・短期・長期,意味・エピソード,手続き記憶)。 【事前学習】教科書80~100頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書80~100頁,180分。 |
第3回 | 記憶③:記憶の仕方,忘却の仕方(集中・分散,精緻化リハーサル,忘却曲線,系列位置効果)。 【事前学習】教科書80~100頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書80~100頁,180分。 |
第4回 | 記憶④:忘却の理由(不使用説,干渉説,検索失敗説,抑圧説)。教科書80~100頁。 感覚・知覚①:感覚(感覚のモダリティ)。 【事前学習】教科書101~164頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書101~164頁,180分。 |
第5回 | 感覚・知覚②:感覚(閾値,順応),知覚(図と地)。 【事前学習】教科書101~164頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書101~164頁,180分。 |
第6回 | 感覚・知覚③:知覚(群化,恒常性),認知(アフォーダンス)。 【事前学習】教科書101~164頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書101~164頁,180分。 |
第7回 | 学習①:レスポンデント条件づけ(強化・消去・般化・分化)。 【事前学習】教科書65-80頁,40。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書65-80頁,180分。 |
第8回 | 学習②:オペラント条件づけ(シェイピング,迷信行動)。 【事前学習】教科書65-80頁,40。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書65-80頁,180分。 |
第9回 | 学習③:その他の学習理論(試行錯誤学習,洞察学習)。 【事前学習】教科書65-80頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書65-80頁,180分。 |
第10回 | 学習④:その他の学習理論(観察学習),初期学習(刷り込み)。 【事前学習】教科書65-80頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書65-80頁,180分。 |
第11回 | 動機づけ①:動機づけの分類(マスローの欲求五段階説,他)。 【事前学習】教科書209-234頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書209-234頁,180分。 |
第12回 | 動機づけ②:葛藤,コンプレックス。 【事前学習】教科書209-234頁,40分。 【事後学習】次週のワークと到達度の確認試験のためのノートと教科書209-234頁,180分。 |
第13回 | 到達度の確認試験及びその解説。 【事前学習】ノートと教科書のこれまでの学習範囲,340分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書のこれまでの学習範囲,180分。 |
第14回 | 情動①:感情の生起(末梢起源説,中枢起源説,二要因〔認知〕説。 【事前学習】教科書215-220頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書215-220頁,180分。 |
第15回 | 情動②:感情の測定(SD法,生理的変化の測定)。 まとめと展望 【事前学習】教科書215-220頁,40分。 【事後学習】次週のワークのためのノートと教科書215-220頁,180分。 |
その他
教科書 |
鹿取廣人, 杉本敏夫, 鳥居修晃, 河内十郎(編) 『心理学』 東京大学出版会 2020年 第5補訂版
「第5版」ではなく,「第5版補訂版」です。ご注意ください。
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参考書 |
必要に応じて授業で紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
平常点(授業内での到達度の確認試験70%,ワーク・授業コメント30%)による。心理学の基礎分野について,基本事項を理解しているかどうかが問われる。詳細は,初回授業で資料を配布して述べる。 すべての授業がオンライン授業へと変更になったことを受けて,ワーク・授業コメントを90%分とし,簡易な授業内小テスト,もしくは課題等を10%分課すこととする。 |
質問への対応 | わからないことをそのままにせず,授業中や授業前後に質問したり,授業外で教科書やwebを用いて調べ,次週のワークまでには解決することを望む。 |
研究室又は 連絡先 |
講義の教場と講師室 kato.hiroki20@nihon-u.ac.jp 今年度に限り,可能な範囲でE-MAILを用いて質疑を受ける。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
TVで見られる。表情やしぐさから心を読み取るメンタリズムや,占い,心理ゲームは,学問としての心理学で扱われることはなく,プロファイリングも実際にはほとんど行われていない。 本当の心理学は,「人間やその他の動物等の日常生活に密着した「行動」や「認知」的側面を実験や調査などを通してデータ化して実証する人文科学のひとつ」である。授業を通して科学としての心理学を学ぶ楽しさを知り,「科学的」とはどのような態度であるのかを再考してほしい。 今年度は,イレギュラーな授業開始となり,不安も大きいと思いますが,今できることを一つずつこなし,実りある学習となるようお互い協力して乗り越えていきましょう。 |