2020年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 荷重・安全特論 | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 神田 順 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C33B |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 建築物構造設計において想定される各種荷重の特性を理解し、目標安全性を適切に設定することにより、設計荷重を決定するための確率論的手法を習得すること。 |
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授業形態及び 授業方法 |
建築構造設計の実務経験を踏まえて、法令や技術基準の活用、あり方を考える場を提供するため、演習課題を含む講義を中心とし、発表形式も取り入れる。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
教科書を指定するので、随時、予習・復習を行うことが好ましい。 |
授業計画
第1回 | 1. 確率論の考え方 不確定なものをどのように定量化して扱うか、確率の基本的考え方を学ぶ。正規分布、対数正規分布などによるモデル化の意味を考える。 【事後学習】確率モデルの理解(60分) |
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第2回 | 2. 構造設計と設計荷重 構造物を計画し、断面を設計する流れを把握し、そのために、どのような荷重を考えるかを考える。 【事前学習】教科書1ページから8ページを読んで荷重評価の意味を考えておく(60分) |
第3回 | 3. 年最大値と極値分布 雪、風、地震などによる荷重強さを年最大値で扱うこと。代表的極値分布としてのグンベル分布の導出。極値分布の基本的性質を学ぶ。 【事後学習】極値分布の演習(120分) |
第4回 | 4. 構造安全と信頼性指標 確率論的安全性の概念。信頼性指標の定義と意味を学び、およびその応用性、一般性について考える。 【事前学習】教科書121ページから122ページを読んで概念を把握しておく(60分) |
第5回 | 5. 限界状態設計法と荷重係数 信頼性指標に基づく設計法と荷重係数の定式化を行う。 【事後学習】荷重係数と荷重の変動係数の関係を把握する(120分) |
第6回 | 6. 固定および積載荷重 固定荷重の統計的解釈。積載荷重の等価等分布荷重による評価。確率的モデルとしての最大値を考える。 |
第7回 | 7. 積雪荷重 積雪深の年最大値の特徴。積雪荷重の要素とその特性を把握する。 |
第8回 | 8. 風荷重(1) 強風の年最大値の特徴。風の特性の基本を把握する。 |
第9回 | 9. 風荷重(2) 高層建物の強風応答評価の手順を学び、動的風荷重の等価静的荷重としての評価を考える。 【事後学習】がスト応答評価の演習(120分) |
第10回 | 10. 地震荷重(1) 地震と地震動。地震動の年最大値の特徴を把握する。 |
第11回 | 11. 地震荷重(2) 応答スペクトル。必要保有耐力の考え方について学ぶ。 |
第12回 | 12. 総費用最小化原理 総期待費用最小化の考え方を理解し、規準化損失費用の意味について考える。 【事前学習】教科書133ページから137ページまでを読んで概要を把握しておく(120分) |
第13回 | 13. 基準と法律 技術基準と法規制の違いを理解した上で、性能規定と性能設計について考える。リスク・コミュニケーションについて学ぶ。 【事前学習】テーマを見直して意味を確認する(60分) |
第14回 | 14. 工学倫理にかかわる問題 技術者としての倫理。事故例を通して倫理の問題を考える。 【事前学習】教科書140ページから144ページを読んで問題の所在を把握しておく(120分) |
第15回 | 15. 各自の設定したテーマの発表 【事前学習】設定したテーマについてのまとめと考察(180分) |
その他
教科書 |
「建築構造計画概論」神田順著、共立出版、2012年
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
日本建築学会 『建築物荷重指針・同解説』 丸善 2015年 第5版
神田順 『耐震建築の考え方』 岩波科学ライブラリー51 岩波書店 1997年
神田順 『建築と工学』 ヴィジュアル版建築入門9 彰国社 2003年
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成績評価の方法 及び基準 |
複数回のレポートおよび発表 |
質問への対応 | 授業時間内およびメールにて対応 |
研究室又は 連絡先 |
kanda.jun@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
建築は、私有財産であると同時に社会資産でもある。建築を学ぶ者として、その構造安全性について、共に考えて行くという姿勢で臨みたい。 |