2020年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 |
化学工学特論Ⅱ
CCUS 持続可能な循環型社会実現のための技術開発
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設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 大場 茂夫 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3・4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L53A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 変化している環境、社会、経済に適応できる様に、化学系エンジニアとして社会で活躍できる適応力習得を目的とする。 複雑な問題を可視化し、論理的思考により明確な結論を導く解決法に必要な知識を習得する。大きな社会の変化の流れとして、地球温暖化による社会、産業の変化を俯瞰し、二酸化炭素資源化(CCUS)の技術開発が、今後の産業、経済、社会、環境に与える影響を考察し、化学系エンジニアが活躍するための必要なスキルについて学ぶことを目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
毎回講義資料を配付し、その内容について解説を行う。 講義日程は、2~15回は、2コマ連続して行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
事前に配布する講義資料、関連資料について読み、理解しておくこと。 |
授業計画
第1回 | 講義の概要、講師自己紹介、最適な仕事とキャリアパス 応用化学系大学院生が社会に出て、様々な問題を解決しながら成功するために必要なスキルと知識とは何かを、講師自身の経験も踏まえ、学生諸君に考える材料を提供する。 |
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第2回 | 世界のエネルギー消費と温暖化ガス排出 温暖化の問題と人間の活動の関係について、温暖化ガスの種類、排出量や温暖化効果係数、また排出源と排出地域などについて解説する。 またCO2については、炭素循環という観点でも解説する。 |
第3回 | CCUS技術と研究開発、SDG'sとESG投資について(1) 温暖化ガス排出の元になる経済活動とお金の流れを解説し、国連の持続開発目標(SDG's)と、環境、持続性、統治に配慮した投資(ESG投資)の考え方と、その力について解説する。 |
第4回 | CCUS技術と研究開発、SDG'sとESG投資について(2) 温暖化ガス排出の元になる経済活動とお金の流れを解説し、国連の持続開発目標(SDG's)と、環境、持続性、統治に配慮した投資(ESG投資)の考え方と、その力について解説する。 |
第5回 | CCUS技術と研究開発、燃料、化成品(1) 回収したCO2を原料として、CO,合成ガス、水素、メタン、メタノール、ギ酸、ジメチルエーテル(DME)、フォルムアルデヒド、尿素などへ転換する技術について俯瞰し、解説を行う。 |
第6回 | CCUS技術と研究開発、燃料、化成品(2) 回収したCO2を原料として、CO,合成ガス、水素、メタン、メタノール、ギ酸、ジメチルエーテル(DME)、フォルムアルデヒド、尿素などへ転換する技術について俯瞰し、解説を行う。 |
第7回 | CCUS技術と研究開発、燃料、化成品(3) 回収したCO2を原料として、CO,合成ガス、水素、メタン、メタノール、ギ酸、ジメチルエーテル(DME)、フォルムアルデヒド、尿素などへ転換する技術について俯瞰し、解説を行う。 |
第8回 | CCUS技術と研究開発、燃料、化成品(4) 回収したCO2を原料として、CO,合成ガス、水素、メタン、メタノール、ギ酸、ジメチルエーテル(DME)、フォルムアルデヒド、尿素などへ転換する技術について俯瞰し、解説を行う。 |
第9回 | CCUS技術と研究開発、無機物炭酸化(1) カルシウム、マグネシウムなどの金属酸化物を水溶液中で回収CO2と反応させて炭酸塩として固定化する技術について、解説する。 例としてCO2発生を削減した高炉セメントや、回収CO2を利用してコンクリート養生工程で、CO2を強制的に吸収・養生させる強制炭酸化養生技術などについて解説する。 |
第10回 | CCUS技術と研究開発、無機物炭酸化(2) カルシウム、マグネシウムなどの金属酸化物を水溶液中で回収CO2と反応させて炭酸塩として固定化する技術について、解説する。例としてCO2発生を削減した高炉セメントや、回収CO2を利用してコンクリート養生工程で、CO2を強制的に吸収・養生させる強制炭酸化養生技術などについて解説する。 |
第11回 | CCUS技術と研究開発、EOR 回収CO2を地中埋設するCCS技術と、それを活用して原油などの増産を行うEOR技術について解説する。 |
第12回 | CCUS技術と研究開発、地熱利用 回収CO2を作動流体とし、地下深くの高温岩体から熱回収して発電する強化地熱発電について解説する。 |
第13回 | CCUS技術と研究開発、バイオ 回収CO2を使用して藻類を生産し、油分回収を行う技術や、回収CO2を利用して野菜などを生産する技術などについて解説する。 |
第14回 | CCUS技術と研究開発、水素 CCUS技術開発において重要な鍵となる水素製造、貯蔵及び輸送の技術と問題点について解説する。 |
第15回 | CCUS技術と研究開発、将来展望 50年先を展望したエネルギー源と社会における経済活動とCCUS技術開発のシナリオについて解説を行う。 |
その他
教科書 |
教科書として指定する書籍は用意しない。資料を作成し配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
特になし。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業中の課題レポート、最終回終了時の課題レポートの作成と提出。 |
質問への対応 | 授業中の質問は、その場で答えられる場合には、その場でお答えします。また授業後の質問は、その場で答えられなかった質問の回答も含め、e-mailで行う。 |
研究室又は 連絡先 |
株式会社 応用物性研究所 大場茂夫 e-mail : support@at-pp.co.jp 尚、e-mailの表題に、必ず大学、学部、学籍番号、氏名を明記すること。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
地球温暖化の急激な進行とそれに伴う異常気象は、近年の社会、経済の大きな変革を世界規模で行うことの必要性を示しています。 今後50年の社会の変化に適応できる化学系エンジニアには、どのようなスキルが求められるのかを考える機会を提供します。 |