2020年 大学院理工学研究科 シラバス - 物理学専攻
設置情報
科目名 | 量子力学Ⅰ | ||
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設置学科 | 物理学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 二瓶 武史 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M15A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 物理学科以外の学科を卒業した大学院生を対象とし、物理学科の学生が学ぶ量子力学の内容を、初学者向けに丁寧に解説する。特に、量子力学の必要性、波動関数の確率解釈、井戸型ポテンシャル、トンネル効果などを説明する。量子力学を用いる講義や研究に対する、入門的役割を果たしたいと考えている。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義形式。講義ノートの pdf ファイルをCSTポータル等で配布する。(今年度は全てメディア授業で行う。詳細はCSTポータルIIにて連絡する。)[通常の対面授業が可能な場合、駿河台校舎と船橋校舎を結ぶテレビ会議システム(Jamboard)を利用し、講義形式で行う(駿河台校舎から配信)]。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部の力学、数学の基礎を理解していることが必要である。本学理工学部物理学科出身者の履修は不可。 |
授業計画
第1回 | 量子力学の必要性(黒体輻射) 電磁波が粒子(光子)からなることを理解する。宇宙初期のビックバンも議論する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
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第2回 | 量子力学の必要性(光電効果、コンプトン効果、光の干渉実験) 太陽光発電、デジカメ等で広く応用される光電効果等を通して光子の性質を解説する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第3回 | 量子力学の必要性(ド・ブロイ波、ボーアの原子模型) 粒子も波としての性質を持つことを説明し、花火の色などにも関連する原子スペクトルに応用する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第4回 | シュレディンガー方程式 量子力学の基礎方程式を導出する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第5回 | 波動関数の確率解釈 波動関数が確率を表すことを説明する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第6回 | エネルギー固有値方程式 古典力学でのエネルギー保存則が量子力学ではどのように記述されるかを解説する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第7回 | 自由粒子、定常状態 1次元の箱の中の粒子の例を用いて、量子力学の全体像を明らかにする。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第8回 | 観測量とその期待値 物理量の測定によって得られる値と、それが得られる確率について解説する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第9回 | 不確定性関係 ミクロの世界でなぜ位置と運動量を同時に確定させることが出来ないかを理解する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第10回 | 波束の運動 古典的な等速直線運動の量子力学版を解説する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第11回 | 1次元の量子系、波動関数の接続条件 粒子が外力を受ける場合の一般的な取り扱いの基礎を説明する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第12回 | 階段型ポテンシャル 坂道を上っていく粒子が、量子力学ではどのように振る舞うかを理解する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第13回 | 透過率・反射率 古典力学では起こりえない現象が起こる確率を求める。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第14回 | トンネル効果 ミクロの世界では、壁を壊さずに壁の向こうに移動できる。原子1個の画像が得られる高解像度の顕微鏡にも応用されるトンネル効果の原理を解説する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
第15回 | 束縛状態 調和振動子や水素原子など、束縛運動の量子論を定性的に解説する。 事前学習:授業内容の予習を行う。(1時間) 事後学習:授業内容の復習を行う。(3時間) |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
猪木慶治・川合光 著 『量子力学 I・II』 講談社
坂井典佑 著 『量子力学 I・II』 培風館
和田純夫 著 『量子力学のききどころ』 岩波書店
原 康夫 著 『量子力学(岩波基礎物理学シリーズ)』 岩波書店
小出昭一郎 『量子力学 I・II』 基礎物理学選書 裳華房
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート提出(1回)による。 |
質問への対応 | 授業終了後に受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
8号館2階821G室、内線412 E-mail: nihei@phys.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 13:50 ~ 14:50
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学生への メッセージ |
物理学専攻以外の研究室でも、量子力学の知識を必要とする講義や研究が多く行われています。本講義でそのような研究の基礎的な部分の理解を深めて下さい。 |