2020年 大学院理工学研究科 シラバス - 物理学専攻
設置情報
科目名 | 原子核反応論特論Ⅱ | ||
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設置学科 | 物理学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 山田 賢治 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M21A |
クラス |
概要
学修到達目標 | クォーク・ハドロン物理学について,現象論的側面を中心に解説する。 原子核の構成要素である核子や核子同士を結びつける核力に関係するパイ中間子などには,ハドロンと呼ばれる性質の似通った一連の粒子が多数存在する。様々なハドロンを系統的に整理するクォーク模型とその応用について解説するとともに,強い相互作用の基礎理論である量子色力学の知見に基づき,ハドロンの質量や崩壊特性がいかに説明されるかを議論する。 また,加速器実験におけるハドロンの生成とその機構についても概観する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
(1)CSTポータルⅡを利用して,主としてオンデマンド型のメディア授業を実施する。 (2)各回の授業において,必要に応じてレポート課題を課す。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
非相対論的量子力学,特殊相対性理論,相対論的量子力学及び相対論的場の量子論に関する基礎的事項について,理解していること。 |
授業計画
第1回 | ・講義ガイダンス ・素粒子の標準模型(概観) (1)基本粒子とその性質 (2)基本的相互作用とその性質 【事前学習】非相対論的量子力学,特殊相対性理論,相対論的量子力学に関する基礎的事項について,しっかり復習しておくこと。(3時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(1時間) |
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第2回 | ・量子色力学(QCD)の基本的性質 (1)局所的SU(3)ゲージ変換と不変ラグランジアン (2)漸近自由性 (3)クォーク・グルーオンの閉じ込め (4)カイラル対称性とその破れ 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第3回 | ・ハドロンとクォーク模型(その1) (1)クォークの量子数 (2)クォーク多体系としてのハドロンとその種類 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第4回 | ・ハドロンとクォーク模型(その2) (4)ハドロンを特徴づける物理量 (3)ハドロンの命名法 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第5回 | ・時空対称性 (1)並進 (2)空間回転 (3)ローレンツ変換 (4)時間反転 (5)空間反転とパリティ (6)固有パリティ 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第6回 | ・内部対称性(その1) (1)アイソスピン (2)荷電共役変換とC-パリティ (3)G-パリティ 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第7回 | ・内部対称性(その2) (1)ユニタリー群とSU(3), SU(6) (2)メゾンのSU(3), SU(6)表現 (3)バリオンのSU(3), SU(6)表現 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第8回 | ・非相対論的クォーク模型によるハドロンの分類 (1)クォーク-反クォーク・メゾンの分類 (2)3クォーク・バリオンの分類 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第9回 | ・ハドロンの質量 (1)長距離クォーク-反クォークポテンシャル (2)グルーオン交換ポテンシャル (3)クォーク系のハミルトニアン 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第10回 | ・格子QCDによるハドロン分光学 (1)ハドロン質量の予言 (2)カイラル対称性の破れとその人為的回復 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第11回 | ・素粒子の基本的相互作用とハドロンの崩壊 (1)崩壊の種類 (2)対称性と保存則 (3)クォーク-ライン・ダイアグラム 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第12回 | ・ハドロンの強崩壊 (1)観測されているメゾンの崩壊特性 (2)OZI ルール 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第13回 | ・加速器実験におけるハドロンの生成機構(その1) (1)世界の加速器実験 (2)周辺衝突過程 (3)中心衝突過程 (4)電子-陽電子衝突型実験 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第14回 | ・加速器実験におけるハドロンの生成機構(その2) (5)電子-陽電子衝突の全断面積とベクトル・メゾンの生成 (6)CKMクォーク混合行列とBメゾンの弱崩壊 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第15回 | ・まとめと課題 【事前学習】第1〜14回の授業内容について,復習しておくこと。(4時間) |
その他
教科書 |
使用しない。
必要な資料は,その都度配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
(1)P.A. Zyla et al. (Particle Data Group), Review of Particle Physics, Progress of Theoretical and Experimental Physics 2020, 083C01 (2020) (https://pdg.lbl.gov/), OXFORD UNIVERSITY PRESS, 2020, 2020 edition
(2)永江知文 著 『ハドロン物理学入門』 (裳華房) 2020年 第1版
(3)B.ポッフ, K.リーツ, C.ショルツ, F.サッチャ 著/柴田利明 訳 『素粒子・原子核物理入門 改訂新版』 (丸善出版) 2012年 第1版
(4)A. Das, T. Ferbel 著/末包文彦・白井淳平・湯田春雄 訳 『素粒子・原子核物理学の基礎~実験から統一理論まで~』 (共立出版) 2011年 第1版
(5)川村嘉春 著 『相対論的量子力学』 量子力学選書 坂井典佑・筒井泉 監修 (裳華房) 2012年 第1版
(6)日笠健一 著 『ディラック方程式 相対論的量子力学と量子場理論』 臨時別冊・数理科学SGCライブラリ-105 (サイエンス社) 2014年 第1版
(7)国広悌二 著 『クォーク・ハドロン物理学入門 真空の南部理論を基礎として』 臨時別冊・数理科学SGCライブラリ-100 (サイエンス社) 2013年 第1版
(8)Fayyazuddin, Riazuddin, A MODERN INTRODUCTION TO PARTICLE PHYSICS, World Scientific, 2012, 3 edition
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成績評価の方法 及び基準 |
(1)授業への取組状況50%,レポート課題への取組状況50%の割合で総合的に評価する。 (2)各回の授業への出席登録は,授業開始から30分以内にログインすると,【出席する】ボタンが表示されているのでクリックする。出席パスワードを要求されるが,空欄のまま【OK】ボタンをクリックする。 (3)必ず出席登録を行った後に,受講(教材資料の閲覧,課題の解答など)すること。 (4)授業開始から30分を経過した後に受講した場合は,欠席として取り扱うことがある。 |
質問への対応 | 電子メール,Zoom等により随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
研究室:船橋校舎9号館1階916E号室 E-mail:yamada.kenji@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 船橋 12:15 ~ 13:15 9号館1階916E号室
木曜 船橋 12:15 ~ 13:15 9号館1階916E号室
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学生への メッセージ |